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書の作品

  • Img_20190628_0001_new
    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2022年8月14日 (日)

知られざる名曲 第161回 まだ見ぬコーンウォールへの旅/三枝成彰

日本の作曲家 三枝成彰(さえぐさ しげあき 1942ー ) の初登場です。ご存じの通り80歳を超えてもまだまだお元気で活躍されています。

ずいぶん昔のことですが、三枝さんの「プロヴァンス組曲(1989年)」を聴いて、その感傷的な旋律がしばらく頭から離れなかったことを思い出しました。

今回は、その三枝さんの叙情的な作品「まだ見ぬコーンウォールへの旅(1999)」を選んでみました。

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画像 コーンウォール ACワークス(株)

コーンウォールとは、ロンドンから列車で4時間20分、イングランドの南西端に位置する人気の保養地です。 生い茂る木々、深い谷、きらめく青い海が手つかずで残っているとのことです。Know Before You Go: 英国旅行のためのガイダンス参照

演奏はオーボエの第一人者広田 智之氏です。


■ まだ見ぬコーンウォールへの旅(Reveries of Cornwall)/三枝成彰(
Shigeaki Saegusa)



この作品は甘美な旋律が特長ですが、三枝成彰の作風は当初は「前衛的」でした。前述のプロヴァンス組曲を作曲する頃から、次第にロマン派的な美しい音楽を数多く作曲しています。

 

※余談ですが、三枝さんは民主党支持者として有名で、羽田孜氏や鳩山由紀夫氏とも親交を持っています。Wikipediaの記事によると、野党支持者という理由でこれまでに多くの仕事を失ったと語っているそうです。それでも。2007年に紫綬褒章、2017年に旭日小綬章、2020年に文化功労者になっています。尚、今回の安倍元首相の国葬に関しても明確に反対の立場を表明しています。

2022年8月13日 (土)

知られざる名曲を考察する(16) 実は音楽も分断されている

ウクライナとロシアの戦争は二ヵ国だけでなく、アメリカを始めとする西側諸国とロシアの全面戦争になっています。
また最近では、中国が台湾周辺で大規模な軍事演習を行いました。

一方、国内では安倍元首相の国葬をめぐって、容認派と反対派が国論を二分しています。
コロナの第7派を迎えて、ワクチン推進派と反ワクチン派も存在しています。
そして、コロナで倒産に追い込まれた人も、コロナで大もうけした人もいます。
さらに、旧統一教会への献金で破産した人も、旧統一教会から支援を受けた政治家もいます。


かつてない対立と分断の中で、世界共通語と称される音楽にも分断の波が押し寄せています。
チャイコフスキーなどのロシアのクラシック音楽は敬遠され、ロシア音楽家の来日は中止されました。

「音楽に国境はない」という言葉が空しく聞こえます。

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画像 ACワークス(株)

当「知られざるクラシック名曲シリーズ」では、時代や国境を越えて名曲探訪を重ねて参りましたが、今日の世界情勢は文化の交流に大きな壁を作ってしまいました。
そう音楽に限らず文化は交流によって発展し継承されてきました。その文化が今最大の危機に直面しています。

そもそも日本の音楽界が大発展したきっかけは、1970年の大阪万博です。この年は世界中から一流の音楽家が来日しました。日本の聴衆も大いに刺激を受け、その後の音楽界そして文化全般の発展につながったと思います。

今回151回~160回を選曲するに当たり、韓国の作品にあらためて感銘を受けました。もっと日本に知られても良い作品です。多分、中国や北朝鮮にも素晴らしい音楽があるはずです。しかし、隣国アジアに於いても政治的対立の影響で以前のような文化交流はありません。悲しい事実です。

当シリーズでは、これからも国境を越えて名曲を探し求めます。YouTubeやナクソスさんのお力も借りて、せめて音楽だけは手に手を取って共に感動できる世界を築き上げたいものです。

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画像 ACワークス(株)

平和を築くのは政治家でしょうか? 宗教家でしょうか? 国連でしょうか? それともメディアでしょうか?
残念ながらそれらに期待することは出来ません。現実が物語っています。
かと言って、文化や芸術が世界を救うとも思っておりません。

ただ、音楽などの文化には、私たちの心を調和させる不思議な力があることは事実です。
「対立から調和へ」、その一歩を踏み出すことは私たちにも出来ると思います。
この拙い記事が少しでもそんな一助になれば幸いです。



■ 「知られざる名曲を考察する」を、(1)から(16=以後も継続)まで1本のアドレスにまとめました。過去の記事も読んでいただけます。今後ともお引き立て下さい。

知られざる名曲を考察する(更新中)

 

2022年8月10日 (水)

知られざる名曲 番外編25 海辺の少女 / ヴァンゲリス 

つい先日、コロナ感染症で亡くなったとされる ギリシャの音楽家 ヴァンゲリス(Vangelis, 1943 - 2022)の二度目の登場です。

今回は、ほのぼのとした詩情と心休まる音楽に癒されると思います。

尚、映像のウエイトが高いので番外編と致しましたが、音楽も素晴らしいものです。

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画像 ACワークス(株)

ヴァンゲリスは、画家であったお父さんの影響もあって、作曲の傍ら、抽象画の画家としても活動し、スペイン・バレンシア市などで個展を開催するほどでした。

そんな彼の思いの詰まった映像とともに、この音楽(動画)をご覧下さい。


■ 海辺の少女
(La Petite Fille De La Mer)/ヴァンゲリス ( Vangelis )



