アクセス3000回記念 クラシック界寸考 2013~2014
ヴェルディとワーグナー生誕200年に沸いた2013年、イタリアからはミラノスカラ座をはじめ3つの歌劇場が来日した。 秋にはベルリンフィル、ウィーンフィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、パリ管など超名門オケが東京に集結した。S席4万円もする高額チケットからして、日本(特に東京)は世界屈指のクラシック音楽市場といえる。もちろん、アベノミクスとは何の関係もない。
また、佐村河内守(交響曲第1番)や、現役自衛官三宅由佳莉など、メディアで話題の音楽家が、CD売上ランキングで上位になったり、コンサートも満席になったりと、常に新しいスターを求める日本人の傾向が顕著な一年だった。
2014年は、R・シュトラウス生誕150年、フォスター没後150年のメモリアルイヤーだが、昨年ほどのインパクトはない。
今年は、アメリカのメジャーオーケストラが3つ揃うのが面白い。フィラデルフィア管、ニューヨークフィル、ボストン響だ。ボストン響は15年ぶりらしい。しかし何と言っても、ウィーンフィルがドゥダメル指揮で9月に来日する。ウィーンフィルは毎年のように日本に来ているし、ドゥダメルも昨年スカラ座で初来日しているが、やはりこのコンビは凄いの一言だ。
他に、スイス・ロマンド管(山田和樹指揮)、オペラではフランス国立リヨン歌劇場(大野和士指揮で歌劇ホフマン物語)が面白そうだ。
ピアノでは、円熟期を迎えて益々音が冴えるマリア・ジョアン・ピリス(シューマン/ピアノ協奏曲)を聴きたい。キーシンのスクリャービンも期待できる。18歳のヤン・リシエツキも見逃せない。
日本人では、横山幸雄がショパン全曲演奏(遺作を含む全217作品)に挑む。実に2日間21時間にわたるコンサートだ。全曲暗譜である。過去にも同様のコンサートに挑んでいるが、今回が最大最長になる予定で、自身のギネス世界記録を更新する予定とか。 その他日本人では、新演出の「夕鶴」も観たい。特に千住博の美術に興味がある。
今年も豪華な顔ぶれが揃う。海外に行かずして名演奏家が聴ける日本という国は、音楽愛好家にとってはありがたい国だといえる。しかし、コンサート会場に若者の姿が少ないのが、とても気がかりだ。
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