孤舟 渡辺淳一を偲ぶ
小説家の渡辺淳一氏が亡くなった。享年80歳。 医師でもあったが、彼は延命治療をせず自宅で静かに息を引き取った。
「 孤舟 」 私が読んだ彼の最後の本である。(2010年9月集英社発行)
男女の性愛をテーマにした作品が多い中、この本は定年退職した男が主人公で、ほのかな恋愛シーンはあるものの、平均的な退職後の男性の生き方を巧みに描写している。
何より心理描写が素晴らしい。 主人公に自己を投影させて、ついつい引き込まれ一気に読んだことを覚えている。
以下本文より↓
「まだ眠ってもいいのだ」と、改めて自分にいいきかせて再び目を閉じる。
だがやはり寝つかれぬまま、また目を開き、明るくなりかけている窓に向かって独りでつぶやく。
「今日は、何処へ行こうかな・・・・・」
渡辺さん、天国へ行って下さい。きっとほっそりした美女がお待ちですよ。
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