この茶目っ気のある少女が、海辺の町で起こす不思議なショートストーリー。お楽しみいただけましたでしょうか。



■ ご参考

知られざる名曲 第2回 1492 ヴァンゲリス

2022年8月 8日 (月)

知られざる名曲 番外編24 即興曲第3番変ト長調 / シューベルト

番外編24回は、暑い夏にお届けする「爽快な映像」と共にお聴き下さい。


フランス ピレネー山脈のシルク ド ガヴァルニーの壮大な風景の中で、「シューベルトの即興曲第 3 番」を演奏しているのは、フランスのピアニスト ダヴィッド・フレイ (David Fray 1981- )。

彼は、ピレネー山脈近くの小さな町 タルブで生まれました。すなわちこの映像は彼の生まれ故郷で撮影されたものです。

では果たして、ヤマハのフルコンサートピアノはどうやってピレネー山脈まで運んだのでしょう?ヘリコプターで運んだのでしょうか。
それとも、この映像は「CG」でしょうか?? 今日の技術なら可能でしょう。

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画像 ピレネー山脈 ACワークス(株)

たとえどちらであっても、今回はただ映像に溢れる「爽快感」を感じていただければ幸いです。

演奏は抜粋です。ご容赦ください。


■ 即興曲第3番変ト長調 / シューベルト




クラシックではありませんが、もう一曲、気分爽快になる音楽と映像をご覧下さい。

■ プリンセス・オブ・ザ・ナイト / オリヴィエ・トゥーサン



あのリチャード・クレイダーマンも68歳、もう高齢者の仲間入りです。

2022年8月 6日 (土)

知られざる名曲 番外編23 ぜんぶ / 相澤直人

この曲は、合唱コンクール経験者や合唱ファンならご存じの方も多いと思います。今回は初めて聴かれる方のために、番外編としてご紹介することにしました。心温まる合唱曲です。


作曲の相澤 直人(あいざわ なおと、1978 - )は、日本の作曲家、合唱指揮者。

4歳からピアノを始め、高等学校在学中に入部していたコーラス部で合唱を経験したことで、音楽家を志すようになる。

東京芸術大学では8年間をかけて作曲科・指揮科の双方に在学し、現在は自身が常任指揮者を務める「あい混声合唱団」「女声合唱団 ゆめの缶詰」「AZsingers」を始め、様々な合唱団で指揮者を務める。

作曲家として、混声合唱曲と女声合唱曲を中心に現在までに100曲近くを作成しており、合唱曲集も多数刊行している。(Wikipediaより一部抜粋)

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画像 ACワークス(株)

作詞のさくら ももこ(1965- 2018)は、日本の漫画家、エッセイスト、作詞家、脚本家。

自身の少女時代をモデルとした代表作のコミック『ちびまる子ちゃん』の主人公の名前でもある。

代表作のコミック『ちびまる子ちゃん』の単行本の売上は累計3000万部を超える。(Wikipediaより一部抜粋)


■ ぜんぶ(無伴奏混声合唱版)/ 相澤直人(作曲)・さくらももこ(作詞)



大切なことは
ぜんぶここにある。

泣くこと 
笑うこと

怒ること 
喜ぶこと



人間には喜怒哀楽がありますが、泣くことで癒され、笑うことで元気をもらい、怒ることでストレスを発散し、喜ぶことで感謝の念が湧きます。
それが生きている人間です。当たり前の人間です。神様は私たちに、この世という学びの場を与えて下さったのです。

2022年8月 4日 (木)

知られざる名曲 第160回 韓国歌曲「雪」/ キム・ヒョグン (Hyogun Kym)

今から40年以上前の1981年秋、韓国ソウルでは、文化放送の生中継で第1回MBC大学歌曲コンクールが行われました。

その時、審査員の満場一致で優勝したのが、今回ご紹介する曲を作った キム・ヒョグン (Hyogun Kym)氏です。
何と応募者95人中、音楽専攻でなかったのは彼一人でした。

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画像 韓国冬景色 ACワークス(株)

■ キム・ヒョグン 音楽と勉学の両立

小学校1年生の時、お父さんに誕生日プレゼントで貴重なピアノを買ってもらったものの、ピアノには興味を示さなかったキム少年は、小学校6年生になると、まったく態度が変わって休むことなくピアノの鍵盤を叩く日々が続きます。

そして音楽活動は中学、高校に進むにつれ本格化しました。      
ピアノ伴奏者として、合唱音楽と管弦楽に没入し、高校時代には男性合唱団と聖歌隊の伴奏と指揮を引き受けました。
(高3の時は進路をソウル大音楽部作曲課にこっそり決めていたといいます。)

この頃、両親は音楽に没頭する息子を心配して、音楽活動を辞めさせようとしました。特に父親は反対しました。

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ソウル大学画像 アーエデュケーション株式会社サイトより

しかし、頭の良かったキム少年は、高校で学年成績トップとなり、奨学金をもらうことになりました。
このことで、父親も音楽活動を許したのです。音楽と勉学の両立が両親にも受け入れられました。

キム少年は、ソウル大経済学科に無事合格し、その翌年から音楽創作に精を出します。続いて1986年にソウル大学大学院経営学科を卒業後、米国に留学、ピッツバーグ大学で経営学博士学位を取得します。


■ 韓国歌曲「雪」(눈 Snow)/ キム・ヒョグン (김효근 Hyogun Kym)



