あの時の衝動がよみがえり
小学6年生の夏、中耳炎に罹って1か月耳鼻科に通うはめになった。
その日も11時頃には市電に乗って耳鼻科に向かったが、途中で「終戦記念日」だと気が付いた。
何故か慌てて電車を降り、自宅へ引き返した。
そして、正午の時報に合わせ黙とうをした。
あの時の衝動は何だったのか? もう50年も前のことだ。
今年も、日本人が決して忘れてはならない慰霊の日、8月15日がやって来た。
お世話になっている方から、地元の戦没者追悼慰霊祭に出るようお誘いがあった。 初めてだったが予定をやりくりして出席させていただくことにした。
雨に煙る護国神社に着くと、50年前のあの日の衝動がよみがえった。
黙禱(もくとう)を 捧げる祖母の唇の そっと震えて また鐘のなる
(朝日新聞社主催 八月の歌 2014年入選作 東京都 大野真季さん)
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