蜻蛉 (とんぼ) / 季節の移ろい
朝夕に秋の気配を感じるようになりました。 もう9月です。
とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉かな 中村汀女
それまで気づかなかったのですが、ふと立ち止まってみると、辺り一面がトンボの群れでおおわれていたのです。秋の一風景です。
「見たまま」 を句作するという写生句で、汀女の代表作です。
この句は、横浜三渓園で詠まれたとされていますが、汀女は生まれ故郷の熊本水前寺江津湖を思い出していたのかも知れません。
中村 汀女(なかむら ていじょ 1900 - 1988)は、昭和を代表する女流俳人。
馬の耳 ちょこちょこなぶる 蜻蛉かな 小林一茶
竹竿の さきに夕日の 蜻蛉かな 正岡子規
蜻蛉は秋の季語として、多くの俳人に詠まれました。どの句も、風景がありありと目に浮かびます。
季節のバトンは、蝉(せみ)から蜻蛉(とんぼ)に受け継がれようとしています・・・
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