キム・ヒョグン (Hyogun Kym) 作詞・作曲

小さな山道に真っ白の雪が積もったら

私の小さな足跡を永遠に残したい

私の小さな心が純白に染まるまで

真っ白な山道を歩きたい (ご参考 歌詞の一部 邦訳)


韓国では教科書にも載っている曲で、愛唱歌として歌われています。
しみじみとした味わい深い名曲です。

歌手は、ソプラノのチェ・ジョンウォン(최정원 Jungwon Choi)さん。国内外のコンクールで数々の賞に輝く正統派のクラシック声楽家です。その知的で美しい歌唱が心に残ります。

2022年8月 3日 (水)

知られざる名曲 第159回 悲しみのポロネーズ / ノスコフスキ

ジグムント・ノスコフスキ(Zygmunt Noskowski, 1846 - 1909 )はポーランドの作曲家・指揮者です(日本ではあまり知られていません)。

当初はワルシャワ音楽院でヴァイオリンと作曲を学びますが、奨学金を得て 1873年から1874年までベルリン芸術アカデミーに留学しました。

1874年、彼は結婚して ボーデン湖畔のコンスタンツに引っ越し、音楽協会の音楽監督兼指揮者の役割を引き受けました。彼は22年間、ワルシャワ音楽協会の会長職にあり、合唱団を指導し、同時に交響楽団を設立するという困難な仕事を完成させました。

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ボーデン湖 ACワークス(株)

ノスコフスキは多才な作曲家であり、作品は 交響曲、管弦楽曲、室内楽、歌劇など、すべてのジャンルに及びます。

しかし、彼の作風は当時の音楽界を支配していたワーグナー、リスト、ブラームスからの影響を受けることなく、ヨーロッパ音楽の本流から外れていたため、死後は聴衆から忘れ去られた存在でした。

21 世紀初頭になって、ノスコフスキの音楽が再評価され、交響曲や弦楽四重奏曲、さらに彼の未発表作品の初版も登場しました。
ノスコフスキは 19 世紀後半のヨーロッパの傑出した作曲家の一人となったのです。是非お聴き下さい。


■ 悲しみのポロネーズ(Polonaise élégiaque)/ ノスコフスキ(Noskowski)



ロマンティックな演奏は、ウカシュ・ボロヴィチ指揮、ポーランド放送管弦楽団 です。


■ ご参考
ギター二重奏による「悲しみのポロネーズ 」
https://www.youtube.com/watch?v=0OGagJX4yoA

2022年7月26日 (火)

テロメアとは

この歳になると、毎日薬やサプリを飲まない日はありません。

友人から「テロメア」のサプリを飲んでいると聞きました。???

最近よく耳にする「テロメア」とはどんなものでしょうか?
素人ながら調べてみました。

■「テロメア」とは?

「遺伝子」
が集まったものが「DNA」で、そのDNAが集まったものが「染色体」です。

下図のように、「テロメア」 とは「染色体」 の末端部分(下図ピンク色部分)を指し、染色体を保護する役割を担っています

ちなみに末端部分には遺伝情報が書かれていません。

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画像 ACワークス(株)


細胞が分裂するたびに「テロメア」は少しずつ短くなります。

テロメアが短くなって細胞が老化すると、がんや動脈硬化、心筋梗塞、認知症 といった様々な病気にかかりやすくなります。

寿命は細胞分裂の回数で決まっており、分裂のスピードが落ちることを「老化」、分裂回数が尽きると「DNA」は複製できなくなり、細胞の分裂は止まりますが、これはヒトの「死」を意味します。

※テロメア値は、
50ng(ナノグラム 1ng=10-6mg=10-9g10億分の1グラム)で終末を迎えます。


■ 命の回数券

細胞の分裂には限りがあることから、「テロメア」は「命の回数券」又は「死のタイマー」とも言われています。

「命の回数券」は生物により決まっており、ヒトでは50回と言われています。これを年月に直すと約120年です。

120歳が、遺伝子レベルで見た人類の寿命の限界と言われる所以です。


■ 死へのカウントダウン「テロメア」

テロメアは、生まれた時には1万5千ほど存在していますが、約35歳でその半分、2000を下回ると身体は老化状態に入ります。

ただし、テロメアの減少スピードは、日々の食生活や心的ストレス、運動不足などの「生活環境」で変わります。
(最近の研究では、その他に電磁波ストレスや、体内の水銀、カドミウム、ヒ素、鉛、塩素が関係するとの説もあります。)

最新の科学は、死へのカウントダウンであるテロメアの減少をいかに止めるかが大きな課題となっているのです。


■ テロメア研究は進んでいる

テロメア研究の第一人者で2009年にノーベル生理学・医学賞を受賞したエリザベス・ブラックバーン博士らが、生活習慣とテロメアの関係についての研究成果をまとめています。

博士は、「ストレスをためない」「十分な睡眠」「適度な運動」「健全な食事」がテロメアの減少を防ぐ上でに有効であるとし、特に「心理ストレス」に対して「瞑想(マインドフルネス)」を推奨しています。(ただこの研究は、健康長寿にとっては当たり前のことかも知れません)

他にも「テロメラーゼ」と呼ばれる酵素を用いて、テロメアを活性化させたままにする方法も模索されていますが、正常細胞をガン化するリスクも指摘されていますので議論の余地があります。

