君が代について考える そして野々村彩乃という歌手の存在
最新のNEWSポストセブンによると、オーストラリアのゴールドコーストで行われた、水泳のパンパシフィック選手権の、日本人の表彰式において流れた「君が代」に前奏が付いていたとして、ニュースキャスターの鳥越俊太郎氏が、
「こんな君が代は聞いたことがない!」 と発言し波紋が広がっている。
国旗が掲揚される国際的な表彰式で、君が代に前奏が付くのは確かにおかしい。前奏が付いたら2小節分繰り返しになり、聴いていても不自然だし、正式な国歌ではなくなってしまう。
法律(国旗国歌法)でも、「国歌としての君が代に前奏はない。」と明記してある。
では何故前奏は付いてしまったのか。
それは、国歌は歌うものという考え方に基づいている。 国歌は、国の歌なので歌うのは当然で、その意味では前奏があった方が歌い易いだろう。
そもそも日本では長い間、君が代論争があり(今でも続いているが)、国歌を歌うこと自体が問われてきた経緯がある。 不思議な現象だが、まだ国民に国歌「君が代」が定着していないのではないだろうか。
ソチ五輪の時、表彰台の羽生結弦は、君が代を歌っていた。このシーンは誰もが覚えているだろう。
もちろん、この時は前奏はなかった。(ちなみに演奏は読売日本交響楽団CDを使用)
前奏のある、なし議論をきっかけに、「君が代」について考えたが、ネットを見ていて、何と再生回数が200万回を超える凄い「君が代」を見つけた。
野々村彩乃さん(現在、大阪音大声楽家4年)。彼女が高校3年生の時歌った「君が代」は、今まで聴いたどの「君が代」より素晴らしいのではないだろうか。
参考➡ 2015・2・28 FUJI XEROX SUPER CUPでの野々村さんの君が代動画↓
https://www.youtube.com/watch?v=RuLiyW0Inx8
動画サイトでは、神がかっているなどと絶賛されているが、確かに彼女の声には魅了される。 声に密度と奥行、重量感があり、高校生とは思えない豊潤な声に圧倒される。高音域にかけては、突き抜けるような迫力と広がりを感じる。特に声の密度と重量感は、歌詞の厳かで崇高な内容に一致する。絶品と言えるだろう。
大学生の野々村さん、今後のさらなる成長が楽しみである。 オペラ歌手として世界に羽ばたく日は遠くない。
その後のニュース ■ 2016年3月29日 ニューヨーク カーネギーホールリサイタル
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