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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2016年7月11日 (月)

男声合唱の魅力に触れる (2)

およそ1年ぶりに男声合唱のコンサートに出かけました。

男声合唱団 コール・ファーテル第10回演奏会  指揮/吉田雅博 (2016・7・10 サラマンカホール)

Img_20160710_0001_new

創立25年の記念すべき演奏会は、第1ステージの 「愛唱歌集」 に始まり、第2ステージの「男声合唱組曲 水墨集」 (多田武彦 曲)、第3ステージは、「青春時代の思い出の曲」 を、ピアノや弦楽アンサンブルを交えて歌われました。

愛唱歌では、「見上げてごらん夜の星を」、「遠くへ行きたい」 などを、豊かな曲想で抒情的に歌い上げ、心地よいハーモニーが満場のホールに響きました。

団員の豊かな合唱経験と、指導者の溢れる音楽性が溶け合った見事な合唱でした。歌詞を大切にした丁寧な歌唱と、実に繊細な情感は、この合唱団の持ち味です。

無伴奏で歌われる 「組曲 水墨集」 は、北原白秋の格調高い詩の核心に迫る深遠な世界を表現して、男声合唱の醍醐味を満喫することができました。

最後のステージは、「竹田の子守歌」、「少年時代」などを、弦楽四重奏とピアノの彩りを添えて、懐かしい青春の日々を慈しむかのように甘く歌われ、会場の盛んな拍手を受けていました。

アンコールは、「精霊流し」 と 「遥かな友に」 。照明効果を考えた演出もあり感動的で楽しめました。共演の弦楽器奏者もピアノも実力者を揃えて熱っぽい好演でした。


さて、近年アマチュア合唱団の多くは、高齢化が進んでいます。また、聴衆も高齢者が目立つようになりました。

失礼を承知で言えば、「老老コンサート」 です。

しかし、この合唱団は、「老老コンサート」 を逆手にとって、お客さん目線でプログラムを組んでいるようです。

お客様に喜んでもらえる選曲に徹した結果、若かりし頃の名曲が並びました。「夏の思い出」、「からたちの花」、「夢見たものは」、「旅の宿」、「さよならをするために」、「岬めぐり」などです。 (前述の曲目を除く)

これらの青春歌を、人生経験豊かな男性が歌い上げることに意味があります。歌に哀愁が漂うからです。

ですから、この日のコンサートは立ち見が出るほどの盛況でした。

合唱を愛して止まない団員の 「純粋な心」 が伝わる素敵な演奏会でした。これからも聴衆に愛される男声合唱団として末永く活動されることを祈念いたします。

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