また、電磁波ストレスを軽減することでテロメア値を高く保つ研究もなされ、セラミック製のビーズなどが製品化されています(CMC総合研究所)。注目すべき成果です。

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 画像 株式会社Manai サイトより


テロメアと老化現象との関連はまだ十分な研究がなされていません。諸説混在しているようです。

不老不死は人類の夢ですが、テロメアだけが全てではありません。この記事は一つの見解としてご覧ください。



※参考資料・文献 
科学情報サイト ナゾロジー(kusuguru株式会社)、有限会社AMA Japan、Wikipedia「テロメア」、NIKKEI STYLE「ヘルスUP健康づくり」サイト、東邦大学メディアネットセンター/バーチャルラボラトリ内「健康長寿」サイト、医療法人社団 小白川至誠堂病院 各サイト様


2022年7月21日 (木)

知られざる名曲 第158回 運命の歌 op.54 / ブラームス

今回はブラームス(Johannes Brahms、1833 - 1897) の「運命の歌 op.54」を取り上げました。題名は知られていますが、意外と聴く機会の少ない曲です。


■ 格調の高さを聴く

クラシック音楽の代名詞のような ブラームスの「渋い音楽」は、熱烈なファンがいる反面、やや苦手な人もいるかも知れません。

その苦手な人に是非聴いてもらいたいのが、今回の「運命の歌」です。純然たるクラシックの曲ですが、美しく格調の高い曲です。

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画像 ACワークス(株)


メロディアスで聴き易い音楽とは言いませんが、ブラームス一流の品位があります。

「崇高かつ厳粛」、「清廉で高潔」、「高い精神性と品格」、「高雅で漂う気品」、あらゆる賛辞を駆使しても余りある 格調の高い音楽がここにあります。

「運命の歌」作品54は、混声合唱と管弦楽のための作品で、詩はドイツの詩人ヘルダーリン(1770‐1843)の長編小説『ヒュペーリオン』によります。


■「ヒュペーリオン」あらすじ


主人公の青年ヒュペーリオンは,祖国ギリシアの独立のため露土戦争(ロシア・トルコ戦争) に加わる.激戦のなか九死に一生を得るが、愛する恋人を病で失い、やがて悲しみのなか祖国を離れドイツへと赴く…….主人公が友人や恋人に宛てた書簡の形式によって内的経験を物語る、抒情性と省察に満ちた哲学的教養小説。(岩波書店サイトより転記)

ブラームスは、ある朝早く、本棚でヘルダーリンの詩を見つけ、運命の歌に深く感動したといいます。

至福の精霊たちよ!
あなた方は天上の光の中
やわらかなところを行き交う
輝かしいそよ風が
聖なる弦をつまびく 女たちの指のように
あなた方に ほのかに触れてゆく(一部記載)


■ 運命の歌(Schicksalslied) op.54 / ヨハネス・ブラームス



コロナ禍で、オーケストラも合唱団もスペースを取って演奏に臨んでいます。客席もまばらです。
何年か後に、こんなこともあったと懐かしく思うかも知れません。

指揮は、米国の指揮者でヴァイオリニストのカリーナ・カネラキス氏(Karina Canellakis)。注目の指揮者です。
オーケストラは オランダ放送フィルハーモニー管弦楽団。合唱は オランダ放送合唱団。

2022年7月19日 (火)

知られざる名曲 第157回 小さな空 / 武満徹

日本歌曲には名曲が多く存在します。当シリーズでは、高田三郎「くちなし」 と、木下牧子「鴎(かもめ)」 をご紹介してきましたが、今回は日本を代表する作曲家 武満徹(1930-1996)の「小さな空」を選びました。


「小さな空」は、1962年(昭和37年)TBS連続ラジオ・ドラマ『ガン・キング』の主題歌として作曲され、ジェリー藤尾が歌っていましたが、1980年代に入って合唱曲に編曲されましたのでご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

当シリーズ3曲目の日本歌曲「小さな空」は、カウンターテナー村松稔之が歌った YouTube動画でご鑑賞下さい。

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■ カウンターテナーとは

カウンターテナー(英: countertenor)とは、西洋音楽における成人男性歌手のパートの一つで、女声(主にアルト)に相当する高音域を歌います。
平たく言えば、男性のアルト歌手で、特殊なファルセット(裏声)の発声により高音域を歌います。ルネサンス・バロックの教会音楽で広く用いられました。
※ソプラノの音域を歌う男性「ソプラニスタ」とは区別されます。

■ カウンターテナー村松稔之 プロフィール

村松稔之氏は、京都市出身。東京藝術大学音楽学部声楽科、同大学院修士課程独唱科を首席で修了。その後イタリアに渡り、ノヴァーラ・G.カンテッリ音楽院古楽声楽科で研鑽を積む。

第20回ABC新人オーディション最優秀音楽賞など数々の賞に輝く。NHK-FM「リサイタル・ノヴァ」やABC放送(共演:大阪フィル)などのTV、ラジオへの出演のほか、国内主要オーケストラとの共演も多数。

2022年10月には、ヘンデルのオペラ「ジュリオ・チェーザレ」のニレーノ役で新国立劇場へ初出演予定。また2024年1月には、ドイツ・エアフルト歌劇場のオペラ“Julie et Mao”公演への出演と、海外でのオペラ・デビューも決まっている。

