水の上にて歌える/宇野功芳氏亡くなる
音楽評論家で指揮者の宇野功芳(うの こうほう)氏が亡くなりました。享年86歳。
歴史的指揮者の、ワルター、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュなどを高く評価する一方、カラヤンには概ね批判的でした。
朝比奈隆を評価しましたが、小澤征爾氏のエロイカについては、「 人気は高いが、味のうすいアサヒ・スーパー・ドライのよう 」 と、辛口の批評を展開しました。
当時は、クラシックレコードの新譜が発売されると、レコード会社の主催で 「試聴会」 が催されることが多く、宇野功芳氏の解説を、何度も聞く機会に恵まれたことは良き思い出です。
クラシックの名曲・名盤の解説など、多くの著書を残しましたが、指揮者としても精力的に活躍して、ベートーヴェンやブラームスなどの名演(迷演)を残しました。
その独特の解釈には賛否両論があったものの、信奉者も多く存在しました(私もその一人かも知れません)。
※参考 演奏は壊れていますが、音楽のうねりとエネルギーは感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=ECkVKuuGFZk (リンク切れはご容赦下さい)
追悼の意味で、20年以上も前に買った彼のCDを聴くことにしました。
心の四季~功芳の女声合唱 (PCCL-00223)
どの曲も感情が込められた演奏で素晴らしいのですが、シューベルトの 「水の上にて歌える」 ( 宇野道義・長谷敬三作詞/宇野功芳編曲/宮下恵美Pf )が、この上なく美しく歌われています。
※参考 同曲をピアノとチェロで演奏した動画を見つけました。 https://www.youtube.com/watch?v=mCBPRmt_al8
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