佐村河内事件の真相に迫る (アクセス6000回記念特別投稿)
衝撃の告白から10日余り、まだまだ騒動が続く佐村河内ゴーストライター事件。ついに障害者手帳も取り消しが検討されているという。そして、コンサート企画会社、出版会社、CDメーカーなどからの損害賠償請求(検討中)も、その額は実に4億円以上とされる。
さらに15日には、二人の弁護士が辞意を表明して、新たな展開に入ったが、弁護士の辞任で、本人の記者会見は当分先になりそうだし、仮に行われても真相は闇の中かも知れない。
私は音楽ファンの一人として、この特異な事件の真相に迫ってみたいと思った。もちろん、あくまでも憶測、推論に過ぎないので気軽な読み物としてお付き合いいただきたい。
そもそもこの事件の発端は、昨年10月に発売された雑誌「新潮45」に書かれた「全聾の天才作曲家 佐村河内守は本物か」という記事にある。著者は音楽学者の野口剛夫氏。この中で氏は、「どこか作り物、借り物の感じが付きまとう。」とし、すでに虚構を見抜いていた。氏の眼力(真偽を見分ける洞察力)には各方面からの評価が相次いでいる。
しかし私は、この記事こそが新垣氏が仕組んだ「事実上のリーク記事」ではないか?と思えてならない。
佐村河内氏と新垣氏のコンビは18年間に及ぶが、爆発的にフィーバーしたのは実は昨年3月の、NHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家」の放映がきっかけであり、2011年7月に発売されたCDもそれほど売れていた訳ではない。 しかし放映の反響が著しいと知った商魂たくましい業者によって全国ツアーが決まり、CDもヒットチャートの上位に躍り出た。 この、思いがけない事態に一番驚いたのは当の二人だったに違いない。
もともと気の弱い新垣氏は、あまりの展開に悩むこととなる。さすがに良心の呵責にさいなまれ、「このままでは多くの音楽ファンを騙すことになる」と、眠れぬ夜を過ごすことになる。そこで新垣氏は、意を決して佐村河内氏に会い、今回を最後にコンビを解消するよう提案したが・・・。
強欲な佐村河内氏は、直ちに提案を拒否。世界中から評価されている曲を敢えて汚す必要はないと言い張った。そして第二第三の「HIROSHIMA]でさらに大きく稼ぐことを夢見ていたのである。
考え悩んだ末に、新垣氏は、事実をそれとなくリークさせて、佐村河内氏の暴走にブレーキをかける事を思いついたのである。(交響曲HIROSHIMAの2014年全国ツアーも決まり、ソチ五輪を半年後に控えた昨年夏)、彼は、同じ桐朋学園の先輩にあたる野口剛夫氏に会って、すべてを打ち明け、協力を要請した。最初は驚いた野口氏だったが、後輩の悩みに同情しこれを快諾、さも自分が見抜いていたかのように偽装して、「全聾の天才作曲家 佐村河内守は本物か」という記事を書いたのである。(言い当てているのは当然である。)
この記事は前述の通り、雑誌「新潮45」に掲載された。 新垣氏は自分で仕組んだその記事を佐村河内氏に見せて、「発覚は時間の問題。」として再度、コンビの解消を迫った。
しかしまたしても佐村河内氏は首を縦に振らない。「こんな記事はタブロイド記事だ」と一蹴する。この時点で両者の間には致命的な溝が生まれた。(後に行われた新垣氏の記者会見で、彼は淡々と語りながらも、佐村河内氏をかばうことは一切なかった。)
結果的には、野口剛夫氏を使った「新潮45」作戦は不発に終わり、新垣氏は困っていた。しかし、意外なところから助け舟が来ることになる。それは、義手のヴァイオリニスト少女大久保美来ちゃんの両親からのSOSだった。(今回高橋大輔選手がソチで使用した曲は、もとは彼女のために書かれたものである)
その頃佐村河内氏からの過度の要求や、一方的なメールなどで関係がギクシャクしていた大久保さんは、このことをかつての音楽の先生である新垣氏に相談していたのである。新垣氏にとっては最後のチャンスが来たのである。
新垣氏にとって都合の良いことに、「みっくん光のヴァイオリン」の著者でフリーライターの神山典士(こうやまのりお)氏も同時に大久保さんから相談を受けていたのである。
新垣氏は、この際、大久保さんと神山氏に洗いざらいぶちまけて、真実を暴露し、謝罪し、その全貌を記事にするようフリーライターの神山典士氏に依頼する。かくして週刊文春(2月6日発売)に大スクープとして発表されることとなった。
この勝負、新垣氏の粘り勝ち。発売日前日の2月5日、佐村河内氏はついに代理人を通し、関係機関へ告白し謝罪したが、その次の日(6日)に新垣氏が単独で記者会見を行い、佐村河内氏の虚飾の過去と、耳が聞こえる事実を暴露し、音楽界から永久に追放したのである。
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