従来のカウンターテナーの領域である古楽の枠だけにとらわれない幅広いジャンルでのレパートリーを持ち、活躍の場を広げる話題の歌手。


■ 小さな空 / 武満徹



幼い頃、誰もが経験する懐かしい思い出・・・


小さな空 作詞・作曲 武満徹

青空みたら
綿のような雲が
悲しみをのせて
飛んでいった
  
いたずらが過ぎて
叱られて泣いた
こどもの頃を憶い(おもい)だした

村松稔之(カウンターテナー)
Toshiyuki Muramatsu(Countertenor)
越知晴子(ピアノ)
Haruko Ochi(Piano)

東洋文庫ミュージアムへ行く

東京文京区にある「東洋文庫ミュージアム」に行ってきました。駒込・六義園(りくぎえん)の近くにあります。


東洋文庫とは、アジア全域の歴史と文化を対象とする「東洋学」の専門図書館ならびに研究所です。(1924年設立)

現在の蔵書数は、国宝5点、重文7点を含む貴重書や絵画・地図資料、漢籍、和書、欧文資料、アジア諸言語文献 あわせて100万冊を超えるとのことです。館内はフラッシュを使わなければ写真撮影OK。ミュージアムでは異例の計らいです。

特色あるコレクションとしては、中国関係欧文資料を中心とするモリソン文庫、岩崎久弥旧蔵の和古書コレクションを中心とする岩崎文庫をはじめとして、国内外の研究者・収集家による蔵書群も収蔵されていることです。

まさに人類の叡智がここに集まっているかのようです。

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日本一美しいとされる本棚 24000冊のモリソン文庫

この非常にアカデミックな図書館が、2011年に「東洋文庫ミュージアム」として開館し、今年が11年目に当たります。

オリエントホールには、海を越えて世界に渡った日本文学の名作と翻訳が一堂に見られました。

古事記、日本書紀、源氏物語、百人一首、徒然草、おくのほそ道、仮名手本忠臣蔵、芥川龍之介作品集、金閣寺などなど。
会場は多くの見学者でいっぱいでした。

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菅家物語(17世紀)のセリフ対比 ↑

今放映中の「鎌倉殿の13人(三谷幸喜脚本)」とは大違いです。


東洋文庫ミュージアム公式サイト

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画像 公式サイトより

蔵書を見た後は、このミュージアムの敷地内にある お洒落なレストラン「オリエント・カフェ」で美味しいランチを戴きました。(小岩井農場プロデュース)
シーボルトゆかりの庭園を眺めながら、しばし都会の喧騒を離れて至福の時間でした。

2022年7月14日 (木)

知られざる名曲 第156回 映画「オールドボーイ」より / イ・ジス

今回は、第57回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した 韓国映画「オールド・ボーイ」の挿入曲を選びました。

作曲したのは イ・ジス(이지수 Lee,Jisoo 1981- )。現在ソウル大学大学院音楽科助教授です。2018年には、平昌冬季パラリンピック開閉会式音楽監督を務めました。

彼の作品はクラシック音楽を基盤として映画音楽、ミュージカル、放送音楽など様々なジャンルに及びます。
そして最近は、チェコフィル、ロンドン交響楽団、東京フィル、KBS交響楽団など世界の主要オーケストラで演奏されています。

 

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(C)2003 EGG FILMS Co., Ltd. all rights reserved.

ちなみに、当「知られざる名曲」で韓国の作曲家を取り上げるのは、イルマ(이루마 )、イ・ドンジュン(이동준)に続いて3人目となります。


■ 映画「オールドボーイ」挿入曲 / イ・ジス



ワルツに乗って華麗なピアノ演奏を披露するのは、イ・ジス氏(作曲者自身)です。

2022年7月13日 (水)

知られざる名曲 第155回 トッカータ、アダージョとフーガ BWV 564 / バッハ

音楽は世相を反映するものです。

世界的なコロナの拡がり、ウクライナ・ロシアの戦争、最近の物価の高騰などによって、私たちは不安な毎日を過ごしています。

その不安を鎮めるためか、どうしても音楽は明るいものより暗く落ち着いたものが好まれる傾向にあります。
これが、いわゆる「同質の原理」です。

■ 同質の原理

1950年代にアメリカの精神科医 アルト・シューラー博士が唱えた理論。

悲しいときには悲しい音楽を聴き、
楽しい気分の時には楽しい音楽を聴く

そのことで精神状態に良い結果をもたらす効果がある、という考え方のことです。


その時の自分の気持ちが、音楽によって代弁されたような「共感」を感じるのです。
音楽には、その人の心に寄り添い共感する 不思議な力があると思います。そのことを「同質の原理」というのです。

イライラしているときに、落ち着かせようとして「静かな音楽」を聴いたら逆効果になって余計に「腹立たしく」なってしまうことがありますが、イライラしている時には、大音量で「激しい曲」を聴くことで気分は収まることでしょう。

そして、悲しい時には思いっ切り悲しい曲を聴いて涙を流すと、次第に癒されていくと思います。

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画像 ACワークス(株)


最近、世界を震撼させる事件が起きました。安倍元総理が凶弾に倒れ亡くなったのです。

当「知られざる名曲シリーズ」には 政治色はありませんが、 追悼の意味で 次の曲を選びました。心静かにお聴き下さい。


■ トッカータ、アダージョとフーガ ハ長調 BWV 564 - アダージョ/J.S.バッハ
(L. ストコフスキーによる管弦楽編)



