見えないものが怖い/ 命の尊さを問う
5年目の3.11が近づいています。
この世で本当に怖いものは目に見えません。
放射能、電磁波、そして人間の心です。
■ 放射能
この程、東電元会長ら3人が東京地裁に強制起訴されました。
原発事故は予見できたはずなのに対策を怠ってきた責任は重く、これは明らかな 「人災」 です。事故から5年も経っての起訴はあまりにも遅すぎます。
東電だけでなく元保安院幹部ら5人についても、起訴相当かどうか東京第1検審が審査中です。
未だに10万人近い住民が避難生活を送り、子供たちは線量計を付け、目に見えない放射線におびえて生活しているのです。
大気や土壌の汚染に加え、海洋汚染も深刻です。廃棄物の処分場は未解決のままです。 原発事故の収束のめどは全く付いていないのが現状です。
■ 電磁波
WHO の外部組織、国際がん研究機関 IARC (International Agency for Research on Cancer)は、携帯電話の電磁波に発がん性があると公表しています。
また、フランス・ボルドー大学の研究チームは携帯電話の長時間の使用は、脳 しゅようのリスクが高まると警告しています。 (2014年発表)
実際、一部のスマートフォンの説明書(小冊子)には「、高周波が基準値より高くなる事があるので「身体から15mm以上離して使用するように」 と記載されているそうです。
私たちの身近に存在する目に見えない電磁波。
電子レンジや I H調理器はもちろん、TV、パソコン、エアコン、照明器具からマイカーに至るまで、私たち現代人は電磁波に囲まれて生活しているのです。
便利さと引き換えに、知らず知らず健康を害しているかも知れませんが、被害の実態は知らされていません。その点は放射能と同じです。自己防衛しかないのかも知れません。
■ 人間の心
川崎市内の有料老人ホームの入居者3人が転落死した事件で、23歳の介護職員が逮捕されました。
全く理解できませんが、この施設の中で何が起こっていたのでしょうか。3人もの老人を殺害する動機が分かりません。
また、この事件の半月前には、東京北区の託児所で、6歳の男児らが虐待を受け、28歳の保育士が暴行容疑で逮捕されました。
弱者を守る立場の介護職員や保育士が起こした犯罪。どこかに社会のひずみが隠れているような気がします。
人間性のかけらもない残虐な犯罪に、不気味な 「心の闇」 が見え隠れします。その「闇」の正体を見つけない限り、この手の犯罪は無くならないでしょう。
川崎の介護施設のHPを見ると、
「音楽大学OBにご来訪頂いてミニクラシックコンサートを開催しました。地域と連携し、ご利用者様の生活の価値向上に努めます。」 と、写真入りで載っています。
生活価値の向上どころか殺されてしまってはご遺族もやり切れません。とんでもない施設に大切な家族を預けてしまったものです。
もちろん、2つの事件を社会のせいだと決めつけることは出来ませんが、低賃金で働く福祉の現場と、急増する高齢者、待機児童問題など、社会全体で見直すことも必要ではないかと思います。
放射能、電磁波、人の心。 見えないものだけに、その扱いが難しいのが現実ですが、キーワードは 「命の尊さ」 にあると思います。その視点に立って、見えないものの恐怖に立ち向かうことで自然に解決の道筋が見えてくるのではないでしょうか。
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