華麗な指揮~週末に聴くスイスロマンド
山田和樹指揮/スイスロマンド管弦楽団のコンサートに行ってきました。
前半は、ビゼー 「 アルルの女 」 第2組曲より 「 メヌエット 」、「 ファランドール 」。そして、樫本大進のヴァイオリンで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調。 メインは、R・コルサコフの 「 シェエラザード 」 でした。
実は、スイスロマンドを初めて聴いたのは、私が高校生の時でしたから、もう45,6年も前のことです。 今は亡き名指揮者エルネスト・アンセルメの指揮でした。
今回は若手実力者の山田和樹です。前半は落ち着いた上品な指揮で風格さえ感じられます。後半は華麗で美しい指揮です。全身に音楽が満ちて、指揮台の上でダンスを踊っているようでした。とにかく音楽的センス抜群の指揮者です。同年代の指揮者と比べるとエンジンが違います。生の演奏に初めて接しましたが、凄い日本人指揮者が現れたと実感しました。 それにしても、久しぶりに聴きましたが、シェエラザードは名曲ですね。
オケは、フルート、クラリネット、オーボエなどの木管が特に上手いです。 そして、全体のサウンドは昔に比べシャープな印象を受けました。
なお、樫本大進のヴァイオリンは音が冴えていました。普段はベルリンフィルのコンサートマスターですから、ソロで弾く時と全然違います。今日の樫本の存在感には圧倒されました。
客席はほぼ満席でしたが、相変わらず高齢者が目立ちます。お疲れでしょうか、あちこちで気持ちよさそうに居眠りされています。ピアニッシモの箇所ではいびきも聞こえたような・・・(苦笑)。
そういえば、オスロフィルの時もそうでしたが、木管奏者の頭の後ろに、遮音用のプロテクター(みたいなもの)が設置されていました。アクリル製の遮音板もありました。金管楽器の直接音を防いで耳を保護する装置です。参照→オーケストラの新兵器
アンコールは、オーストリアの作曲家シュレーカーとコルンゴルトの小品でしたが、アンコールピースとしてはかなり珍しい曲だと思います。 すべて演奏が終了してから、オケのメンバーが全員で、客席の四方に向かって律儀にお辞儀をする姿はとても好感が持てました。
音楽ファンとしては、これからも山田和樹とスイスロマンド管弦楽団の蜜月が続くことを願っています。契約期間が延長されたようですので、次回このコンビを日本で聴くことが出来るでしょう。しかし、今日は貴重なコンサートでした。この機会に感謝いたします。
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