6月のためのクラシックを聴く
宗次ホールランチタイムコンサート「 6月のためのクラシック 大久保理紗Pf 」を聴いてきました。
大久保さんは、現在米国のインディアナ大学ジェイコブズ音楽院にて、世界的ピアニスト、アンドレ・ワッツ氏に師事しているため、一時帰国して今回のコンサートに臨みました。
6月にちなんだプログラムということで、冒頭は「 雨だれ前奏曲 」次いで、チャイコフスキー四季より 「舟歌 」、そしてシューベルト(リスト編)「水に寄せて歌う」 「ます」 と続きます。特に「 水に寄せて歌う 」は、絶妙なタッチで、きらめく波やそよぐ風、揺れ動く小舟を表現しながら曲の内面に迫ります。ロマン派の香りを感じる好演でした。
そして圧巻は、ラヴェルの「夜のガスパール」より オンディーヌ 。オンディーヌとは水の精です。この曲を選んだ時点で、ピアニスト大久保理紗のセンスが光ります。この曲は、全編を通して神秘的で、音色は多彩を極めます。演奏は、まさに千変万化、水の形態をそのまま音に表した流麗で自在、しかも起伏に富んだ演奏です。いつしか、音楽が水と同化して一体となって響きました。その比類なき表現力に彼女の実力を見る思いでした。
以前、東京や神戸のリサイタルも聴きましたが、テクニックも音楽性も一段と磨きがかかったようです。
後半は、ショパンのバラード3番、スカルラッティのソナタ、ワーグナー(リスト編)のイゾルデの愛の死、そしてアンコールは、リストの超絶技巧練習曲から「 雪あらし 」でした。アンコールとしては重い曲ですが、大久保理紗さんの意欲がよく分かりました。久しぶりにピアノソロを堪能できたコンサートでした。
尚、大久保さんは7月にも演奏会 ↓ があります。 是非お出かけ下さい。
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