私もこの曲に慰められました。霊界に旅立たれた元総理のご冥福を祈りつつ、フリーアナウンサーの膳場貴子さんが、TBS「報道特集」(2022・7・9)で語った言葉が印象的でしたので、敢えてご紹介します。

「非業の死を遂げた元総理ですけれども、あえて功罪を冷静に振り返ることが大事です」

参議院選は自民の圧勝でした。

 

2022年7月12日 (火)

日本音楽コンクール、ピアノメーカー指定に

戦前から続く音楽コンクールとして、国内で最も伝統ある「日本音楽コンクール」。
本年(2022)は91回目の開催となります。

毎日新聞社と日本放送協会(NHK)が主催して行われ、応募部門の多さと高い水準から、若手音楽家の登竜門として知られています。


その日本音楽コンクールのピアノ部門が、今年から予選ごとにピアノメーカーが変わる方式(指定ピアノ制)を採用するようです。
 

■ 第1予選 使用ピアノ:ヤマハ コンサートグランドピアノ「CFX」(会場トッパンホール に設置)
■ 第2予選 使用ピアノ:ベヒシュタイン フルコンサート D-282(会場トッパンホール に設置)
■ 第3予選 使用ピアノ:スタインウェイ D-274(会場トッパンホール に設置)

そして本選(会場・東京オペラシティ) は、上記3機種より選択できるようです。
※これまで、本選は スタインウェイ D-274のみでした。

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このコンクールに協力している ピアノメーカーは、カワイ、スタインウェイ、ベヒシュタイン、ヤマハの4社です。

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前回の第18回ショパンコンクールで評価の高かった カワイ(Shigeru Kawai)が、何故除外されているのでしょうか。

 

2022年7月11日 (月)

名画との出会い「鏑木清方展」

京都国立近代美術館で開催中(2022・5・27~7・10)の 没後50年「 鏑木清方展」に出掛けました。

清方の代表作として知られながら1975年以来行方不明であった名作「築地明石町」が、44年ぶりに発見され、さらに所在不明だった「新富町」「浜町河岸」の2作品も発見されました。まだ最近 (2019年)のことです。

併せて3部作となる「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」は、東京国立近代美術館が 3点 5億4000万円で購入しました。

今回は、その3作品を含む 鏑木清方の名品ばかり100点余りが一堂に揃いました。

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3部作「築地明石町」「新富町」「浜町河岸」



実は私が最も見たかった作品は、「秋宵(しゅうしょう)」です。

8年前にこの絵を知ってから、是非本物を見たいと願っておりましたが、やっと会えたことで感激ひとしおです。
(下図 秋宵 ↓ )

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当時の私のブログ どうしても見たい1枚の絵 「秋宵」


帰りに、 旧三井家の下鴨別邸を見学させてもらいました。
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美しい庭園を眺めながら、ゆっくりお茶もいただきました。

2022年7月10日 (日)

知られざる名曲 第154回 チェロ協奏曲第1番 / ヴュータン

アンリ・ヴュータン( Henri  Vieuxtemps 1820 - 1881)の2度目の登場です。

※ご参考 1度目の記事  ヴィオラとピアノのためのエレジー

ヴュータンは作曲家・ヴァイオリニストとして、ヴァイオリン協奏曲を7曲書きましたが、脳卒中により右腕に障害が起きると、ヴァイオリンをあきらめ、しばし他の楽器に目を向けました。

そして、ベルギーのチェリスト、アドリアン・フランソワ・セルヴェと親密になり、チェロ協奏曲を2曲作りました。
ちなみに、セルヴェは、世界で初めてチェロにエンドピンを付けた人です。

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参考 チェロ エンドピン 島村楽器サイトより

演奏は、チェロが Moritz Huemer氏。ピアノが 薗田奈緒子(
Naoko SONODA)氏です。
今回は敢えてオーケストラ伴奏ではなく、ピアノ演奏にいたしました。


■ チェロ協奏曲第1番 第1楽章/ アンリ・ヴュータン



表情豊かな曲です。ピアノの前奏に続いて弾かれるチェロの旋律は美しく、後半にピアノによって再現されます。
伸びやかで若々しいチェロも素敵ですが、明瞭なタッチでチェロを支えるピアノがとても魅力的です。

2022年7月 5日 (火)

知られざる名曲 第153回 ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 /コルンゴルト

エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(Erich Wolfgang Korngold, 1897 - 1957)はオーストリア出身のアメリカ合衆国の作曲家・指揮者です。近年日本でも知られるようになりました。

今回は、コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35 第1楽章」をお聴き下さい。
その新鮮な音楽の響きに驚かれると思います。

■ 絶賛の嵐

コルンゴルトは、モーツァルトと同じ名前(ヴォルフガング)と相まって「モーツァルトの再来」と呼ばれる程の神童ぶりであった。

9歳の時に作曲したカンタータを聴いたマーラーは、「天才だ!」と叫んだという。

11歳の時に作曲したバレエ音楽『雪だるま』はウィーン宮廷歌劇場で皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の御前演奏として初演され、万雷の拍手をもって迎えられた。

その後も、作曲家 リヒャルト・シュトラウス、名ピアニスト、アルトゥール・シュナーベル、ベルリン・フィルの大指揮者 ニキシュ、イタリアの作曲家 プッチーニなどから絶賛され、ウィーン市から芸術勲章を、オーストリア大統領からはウィーン音楽大学名誉教授の称号を贈られた。

