民意が無視された日
大多数の国民は戦争を望まない! その戦争へ道を開く、集団的自衛権の行使容認が閣議決定された。
最新の各社の世論調査でも、行使容認には過半数以上の国民が反対している。 また、より有権者に近い全国190(6/28現在)の地方議会でも、行使容認に反対または慎重な対応を求める意見書が可決されている。 そして、政府方針を支持する意見書は一つもない。
安倍内閣は、憲法改正が容易でないと見て、憲法の解釈を変更するという姑息な手法を使って、戦後70年間貫かれてきた憲法の平和主義を骨抜きにして、日本が海外で戦争の出来る国へと道を開いたのである。一番怖いところは、日本が直接攻撃を受けなくても、密接な関係にある同盟国が攻撃されたら、国民の権利や生命を守るために日本の武力行使を認めたことである。
最早、自民党の寄生虫と化した公明党執行部は、党内を無理やりまとめ、この暴挙に手を貸した。山口代表は、結党以来50年、平和の党としての公明党の顔に泥を塗ったのである。支持母体である創価学会に顔向けできないだろう。
閣議決定を受けて行われた総理の記者会見。NHKのTV中継を見て、日本のジャーナリズムの劣化に言葉を失った。某TV局の記者が、こんな場面で拉致問題について質問したのである。限られた時間、しかも憲法の解釈が変更された直後の記者会見で、関係のない質問をする無神経さに、一部とはいえ、日本のメディアの機能不全を見た思いだった。
形だけの記者会見はすぐ終わったが、安倍首相の話しは流れるように上手いと思った。相変わらず滑舌は悪いが、十数分の話しを原稿を見ることなく確信をもって語る。これほど頭脳明晰な安倍首相なら、解釈改憲して戦争の道を選ぶのではなく、外交努力によって戦争を回避することに頭を使えば、後世に残る名政治家になれたと思う。
いずれにしても国民に是非を問うことなく、一内閣による閣議決定で憲法の解釈を変更したことは、将来に禍根を残す。今後は内閣が代わるたびに憲法の解釈がコロコロ変わる事態も予測され、諸外国からは笑いものにされるだろう。もちろん、国家としての信用も地に落ちることになる。
2014年7月1日は、自公連立政権によって日本の平和主義の大転換の日となったが、そんな中、自民党議員でただ一人この方針に反対した人がいる。 その名は村上誠一郎氏。
特定秘密保護法、原発再稼働など民意は反映されないまま政権の暴走が続く中、村上氏の信念ある政治姿勢に敬意を表したい。
村上誠一郎衆議院議員が、外国人記者クラブで会見した内容。
興味のある方は → 「silyoudanteki.docx」をダウンロード
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