林住期 (本の紹介No.018)
「林住期(りんじゅうき)」 五木寛之著 幻冬舎(平成19年2月第1刷発行)
親しくしているピアノの先生に勧められて本屋を探しましたが、少し前の本なので見つからず、結局はブックオフで安く購入することになりました。
※現在は文庫サイズ(幻冬舎文庫 535円)で購入できるようです。
「古代インドでは、人生を四つの時期に分けて考えたという。
学生期(がくしょうき)、家住期(かじゅうき)、そして、林住期(りんじゅうき)と、遊行期(ゆぎょうき)。
林住期(りんじゅうき)とは、社会人としての務めを終えたあと、すべての人が迎える、もっとも輝かしい 『第三の人生』 のことである。」 (本書の帯に書かれた紹介文)
仮に、人生を100年として、その第3ステージである、50歳から75歳までの25年間が「林住期」 という訳です。
高齢化時代、多くの日本人がこの 「林住期」 を生きていますが、五木さんが言うように輝かしい 「第三の人生」 とは言えないのが現状です。 むしろ日々の生活に追われ、病気を抱え、人間関係に疲れ、重苦しい時代を生きているのではないでしょうか。
それでも、本書に惹かれるのは、この本が 「希望の光」 を放っているからです。
人生の前半を助走期間と考え、後半を「収穫期」とする考え方です。 決して「下り坂」 とは考えません。
真の生きがいを求めることで、人生の 「クライマックス」 は誰にでも訪れます。
最初の25年間(学生期)は、いわば青春時代です。社会人になるための準備期間です。次の25年間(家住期)は、一人前の社会人として家庭を築き、社会に奉仕する時期です。
そして迎えた黄金の 「林住期」 こそが、人生の 「クライマックス」 なのです。生きる勇気と知恵がいっぱい詰まった本だと思いました。
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