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  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2016年5月25日 (水)

三好達治に学ぶ

いつも楽しく通っている 「調和体」 の教室。今回は半円形に書いてみました。バランスが難しく師匠のようには書けません。


海の藍 ざぼんの緑 赤とんぼ       三好達治  「路上百句」より


緑の 「ざぼん」 と言えば初夏のようですが、「ざぼん」 は冬の季語だそうです。そして、「海」 と言えば夏を連想しますが、「海」 は季語ではありません。

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「赤とんぼ」 は、言うまでもなく秋の季語です。 では一体、この俳句の季節はいつでしょうか。


そんな事を考えながら書いていましたが、やはり、「赤とんぼ」 と言うからには 「秋」 の句と見るべきでしょう。

それにしても、「藍色」、「緑色」、「赤色」 の三色を使った風景描写は鮮やかです。

Photo

ところで、三好達治で思い出す詩が 「灰が降る」 です。

「灰が降る」          三好 達治

灰が降る灰が降る
成層圏から灰が降る
灰が降る灰が降る
世界一列灰が降る

北極熊もペンギンも
椰子も菫も鶯も
知らぬが仏でいるうちに
世界一列店だてだ

一つの胡桃をわけあって
彼らが何をするだろう

死の総計の灰をまく
とんだ花咲爺さんだ
蛍いっぴき飛ぶでなく
いっそさっぱりするだろか

学校という学校が
それから休みになるだろう
銀行の窓こじあける
ギャングもいなくなるだろう

それから六千五百年
地球はぐっすり寝るだろう
それから六万五千年
それでも地球は寝てるだろう

小さな胡桃をとりあって
彼らが何をしただろう

お月さまが
囁いた 
昔々あの星に
悧巧な猿が住んでいた



米国のビキニ環礁の水爆実験を題材にした詩ですが、70年経った今も、核世界に警鐘を鳴らし続けています。

折しも、伊勢志摩サミットで、オバマ大統領が広島を訪問します。 二度と 「とんだ花咲爺さん」 が現れないよう、あの世の三好達治は訴えています。

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