バレンボイム氏 新型ピアノを考案
指揮者でピアニストのダニエル・バレンボイム氏が、ラジカル(画期的)な新型ピアノを開発したようです。 (出典 BBC NEWS Entertaiment & Art より)
画像を良く見ると、「BARENBOIM」 と書かれています。 (このピアノを使って、実際にシューベルトのピアノソナタの演奏会が予定されています)
ベルギーの楽器メーカー CHIRISMAENE(クリス社) と共同で開発したようですが、最大の特徴は、弦を平行に張った 「平行弦」 の構造にあります。
現在のピアノは、低音域と中音域の弦を交差させる 「交差弦」 構造になっています。
※ 上記写真は、東洋ピアノ、ヤマハ及び business newsline サイトより
「交差弦」 とは、弦を斜めに交差して配置することで、少ない面積で長い弦を張ることが可能になり、低音から中音が豊かに響くようなるなど、大幅な音質上のメリットがありました。 完成させたスタインウェイ社は特許を取得し、今では多くのメーカーで標準採用されています。 「交差弦」 によって、大ホールの演奏会も可能になりました。
バレンボイム氏は、敢えて「平行弦」 にこだわり、音量はやや小さくても、明瞭で繊細な音色のピアノを完成させました。
と言っても、むしろピアノのルーツは 「平行弦」 にあります。 著名なフランスのエラール社は、長く 「平行弦」 のピアノを生産し続けました。また、ショパンが 「平行弦」 のプレイエルピアノを好んで使ったことは有名です。
バレンボイム氏の新型ピアノは、「平行弦」 以外にも様々なアイデアがあるようですが、是非、この音色を体験したいものです。 今回のニュースのお蔭で、改めてピアノの構造を勉強する機会を得たことに感謝いたします。
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