さらに1932年、新聞『新ウィーン日報』のアンケートで、シェーンベルクと並んで存命する最高の作曲家に選ばれた。その後、管弦楽曲、協奏曲、室内楽曲、歌曲、編曲と旺盛な音楽活動が続き、結局この時期が事実上、作曲家コルンゴルトの絶頂期であった。


■ 映画音楽への進出

名声はあったものの、コルンゴルトは生活のために映画音楽を書くことになったが、それでも美しい旋律、優れた管弦楽法は、緩みきった映画音楽業界に革命をもたらした。

1935年に、初期の傑作『海賊ブラッド』を書き大絶賛された翌年、1936年に『風雲児アドヴァース』でアカデミー作曲賞を受賞。この作品は、40以上のライトモチーフを使い、オペラ並みの作品に仕上げられていた。

1938年には『ロビンフッドの冒険』で2度目のアカデミー賞に輝く。

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画像 ACワークス(株)

■ 前衛音楽全盛、失意の晩年

ヒトラーが倒れるまで純粋な音楽作品の創作を封印していたコルンゴルトにとって、第2次世界大戦の終結は転機となった。

1946年、『愛憎の曲』を最後に、純音楽作曲家に戻るべく、新作を携えウィーンを訪れるも、当時の映画音楽に対する評価の低さや、後期ロマン派的作風は前衛音楽全盛の音楽業界から受け容れられず、「映画に魂を売った下等な作曲家」というレッテルを張られて事実上ウィーンの楽壇から抹殺され、失意の内にハリウッドに戻り、不遇の中、同地で1957年、脳出血で死去した。2曲目の交響曲を作曲中だった。遺体はハリウッドのハリウッド・フォーエバー墓地に埋葬されている。


■ 再評価

没後の再評価は1970年代、彼自身の映画音楽から始まった。二男のジョージ・コルンゴルトがプロデュースした、チャールズ・ゲルハルト指揮、ナショナル・フィルハーモニック管弦楽団演奏による映画音楽集のレコードが良好な売れ行きを示した頃から、コルンゴルトの音楽の再評価が始まる。前記したように、ジョン・ウィリアムズなどの、シンフォニックタイプの作曲家に与えた影響は大きい。

また、ラインスドルフ指揮によるオペラ『死の都』、ケンペ指揮による『交響曲 嬰ヘ調』のレコード等で、彼のクラシック音楽の再評価も始まるなど、『コルンゴルト・ルネッサンス』の端緒がここに始まった。

現在、欧米においてはコルンゴルトに対する偏見は少なくなり、20世紀のクラシック音楽の作曲家の一人として、その作品は多くのCDがリリースされ、一流演奏家もコンサートで取り上げている。

(以上一部Wikipediaより転記させていただきました)


■ ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 第1楽章 /コルンゴルト



演奏は、ヴァイオリン、アンネ=ゾフィー・ムター(Anne-Sophie Mutter)アンドレプレヴィン指揮 · ロンドン交響楽団(London Symphony Orchestra · André Previn)です。

出だしの甘い旋律、あふれる情感、実に新鮮で官能的でもあります。

この曲は、世界的ヴァイオリニスト 
ヤッシャ・ハイフェッツにより初演されました。

 

2022年7月 3日 (日)

知られざる名曲 第152回 夏の夜のワルツ/メリカント

今回は、フィンランドの作曲家 オスカル・メリカント(Oskar Merikanto, 1868 - 1924)にスポットを当てたいと思います。

曲は「夏の夜のワルツ」。ちょうど今の季節にピッタリです。

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画像 ACワークス(株) 

この曲は メリカント15歳の時に作られました。とても愛らしい作品として今ではメリカントの代表作です。

原曲はピアノですが、合唱を始めさまざまにアレンジされ、フィンランドで大変愛されている作品だそうです。
今回は、原曲のピアノ独奏でお楽しみ下さい。


■ 夏の夜のワルツ(Summer Evening, Waltz Op.1)/ メリカント(Merikanto)



フィンランド
はシンプルに「パラダイス」

これ以上に良い環境がどこにあるかと思わせてくれるのがフィンランドの夏です。 気温が20~30度ほど、涼しい風、一日中明るく、暖かくて気持ちの良い日差し。 森でも、湖でも、海でも、砂浜でも、公園でも、すべてがキラキラして見えます。
(フィンランド雑貨と現地ツアーのキートスショップ記事より)

令和「御朱印の旅」その13 須天熊野神社

石川県小松市にある 須天熊野神社(すあま くまのじんじゃ)に行って参りました。

ちょうど「茅の輪くぐり」の神事の前でお忙しい中、宮司様にもお目に掛かることが出来ました。

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御朱印は、見開きの手書きの絵が素晴らしいものです。有難く拝受いたしました。

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シジュウカラ、キビタキなど色鮮やかな四羽の鳥が描かれています。

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八咫烏(やたがらす)と 松の木が描かれた御朱印。


八咫烏は、日本神話に登場するカラスで、天照大神 (あまてらすおおみかみ) の使神として大烏となって現れ、道案内をしたとあります。
大きな頭と、足が3本というのが特徴です。

ご存じのように、八咫烏は 日本サッカー協会(JFA)のマークになっています。

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須天熊野神社 境内にある 八咫烏

八咫烏にお水をかけて帰路につきました。
尚、聞いた話では、宮司様は美大ご出身だそうです。絵がお上手なはずです。

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県民割を利用して近くの温泉に一泊してリフレッシュできました。

