音楽から見た リオ五輪開会式は 「サンバ」 一色だった
開会式のオープニング映像では、バックに早速 ボサノバ音楽が流れていましたが、次のカウントダウンのシーンでは、サンバの名曲 「ブラジルの水彩画 Aquarela do Brasil」 が使われていました。
ブラジル国歌は、円形のステージ上で、ギターを手にした パウリーニョ・ダ・ヴィオラ氏と9人の弦楽奏者によって演奏され、国旗が掲揚されました。 アレンジが見事で、意外なほど静かで優しい国歌斉唱でした。
世界的な映画監督 フェルナンド・メイレレス氏が演出した開会式は、ブラジルの歴史を壮大に描きます。 途中、リオデジャネイロの夜景がきれいな飛行シーンでは 「飛行機からのサンバ Samba do Aviao」 がインストルメンタルで流れます。
そして、日本でもお馴染みの 「イパネマの娘」 が、作曲者 トム・ジョビンの孫のダニエル・ジョビン氏のピアノ弾き歌いで演奏されました。
プロジェクターが多彩で動きのある映像を映し出す頃から、次第に音楽はサンバ中心になっていきます。セルジオ・メンデスのヒット曲 「パイス・トロピカル」 が、 ジョルジ・ベンジョール氏とヘジーナ・カゼー氏によって歌われると、ステージと客席が一体となって踊り出しました。
開会式のメイン、選手入場は、もちろんサンバ音楽が中心でした。207か国(国と地域)の入場行進は2時間余りに及びましたが、その間ずっとサンバです。
最後に開催国ブラジルの大選手団が、サンバ 「ブラジル」 の音楽をバックに陽気に登場すると会場は興奮の渦に。その楽しさが茶の間にも伝わる開会式ですが、やや騒々しい感もありました。
カルロス・ヌズマン大会組織委会長と、トーマス・バッハIOC会長の長い話が終わると、オリンピック旗が入場し、スラム街ファベーラ出身の子供たち40名によってオリンピック賛歌が歌われました。清らかな歌声でした。
画像はNHK TV画面より
宣誓の後は、ブラジルの歌姫 アニッタさんや、 歌手ジルベルト・ジルさん、カエターノ・ヴェローゾ さん3人が歌う中、12のサンバチームが入場して、まさにスタジアム全体が 「リオのカーニバル」 状態でした。
そして、聖火の点灯でクライマックスを迎え、花火の音と光が会場を包み、大歓声のうちに開会式は終わりました。
◆参考 当ブログ リオ五輪/ブラジルを知ろう
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