忘災の国
地震、台風、噴火、豪雨、毎年のように日本に襲い掛かる自然災害。
昭和20(1945)年以降~平成26(2014)年までの69年間に国内で起きた主な災害だけで60件も発生しています。 唖然とするほどの多さです。
■ 資料1 我が国における昭和20年以降の主な自然災害の状況 (平成27年内閣府防災白書より)
「日本の歴史」 は、「災害の歴史」 と言っても過言ではありません。
そして、災害による日本の被害額は、世界の総被害額の15%を占めています。それだけ国(国民)の財産が減っているのです。
■ 資料2 安全・安心社会の確立に向けた国土交通行政の展開 ⑴脆弱な国土 (国交省資料)
災害により、国民の命と財産が失われているのですから、防災こそが日本の最重要課題であることは言うまでもありません。
戦後最悪の東日本大震災から5年、日本は、「地震、津波、原発事故」 の三重苦を背負って復興に努めてきました。
その最中、震度7の大地震が再び日本を襲いました。熊本地震は、活断層による内陸直下型地震と発表されましたが、活断層は分かっているだけで、日本に2000箇所あります。
活断層の帯は、九州から四国、本州へと伸びています(中央構造線)。 さらに、日本の地下には、無数の活断層が走っています。
日本中、いつ、どこで、震度7以上の地震が起きても不思議ではありません。
そのことを踏まえて原発事故のことを考えると・・・
私たちは、福島の原発事故で、「安全神話」 が崩れたことを思い知らされました。大地震が来ても 「安全」 とされた原発で起きてしまった大事故。
当初は 「想定外」 と言って、責任回避していた政府、東電でしたが、国会事故調査委の最終報告で 「人災」 と断定され、厳しく責任を問われています。
未曾有の大災害を経験しても、日本は懲りずに 「原発再稼働」 を目指しています。
国民の生命と財産を守ることが最優先されるはずなのに、「安全神話が崩れた原発」をどうして再稼働させるのでしょうか、理解に苦しみます。
このほど、運転期間が40年を超えた 「高浜原発1号機・2号機」 が、規制委の審査に合格しました。 そして、日本では建設中の大間原発を含め25基が原子力規制委に安全審査を申請中です。今後、再稼働の動きは加速されるでしょう。
ある新聞で 「忘災」 という言葉を見つけ、日本の現状を見る思いでした。あの福島の事故を忘れて、再稼働に走る日本という国は、まさに 「忘災の国」 だと思います。
すでに崩壊した 「安全神話」 を再度持ち出して 「原発再稼働」 を推進する日本は、世界中から 「忘災の国」 と言われても仕方ありません。 悲しい言葉です・・・
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