詩的な調べによせて
宗次ホールランチタイムコンサート「 ピアノでめぐるヨーロッパの旅 」 に出掛けました。
ピアニストは、当ブログでも以前ご紹介した 卯野杏実(うの あずみ)さんです。
言うまでもなく、ピアノはヨーロッパで誕生し、その進化の歴史の中で、多くのピアノ曲が作曲されました。 今日は、ヨーロッパで生まれ育った ピアノ音楽を、約1時間でめぐる 「音楽の旅 」 コンサートです。
ハイネのロマンティックな詩が聴こえてきそうな 「 歌の翼に 」 、柔らかなタッチが印象的でした。 そして、ミュラーの詩による「美しき水車小屋の娘」第1番、生命力と喜びに溢れていました。
フランス印象派 ドビュッシーの「月の光」は、ヴェルレーヌの詩の世界を優しく表現しました。 この曲は描写音楽ですが、内面性もあり奥の深い曲だと思います。
圧巻は、プロコの 「 サルカズム(風刺) 」 。5曲からなる少し長めの曲です。本来はランチタイムに弾く曲ではありませんが、ピアノ音楽の多面性を紹介するにはうってつけの曲です。ピアノ線が切れるかと思うほどの強打と、不協和音、強烈なリズム、躍動感、音の洪水・・・その中にある詩的な要素を感じながら色彩豊かに弾き切りました。
シューマンを無事弾き終え、最後は、フィギアスケートの羽生結弦君がショートで使用している 「 バラード1番ト短調 」 。アンコールに、人気の「ルーマニア民族舞曲」。
~詩的な調べによせて~ 卯野さんの多彩な表現力に圧倒され、1時間があっと言う間の素晴らしいコンサートでした。
« 音楽のように~ホイッスラー展 in 京都 | トップページ | 反戦の寺 明泉寺を訪ねる »
「音楽」カテゴリの記事
- 知られざる名曲 第279回 アドベンチャー スイート / トーマス・バーガーセン(2024.12.12)
- 知られざる名曲 第278回 ノクターン9番 / フィールド (2024.12.03)
- 知られざる名曲 第277回 ラルゴ / ヴェラチーニ(2024.11.29)
- 知られざる名曲 第276回 ラドロー / ジェームズ・ホーナー(2024.11.24)
- 知られざる名曲 第275回 ロマンス (遺作) / スクリャービン(2024.11.22)