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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

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壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2015年5月29日 (金)

戦後70年 慰霊の旅 その弐

安らかに眠って下さい 過ちは繰返しませぬから

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「 鎮魂 」  書家 金澤翔子氏 公式サイトより http://www.k-shoko.org/


慰霊の旅 第二弾は、被爆70年の広島に行って来ました。 修学旅行以来、およそ50年ぶりです。

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最高気温が30度を超えましたが、この日も多くの修学旅行生と外国人観光客が、
広島平和記念公園や平和記念資料館(原爆資料館)を訪れていました。

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美しい公園ですが、重い空気が立ち込めています。 特に原爆資料館は、当時の惨状を伝える遺品、写真などの展示物が、無言の叫び声を上げているようで恐ろしくなりました。 無辜の市民を14万人(その年の12月末までの数字)も殺戮した残虐非道な行為は決して許されるものではありません。

滞在中、資料館には2度足を運びましたが、その都度 ボランティアの方が詳しく説明してくれました。とても良い制度だと思います。 尚、館内は写真撮影OK(フラッシュ禁止)でしたが、さすがに写す気にはなれませんでした。

近接する国立の追悼施設では、被爆者による体験談がありました。 言うまでもなく、被爆体験者はご高齢です。 いつか、体験談を直接聞くことは出来なくなるでしょう。 風化をくい止めるのは戦後生まれの私たちの務めだとの思いを新たにしました。

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世界遺産、「原爆 ドーム」 。 コンクリートの表面が焼けただれ、がれきの中に立つ 無残な姿の 「原爆 ドーム」 ですが、存在感の大きさには圧倒されます。 訪れた人は、世界平和を心に誓わずにいられないでしょう。

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ちちをかえせ ははをかえせ

としよりをかえせ

こどもをかえせ 

わたしをかえせ わたしにつながる

にんげんをかえせ 

にんげんの にんげんのよのあるかぎり

くずれぬへいわをへいわをかえせ      峠 三吉

吉永小百合さん原爆詩朗読 ピアノ坂本龍一さん youtube



その夜、広島文化学園 HGBホールにて、チャイコフスキーの交響曲第6番 「悲愴」 他のコンサートがありました。 被爆70年の「広島平和チャリティコンサート2015」 でしたが、巨匠フェドセーエフ
(82歳)指揮、チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ(旧モスクワ放送響)ということで、期待して出掛けました。 (2015・5・28)

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会場は満席に近く、開演前から熱気にあふれていました。 冒頭の弦楽セレナーデは、感情をたっぷり移入して歌わせ、観客を一気に惹きつけましたが、ややピッチが悪く、重い音楽になったのは残念でした。

2曲目の瞑想曲Op.72は、レーピンのヴァイオリンが際立って美しく、オケとの相性も抜群の好演でした。

メインの悲愴は、第1楽章前半のアンサンブルに緻密さが欠け、やや荒削りの感がありましたが、展開部以降は本領発揮、さすがツボを心得ています、ドンドン盛り上がりクライマックスを構築しました。 ただ、ホールのせいもあってか、金管の音が固かったのが気になりました。

良くあるケースですが、3楽章が終わったところで盛大な拍手とブラボーの声がありました。 少し気まずい雰囲気で始めた終楽章は、まさに悲愴感に満ちた演奏でしたが、消え入るように演奏が終わるシーンで、またもや 「バチバチバチ!」 と、無神経な拍手があって、余韻を楽しむどころか、興ざめしてしまいました。

色々ありましたが、演奏は楽しめました。 それに、料金がサントリーホールの3分の1ですから仕方ありません。 

アンコールは大サービスの3曲、スヴィリードフ交響組曲 「吹雪」 よりワルツエコー、 チャイコフスキー 「白鳥の湖」 よりスペインの踊り、 ハチャトゥリアン 「ガイーヌ」 より レスギンカでしたが、どの演奏も文句なく最高の出来でした。

ただ、アンコール曲の貼り紙が間違っていました。「白鳥の湖」が、「くるみ割り人形」と書かれてました。 帰りがけに、多くの聴衆が、それを写していましたが、単純ミスとは言えちょっとお粗末でした。 しかし、広島の地で戦後70年の本年、「悲愴」 が聴けたことは感慨深いものがありました。

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ひろしま美術館で西洋絵画の名品(マリー・ローランサンの花束を持つ婦人など)を鑑賞して、市電に乗車し、広島名物のお好み焼きを食べて帰路に着きました。

行列の出来るお好み焼屋は、店名が私の名前と同じ 「麗ちゃん」 でした。 30分並んだかいもあって、生涯で一番美味しいお好み焼きに出会えました。


考えてみれば、美味しいお好み焼が食べれる日本は平和な国です。そして、平和を満喫しているが故に、戦争は風化して行くのかも知れません。 平和が当たり前の世の中では、別に平和について考える必要もありません。 政治に無関心であっても何の不自由もありません。 

しかし、原発再稼働や基地問題、安保法制、中韓との対立など、日本の現状には危機感が漂っています。 NPT再検討会議は決裂しました。 私たち一人一人が、今こそ平和について考えるべき時ではないでしょうか。 信念に従って行動する時ではないでしょうか。

そのことが、戦陣に散った多くの兵士と、原爆で犠牲になった多くの市民、戦禍に倒れた数知れぬ犠牲者を追悼し、故人の御霊を慰めることにつながると思います。 

慰霊の旅は続きます・・・



□ 戦後70年 慰霊の旅 その壱 (東京編)

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