イギリスの作曲家 シリル・スコット(Cyril Meir Scott, 1879 - 1970)に焦点を当てます。曲は「ロータスランド(蓮の国)」です。
蓮(ハス)は、中国やインドなど東洋の花です。画家モネも「睡蓮」を描きましたが、シリル・スコットは音楽で表現したようです。
東の浜辺のまばゆいばかりのドームを照らす 、まばゆい夜明けの輝きに 照らされ、
蓮華の女神は嘆き悲しむ!
蓮華の国の夢のような世界に迷い込んだ。蓮華の国で迷った彼女は、はるか遠くの蓮の芝生を眺める。
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画像 ACワークス
彼は幼少期から楽才を発揮し、12歳でフランクフルト・ホッホ音楽院ピアノ科に入学し、21歳で最初の交響曲を完成させている。1909年に自作のピアノ曲を6曲ウェルテ・ミニョン(英語版)社のピアノロールに録音している。
1921年にローズ・アラティーニと結婚し、娘 ヴィヴィアン・メアリーと息子 デズモンド・シリル を儲けるが、2人は第二次世界大戦後に別居している。1943年にマージョリー・ハーツトンと出会い、没年まで愛人関係を結んだ。
亡くなる3週間前まで作曲活動を続け、91歳で他界した。亡くなる頃には、スコットは過小評価されるようになっていた。再評価が始まったのはつい近年のことである。(以上Wikipediaより)
「イギリスのドビュッシー」とも呼ばれ、ロマン派と言っても、やや印象主義的な作風で、交響曲、協奏曲、室内楽、ピアノ作品から歌劇までおよそ 400曲もの作品を遺しました。
しかし何と言っても彼の特長は、健康に対する独自の信条にありました。
スコットは代替医療、健康食品、自然療法、哲学、スピリチュアル、ヨガに興味を持ち、一連の本やパンフレットで、ガン患者に対しても食事療法や代替医療を提案し、西洋医学による医療や手術を避けるよう促しました。
バレエ「無能な薬剤師(1923)」などに彼の西洋医学への不信感が現れています。
また生涯を通じて、医学や健康法、ガン予防・治療法など多くの著書(41冊)を執筆しています。
尚、原曲はピアノ曲ですが、世界的ヴァイオリニストで作曲家のクライスラーがヴァイオリンに編曲しています。
■ ロータスランド(蓮の国)Lotus Land / シリル・スコット クライスラー編曲版
レイ・チェン - Ray Chen (ヴァイオリン)
ジュリアン・クエンティン - Julien Quentin(ピアノ)