音楽で巡るチェコの旅
チェコの作曲家のピアノ作品ばかりを集めた「音楽で巡るチェコの旅」を聴いてきました。
演奏は、国立プラハ音楽院で学ばれたご姉妹です。
ドヴォルザーク、スメタナ、スーク、ヤナーチェクなど、チェコが生んだ作曲家は、日本人の心情に合う名曲を数多く残しましたが、旋律が美しいだけでなく内面的にも奥が深い音楽ばかりです。
豊かな響きを感じながら、プラハ城やゴシック建築の大聖堂を思い浮かべました。
「1905年10月1日街頭にて」と題した、ヤナーチェクのピアノソナタが、印象的でした。チェコの歴史は、近隣諸国からの侵略の歴史であり、この曲もデモの最中に銃弾に倒れた労働者に捧げられたとのことです。
特に、第1楽章「予感」は、悲しくも美しい曲想の中に深い哀悼の気持ちが込められているようです。演奏は完成度が高く内面に迫るものがありました。音楽の発するメッセージの大切さを改めて思いました。
連弾のスラブ舞曲は、ご姉妹の息の合った演奏が楽しめました。また、曲間の解説も分かりやすく、このようなコンサートが、身近で聴けることが音楽普及の第一歩だと思いました。
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