世界で最も美しい「君が代」を聴いて平和を願う
国歌 「君が代」 は、わずか11小節の短い歌です。 演奏時間は1分ほど。
このほど、「別冊正論24」 の付録 CDに、世界で最も美しい 「君が代」 が入っていると聞いて興味を持ち、早速書店で購入してみました。 (正論と言う本は初めて買いました)
内閣書記官長 迫水久常氏の証言など、貴重な音声も収録されており、興味深く拝聴しました。
さて、君が代の演奏は、終戦時の玉音放送で流れたもの(1分20秒)と、戦後に東京芸術劇場で演奏された、宇宿允人(うすき まさと)氏指揮/フロイデフィルハーモニー、合唱団のもの(1分11秒)の二種類が入っていますが、どちらもゆったりとしたテンポで、格調が高く、日本の悠久の歴史と崇高な理念が表現されているように感じられました。
右でも左でもなく、純粋に国歌 「君が代」 を聴きながら、「平和」 をあらためて考えてみましたが、本文中に宇宿允人氏の言葉がありましたので、以下に紹介します。
■ 孤高の指揮者 宇宿允人氏の言葉 (本誌文中より)
「平和」 という言葉が飛び交う傍らには、必ず 「戦争」 という言葉が付きまとう。「戦争」 と 「平和」 の関係性は表裏一体であり、人間は歴史上、この悲劇のパターンを繰り返してやまなかった。
ベートーヴェンという芸術家の出現と彼が遺した偉大な理念と作品は、悲劇の連鎖を打ち切る金字塔と言っていいだろう。
その考えがEUという形で結実する。EUの国歌は 「第九 歓喜の歌」 。世界に平和をもたらすのは武力でなく、人類愛と文化の力であることを二百年という時をかけ、ベートーヴェンは見事に証明したのだ。
しかし、日本の現状に暗澹たる思いは募るばかりだ。経済的効率ばかりが優先され、価値基準は人気のあるなし、売れる売れないのみ。皮相的な価値観は、本来人間が持つ精神的奥行や潤い、しなやかさを奪ってしまった。
私は思う、このような薄っぺらな世の中だからこそ、今、本物の芸術が必要なのだ。
宇宿氏は惜しくも2011年に他界されましたが、もしご存命でしたら、今の政治の現状をどう思われているのでしょうか。
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