「二人の音楽会」 に深い味わいを聴く
お世話になった音大の先生(ピアノ)と、ソプラノ歌手によるジョイントコンサートに出掛けました。 (2016年9月24日 ザ コンサートホール)
題して 「二人の音楽会」 ピアノ : 金山 正一 ソプラノ : 渡部 千枝
↑チラシからも温かい雰囲気が伝わります
前半は金山先生のピアノソロで、氏の 「特別な思い」 のこもった シューマン 「子供の情景op.15(全13曲)」 と、シベリウスの 「小品(3曲)」 が演奏されました。
子供の情景は、大人の視点で見た 「子供の姿」 を、繊細に描写した音楽です。
生き生きとした子供時代の回想を、金山先生は清澄なタッチの中で詩情豊かに語りかけて・・・ この曲への限りない愛情が感じられ、心を打たれました。
そしてシベリウスは、北欧フィンランドの寒々しい空気感、森と湖の豊かな自然が、眼前に迫るような錯覚を覚えました。あらためて作品の気高さを味わった次第です。
後半は、渡部千枝氏のソプラノ独唱 (ピアノ伴奏:金山正一)でしたが、秋をテーマにした日本歌曲(6曲)と、ドイツ語による懐かしの名歌(4曲)が披露されました。
プログラムに添付された歌詞カード、どれも心に響く素晴らしい詩ばかりです。
ご本人曰く、「創造の神の宿っている詩人や作曲家の賞賛されるべき作品の再現者として、その作品の魂にどこまで近づくことが出来るか・・・(後略)」 。
「桔梗 (野村 朗)」 、「わが母の教え給いし歌(ドヴォルザーク)」 などに魅了されてしまいました。 まさに作品に込められた核心(魂)を感じることが出来ました。
週末の 「二人の音楽会」 は、これまでの人生を投影したかのような深い味わいに包まれたコンサートでした・・・
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