梅雨(6月~)に降る五月雨
この地方も梅雨入りしたようです。
梅雨の時期に降る雨を 「五月雨(さみだれ)」 と言います。
六月に降る雨を、「五月雨」 と言うのも不思議な気がしますが、俳句や短歌の世界では旧暦を基準にしていますので、これも独特の文化の痕跡として了としています。
ちなみに、旧暦はアジア諸国に多く残っていて、特に中国の春節(旧正月)が有名です。 中国人観光客による日本での 「爆買い」 は1,140億円 (2015年) に上ったそうです。
五月雨の 降(ふり)のこしてや 光堂
「光堂」 というのは、平泉中尊寺の金色堂のことです。 永年降り続いた雨で、栄華の跡も朽ちてしまったのに、この光堂だけは雨が降り残したのだろうか、今もまぶしいほどに光り輝いているよ、という意味とのこと。 作者の感動が伝わります。
五月雨を あつめて早し 最上川
梅雨の長雨で、上流から集まった水流が、水しぶきを上げて勢いよく流れている様子が描写され、力動感がみなぎっています。
二句とも、大変有名な句ですが、どちらも 「奥の細道」 の中で、芭蕉が詠んだ句です。
芭蕉は、五月雨という季語が気に入っていたのでしょうか。
五月雨や桶の輪切る夜の声
五月雨にかくれぬものや瀬田の橋
五月雨は滝降うづむみかさ哉
五月雨や色紙へぎたる壁の跡 以上 芭蕉
「梅雨の雨」 というより、「五月雨」 の方が風雅を感じるのは確かです。 梅雨明けまでのしばらくは、雨が降ったら 「五月雨」 が降ったと思うようにしてみます。
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