心に響く命の音
左手のピアニスト智内威雄(ちないたけお)を聴いてきました。
左手のピアニストといえば舘野泉が有名ですが、
NHKのETV特集(11・16放映)「左手のピアニスト、もうひとつのピアノレッスン」を見て、智内さんを知りました。
CDジャケットより
片手で弾くわけですから、端的に言って音が半分になります。どうしても隙間ができるので、ペダルを使って音を伸ばしてやります。伸びている間に次の音を重ねます。
ですから、音がとても豊かに響きます。中世の教会で聴くように、空間にパーッと拡がり、心地よく響きます。頭上から降り注ぐようです。
こうして片手だけのピアノを聴くと、両手で弾く曲は、音の密度が高く、窮屈で、まるで早口言葉を聴くようです。不思議ですね。
智内さんの演奏には、ゆったりとした時の流れを感じます。そして、より大きな感情の起伏を感じます。
一音一音が心に響き、語りかけてくれるようです。
ただ、この日のコンサートは、会場が広くないこともあり、過剰に響き、音量もやや大きいと思いました。常にmf~ffくらいに聞こえました。もっともっとppがあって良いと思います。購入したCDは、音楽的に処理されて、ppがとてもきれいでした。
これからも智内さんを応援したいと思います。ありがとうございました。
« 男は大きな河になれ | トップページ | プチおせち料理 »
「音楽」カテゴリの記事
- 知られざる名曲 第279回 アドベンチャー スイート / トーマス・バーガーセン(2024.12.12)
- 知られざる名曲 第278回 ノクターン9番 / フィールド (2024.12.03)
- 知られざる名曲 第277回 ラルゴ / ヴェラチーニ(2024.11.29)
- 知られざる名曲 第276回 ラドロー / ジェームズ・ホーナー(2024.11.24)
- 知られざる名曲 第275回 ロマンス (遺作) / スクリャービン(2024.11.22)