桃色の三等切符は疲れた心を運ぶ
ゴールデンウィークの真ん中、TVでウクライナ情勢を見ながら、日本の安寧なる日々に感謝している。
南北に長い日本列島では、まだ桜が楽しめる名所があるが、そのひとつ青森の弘前公園では、ソメイヨシノが美しく散り始めているという。
もう桜の季節も終わりかなと感慨にふけっていたら、ある書作展で杉山平一の「桜」という詩に出会うことが出来た。
桜
毎日の仕事の疲れや悲しみから
救はれるよう
日曜日 みんなはお花見に行く
やさしい風は汽車のやうにやってきて
みんなの疲れた心を運んでは過ぎる
みんなが心に握ってゐる桃色の三等切符を
神様はしづかにお切りになる
ごらん はらはらと花びらが散る
杉山平一( 詩人 2012年5月 97歳没 )
ブック・アサヒコム 滝沢美穂子氏撮影
仕事の疲れや心の悲しみも、この季節、桜を見ることで慰められます。
花見に行く汽車の切符は、誰もが神様からいただいています。
やさしい風(汽車)が、疲れた心を乗せて、花見に連れて行ってくれるのです。
神様は 「よく来たね」 と言って、そっと三等切符をお切りになります。
切られた紙片(花びら)が、はらはらと降り注ぎます。
辛いとき、悲しいとき、私たちは心にある三等切符を神様に切ってもらいましょう。
桜の花びらではなく、実際にあった桃色の三等切符(昭和15年頃 3等料金2圓20銭とある)
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