守屋多々志美術館 「愛と祈り」展
守屋多々志美術館で開催中の 「戦後70年 愛と祈り」 展(2015・7・18~9・23)を鑑賞してきました。
太平洋戦争末期の昭和20年、(守屋画伯の郷里) 大垣は6度の空襲を受けました。翌年、復員列車で駅に降りたった守屋は、焦土と化した街並みに呆然としますが、それでも故郷の風景に励まされたと晩年に語っています。
懐かしいふるさとの情景、愛と平和への祈りをテーマとする企画展です。 (青字は企画展チラシより)
「誕生(聖徳太子)」 ↑ (クリックで拡大) 愛と祈りと優雅さに満ちています。
今回の展覧会では見れませんでしたが、実はこの美術館には、守屋多々志の代表作の一つ、「ウィーンに六段の調べ」 ↓ が所蔵されています。
明治20年からオーストリア・ハンガリー全権公使としてウィーンに赴任した戸田伯爵の夫人が、ある夜会で、ブラームスの前で「六段の調べ」を演奏している絵画です。
ウィーンの楽友協会には、ブラームスが筝の演奏を聴きながら、その特徴を書き込んだ楽譜が残されており、昭和60年、関係者の研究により、ブラームスが実際に琴の演奏を聴いたことが発表されました。
研究者によれば、ブラームスの最晩年の作品には、日本の侘び寂び(わびさび)にも似た閑寂枯淡の境地が表出しており、少なからず日本音楽が影響を与えたとしています。全く同感です。
■ さて、守屋多々志が平成13年に文化勲章を受章していることから、過去の377人の受賞者を調べてみると、何故か音楽関係者が極端に少ないことが分かりました。
西洋音楽分野では、山田耕筰、吉田秀和、朝比奈隆、小澤征爾の4人だけでした。
これほど音楽(洋楽)が文化に貢献しているのに不思議としか言いようがありません。
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