音楽からみたソチ五輪開会式
いよいよソチ冬季オリンピックが開幕した!
さすが芸術大国ロシアらしく、開会式はクラシック音楽、バレエなどが効果的に使われていた。
早速オープニングから流れたのは、ボロディンの歌劇「イーゴリ公」第2幕から「だったん人の踊り」。スケールと歴史を感じさせる曲なのでとても効果的だった。
国歌斉唱は、モスクワに古くからあるスレテンスキー修道院の合唱団による格調高い男性合唱。600年以上の伝統ある修道院、音楽が深い。伝統と実力を感じた。
選手団入場はクラシック音楽はお休み。続いてロシア建国から今日までのステージ、トロイカの登場場面で、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「春の祭典」が演奏されスタジアムを盛り上げた。トルストイ「戦争と平和」のシーンでは、ボリショイバレエのプリマバレリーナのスヴェトラーナ・ザハロワが華麗に踊り、イワン・ワシーリエフも加わった。
ついに、ロシアを象徴する機関車が登場すると、ロシアで人気の作曲家スヴィリドフ曲の「時よ前進!」が流れ、大きなクライマックスを形成した。カッコよい曲である。
このあとロシア民謡「モスクワ郊外の夕べ」が哀愁をたたえて演奏されると、いよいよプーチン大統領の開会宣言。 そして満を持して、チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」のシーンに移る。
電飾ドレスを身にまとった、ロシアバレエ界の花 ディアナ・ヴィシニョーワ(ローザンヌ国際バレエコンクール1位。日本の二山君も取りましたね)が幻想的な白鳥を演じた。今回の開会式で最も素晴らしいシーンだった。
オリンピック旗が入場すると、旗を持つ8人の中に見たことのある人が・・・ 世界的指揮者のヴァレリー・ゲルギエフである。 でも本当は指揮をしてほしかった。オリンピック旗の掲揚場面で、これまた世界的オペラ歌手の、アンナ・ネトレプコが登場。こんなドラマティックなオリンピック賛歌はかつて聴いたことがない。グランドオペラを見ているような感動を覚えた。
そして聖火が入場、聖火台に点火するその瞬間、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「火の鳥」が高らかに奏され、開会式の興奮は頂点に達した。 本当に芸術性の高い開会式であった。最後には、チャイコフスキーのくるみ割り人形から「ロシアの踊りトレパック」、同じく「眠れる森の美女」、ハチャトゥリアンの「仮面舞踏会ワルツ」などが流れ、約3時間に及ぶ開会式が終了した。 疲れたが音楽とバレエは最高だった。
2020年東京オリンピックの開会式、閉会式のショーはどうなるのだろう。その構想について考えてみたので興味のある方は→2020年東京オリンピックセレモニー
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