イラク、戦時下のコンサート
戦時下のコンサートとしては、第二次世界大戦時のベルリンフィルが、停電と空爆の続く中、ベルリン陥落の直前まで演奏し続けた話が有名ですが、イラクでも同様のコンサートが行われているそうです。
朝日新聞デジタルによると、「イスラム国」 が勢力を拡げ混乱が続くイラクで、国立交響楽団が、「音楽による連帯」 を目指して活動を続けているとのことです。
先月の定期演奏会には、テロの脅威を乗り越え千人を超す聴衆が集まりました。
この日のプログラムは、マーラーの 「巨人」。 10代~70代の団員は、みな運転手や教師など別の仕事を持ち続け、練習時間も十分取れません。 その上、ハープやバスクラリネットなど足りない楽器もあるそうです。
イスラム教スンニ派、シーア派、キリスト教、クルド人など様々な背景を乗り越え、一つの指揮棒の下、音楽による連帯は素晴らしいハーモニーを奏でていると思います。
一方、やっと停戦合意にこぎつけたウクライナ紛争ですが、2013年暮れの反政府デモの最中に、ずらりと居並ぶ治安部隊の前で、ウクライナ出身のピアニストがショパンを演奏する写真が話題になったことがありました。(坂本龍一氏提供の写真)
治安部隊に対峙して、彼が弾いた曲は、ショパンのワルツ第7番嬰ハ短調作品64-2。どなたもご存知の曲です。 キーシンの流れるような演奏がyoutubeで見れます。
EVGENY KISSIN plays CHOPIN Waltz Op.64 n.2
https://www.youtube.com/watch?v=WVsGf1ag6Us
音楽の力で、この地上からあらゆる暴力が無くなる日が来ることを願っています。
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