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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

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壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2013年12月 9日 (月)

無関心は国を危うくする

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特定秘密保護法案が怒号の中、参院本会議で可決成立した。

このブログは、芸術文化の話題を中心にしているが、どうしても国民の一人として黙っていられないので、敢えて発言することにした。

私は、この法案に100%反対するつもりはない。

国家たるもの、安全保障上の機密があるのは当たり前で、別に今に始まったことではない。過去にも「沖縄密約」など多くの重要な政策が、国民に知らされることなく秘密裏に行われてきた。

ただ、今回の法案は、公然と「秘密」を指定し、運用次第では永久に闇に葬り去ることができる法律である。

国民の「知る権利」を著しく侵害するのは自明の理であり、法律で縛ることで、この秘密に関わった一般市民までもが、犯罪者にされる危険性も否定できない。

米国の(元CIA職員)スノーデン氏の情報暴露事件、尖閣での映像流出事件などは記憶に新しいが、いづれも当局にとっては極めて都合の悪い情報が流出したわけで、国家権力にとっては大問題であるが、国民の利益に反するような事案ではなく、隠す側と、知ろうとする側の見解の相違に他ならない。

要は、この法案でいう特定秘密を、「指定する段階」、「途中経過の段階」、「解除する段階」で、全く行政と無関係の第三者によって「チェックできる」機能を持たせることが、重要かつ不可欠と思われる。権力者が恣意的に法律を運用することを防ぐためである。

残念ながら、この法案には上記のようなチェック機能がない。野党に指摘されて、慌てて出した「・・・委員会」とか「・・・監察室」は、全て行政機関の中にあり、独立性に乏しく、権限もない。米国の「情報保全監察局」のように、立ち入り調査、情報の請求、指定解除の勧告もできる組織とは対照的ともいえる。

大体、まず先に法律を通して、あとから運用面で、チェック機関を設け、国民の不安を払拭しようという「官房長官」の発言は、あまりに無理がある。

このような大事な法律は、通す前に、十分議論を尽くし、広く国民の声を聞き、民主的に決めるべきであり、「先に法律ありき」ではない。丁寧な説明が前提である。

だから、この法律は、法律自体と成立過程と二重に問題がある。

何故そうまでして、この法律を通そうとしたのか。確かに精度の高い情報を他国(特に米国)から入手するには、日本の国内法が整備されていなければならない。でなければ、本当の情報は入手しにくいだろう。防衛やテロ対策、外交の多国間交渉など、今後は益々、情報の「質とスピード」が問われるであろう。

中国や韓国との関係がギクシャクする中、日本の頼みの綱は米国なのである。

米国との強固な関係が、防衛、外交、テロ対策で最も大切になる。その大切なパートナーの証(あかし)となるのが、この法案である。

その意味は分からなくもないが、今回は急ぎ過ぎであり、不備も多く、国民の多くは反対を表明している。

ノーベル賞受賞者の益川、白川両博士や、女優の吉永小百合、音楽家の坂本龍一氏などが法案反対の姿勢を鮮明にしている一方で、多くの学者や著名人が沈黙を守っている。そして、多くの国民もまた沈黙している。

そんな中で、何故、強行採決が行われたのか。それは、与党の力が大きいからである。力とは、数のことである。(言うまでもなく、衆参両院で、与党が過半数を得ている。)

ちょうど一年前の12月、衆議院選挙で自民党が圧勝したが、これは、民主党野田政権のお粗末な政権運営への批判票が、自民党へ流れてだけのことで、自民党が支持されたわけではない。期待はずれの民主党に誰も票を入れなかっただけである。民主党が勝手に自滅し、自民党が勝ったというのが真実である。

また、今年7月の参議院選挙に於いても、自民公明が圧勝した。原発問題や消費税など争点が多い選挙だったが、なんと投票率は戦後3番目に低い52,6%。これには、残念というより悲しくなった。民意は反映されなかったのである。

国政選挙に行かず棄権した人は恥ずべきである。

国会議員は選挙によって選ばれた「国民の代表」である。その代表が多数決によって決めた法律が、この国を支配する。

すなわち、主権は「国民」にあるといってよい。だから、選挙行動が全ての原点である。

「誰に投票してもいっしょだから。」とか、「何党に入れたら良いか分からない。」などと言う人がいるが、勉強不足もはなはだしい!そして、日本の将来、しいては自分の将来すら考えていない愚かな人である。

今回の強行採決は、このような愚かな多数の国民によって引き起こされた恥ずべき行為であり、選挙を棄権した人は、今後、日本がどのような国になっても文句は言えないだろう。

今、特に不満がなくても。今、何不自由なく生活している人であっても、この平和な日本を未来永劫にわたって受け継いでいくために、「政治への参画」が必要なことを分かって欲しい。

いつの間にか、日本があらぬ方向に進むことがないように、いつもチェックし、その都度、政治家を選び、正しく導いていく知恵を身につけて欲しい。

それが、先の大戦の反省である。

わずか67~8年前には、日本は暗黒国家であった。知る権利も表現の自由もない恐怖政治が、富国強兵のもと平然と行われていたのである。その結果、国土は焦土と化し、300万人を超える尊い命が失われたのである。

この特定秘密保護法は、運用次第では、時計の針を逆転しかねない危険をはらんでいる。

私たちは、選挙権を行使することで、政治に参画し、政治をチェックし、未来を明るいものにしなければならない。無関心であったり、傍観者であることは自滅への道である。

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安らかに眠って下さい。

          過ちは繰り返しませぬから。

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