人騒がせな楽器
最新ニュースによると、米国ミルウォーキー交響楽団のコンサートマスターがスタンガンで襲われ、愛用のストラディバリウスが強奪されたとのこと。
実に600万ドル(6億2千万円)の価値があり、FBIが捜査を開始したもようです。(この事件は、9日後に楽器は無傷で発見され、その後市内在住の男が逮捕され、11月に禁錮7年の判決がありました)
昨年イギリスのオークションで、窃盗団に盗まれて無事戻ったストラディバリウスが138万5千ポンド(2億3千6百万円)で落札されたニュースは記憶に新しいところです。なんでも窃盗団の少年らは価値が分からず、日本円にして1万7千円で売るつもりだったと供述し、関係者を驚かせました。
そういえば、ニューヨークのタクシーに250万ドルのストラディバリウスのチェロを忘れたヨーヨー・マのことも大きな話題になりましたね。
また、堀米ゆず子がドイツの税関で、やはり名器のガルネリ(時価1億円)を差押えられ関税1千9百万円を請求された事件もありました。その後もドイツ税関では、中国人ヴァイオリニストのストラディバリウス(時価4億7千万円)が差し押さえられてニュースになりました。
一連のドイツの対応に、3大B(バッハ、ベートーヴェン、ブラームス)もあの世で嘆いているはずです。
実に人騒がせなストラディバリウスですが、世界に600挺しか現存していないそうなので、日本人で所有しているヴァイオリニストは少ないようです。10年前に購入した高嶋ちさ子(本人が2億円と公表)、千住真理子(価格不明)、自宅を売って購入資金に充てた辻久子(当時3千5百万で自宅を売却して話題になりました。)くらいでしょうか?まだあるかも知れませんが。
諏訪内晶子、川合郁子、庄司紗矢香、神尾真由子、葉加瀬太郎、五嶋龍などは借り物です。五嶋さんには、NPOイエロー・エンジェル(カレーのCoCo壱番屋の創業者、宗次徳二氏が理事長)が貸与しているようです。
このように、何かと話題の多いストラディバリウスですが、ブラインドテストで聴くと、その違いは分からないといいます。
パリ大学の研究チームが行った最近のテストは、ストラディバリウス2挺を含む高級ヴァイオリン6挺を、国際コンクール出場の21人のヴァイオリニストがブラインドテストで評価した結果、1位はヤマハのヴァイオリンでした。ストラディバリウスは最低評価とのこと。本当に分かりません。
私たちは、所有することは出来ませんが、聴くことは可能です。聴くだけなら何億も払わなくて大丈夫です。そして何億の音色を楽しむことは出来ます。あくまでも自己満足の世界かも知れませんが・・・。
ストラディバリウスを意識したヤマハの広告
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