実感のない数字/家計の金融資産1717兆円
日本の金融資産が増え続けています。
日銀が17日発表した速報値によると、家計が6月末時点で保有する預金や株式などの金融資産は、前年同期より4・4%増えて1717兆円となり、過去最高となりました。
しかも、その過半数は現預金で、金額は893兆円に上ります。株式や投信、出資金も全て増えています。
一方、企業の金融資産残高は、1124兆円、このうち現金・預金は243兆円となり、6年連続で過去最高を更新しました。
日本では、家計も企業も驚くほど資産が増え続けているのです。
1717兆円のうち、現預金の893兆円を一万円札で積み上げると、富士山のおよそ240倍の高さになります。それだけの現預金を日本の家計は保有しているのです。
しかし、厚生労働省が平成26年にまとめた 「国民生活基礎調査」 よると、日本人の約6人に1人が相対的な貧困層に分類され、生活意識が 「苦しい」 とした世帯は62,4%に上ります。 「苦しい」 世帯は、調査の度に増え続けています。
↑この棒グラフはクリックで拡大しますhttp://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa14/dl/03.pdf
また、18歳未満の子どもを対象にした 「子どもの貧困率」 も16,3%となり、過去最悪を更新しました。
家計の金融資産は1717兆円で過去最高なのに、家計が 「苦しい」 世帯は年々増加しています。
この矛盾をどう説明したら良いのでしょう。 ここに、今日の日本の、最大の問題があるように思います。
仮に安保法制で、外敵から日本の平和が守られたとしても、格差社会の進行は、内部から国民をむしばんでいくでしょう。 荒廃する社会は悲惨です。
「子供たちや未来の子供たちに、平和な日本を引き継ぐ」 と強調した安倍首相の言葉が、何の説得力も持たないことは言うまでもありません。
今、政治に求められていることは何なのか? その答えを 「国民の視点」 で出した政党が、来年の参議院選挙で躍進すると確信します。
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