2022年6月27日 (月)

知られざる名曲 第151回 古風な組曲:第1曲 前奏曲 / ラター

151回目の知られざる名曲は、私の好きな作曲家 ラターの美しい作品をご紹介します。

ジョン・ミルフォード・ラター(John Milford Rutter CBE, 1945 - )は、イギリスの作曲家、指揮者です。主に合唱音楽に携わり、長年にわたって国際的に活躍しています。

彼は聖歌隊員だった経験を生かし、1981年にプロの室内合唱団であるケンブリッジシンガーズを結成しました。
彼の合唱作品(ミサ曲)は世界中で広く演奏されており、作品の多くは慰めに満ちてあなたを祝福し、あなたを守ります。

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この「古風な組曲」は、チェンバロ、フルート、弦楽オーケストラのために書かれた、協奏交響曲(1979)です。

合唱作品ではありませんが、フルートの優しい旋律が、ボーイソプラノのように歌います。


■ 古風な組曲:第1曲 前奏曲
(Suite Antique I. Prelude) / ジョン・ラター



演奏は、クリストファー・D・ルイス (チェンバロ)/ジョン・マクムテリー (フルート)/ウェストサイド室内管弦楽団。
澄んだフルートの音色がとても印象的です。

YouTubeにアップしてくれた ‶ナクソス・ジャパン” に感謝です。

次の機会には合唱曲をご紹介いたします。

2022年6月26日 (日)

知られざる名曲 番外編22  愛は面影の中に / イワン・マッコール

前後しましたが、番外編をもう1曲追加します。

英国出身のシンガーソングライターのイワン・マッコール(Ewan MacCol 1915– 1989)の作詞・作曲による「La Prima Volta」です。

日本では、ロバータ・フラックが歌った「愛は面影の中に」で知られています。

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この曲を、同じく英国のテノール歌手 ポール・ポッツ(Paul Potts、1970 - )が歌います。

彼はテレビのオーディション番組『ブリテンズ・ゴット・タレント』に出て優勝し、一躍世界的なテノール歌手の仲間入りをしました。世界ツアーで来日もしていますからご存じの方も多いと思います。

■ La Prima Volta(愛は面影の中へ)/Ewan MacColl(イワン・マッコール)



この曲はクラシック曲ではありませんが、実にドラマティックでスケールの大きな曲です。
オペラアリアとしても感動的な名曲と言えます。

知られざる名曲の番外編としてアップすることにしました。

ちなみに、動画の劇場はウクライナのキエフ(キーウ)にある国立歌劇場です。
ウクライナ国立歌劇場 公式サイト

2022年6月18日 (土)

知られざる名曲を考察する(15)名曲との出会いが人生を変える

この世は出会いの連続です。

新しい人との出会い。
新しい場所との出会い。
新しい味との出会い。

新しい小説との出会い。
新しい絵画との出会い。

そして、
新しい音楽との出会い。

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中島みゆきの「一期一会」という歌の出だしは、

見たこともない空の色
見たこともない海の色
見たこともない野を超えて
見たこともない人と会う

とありますが、

聴いたこともない音楽との出会いは、とても感動的です。

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画像 ACワークス(株)


おかげさまで、この「知られざるクラシック名曲の宝庫を開ける」シリーズは 150回を迎えることが出来ました。

もし1曲でも、皆様の心の琴線に触れるものがあれば、こんな嬉しいことはありません。

その1曲があなたの人生を変えるからです。

音楽に癒され、勇気をもらい、深い感銘の中で人生の意義を知り、生きる尊さに気づくのです。


これからも「名曲との出会い」の旅を続けて参ります。お引き立てお願いいたします。管理人

 

2022年6月11日 (土)

知られざる名曲 番外編21 地球星歌/ミマス

この「地球星歌」は、音楽ユニット「アクアマリン」の作詞・作曲担当 、キーボード、ギター奏者として活動している ミマス氏 (1971-、神奈川県茅ヶ崎市生まれ)  が作りました(作詞作曲)。音楽は高校生のときに独学で始めたそうです。

そしてこの曲は、富澤裕氏により合唱曲に編曲され、全国の学校や合唱団で歌われていますので、合唱ファンならご存じの方も多いと思います。

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画像 ACワークス(株)

ミマスさんは、奥様との世界一周新婚旅行中にこの曲を書きあげたと言います。

あなたの毎日が 世界を創り
愛する想いが 地球へと広がる

世界の平和を願う気持ちがあふれ、人間愛が無限に広がります。

そう 誰にでも愛する人がいる
誰の心にも 大切な場所がある
さあ その気持ちをむげんに広げて
この星をぜんぶ ふるさとと言おう


■ 地球星歌/ミマス

2022年6月10日 (金)

知られざる名曲 番外編20 Legato - Staccato Movement/ブルーノ・ラコ 

この曲は、イタリア生まれのピアニスト兼作曲家の ブルーノ・ラコ(Bruno Raco 1979- )によって作られました。彼はバーゼル劇場の伴奏者、フリーランサーの作曲家、そして 2013年からは「ローザンヌ国際バレエコンクール」と「北京国際バレエコンクール」のワークショップに参加して音楽教師として活躍しています。

特に彼の作曲したバレエ音楽と、実験的な現代スタイルの作品は国際的に評価されています。

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Bruno Raco https://www.brunoraco.com/?lang=ja


そして、カップの動きは、Daniela Stroppolatini が創りました。詳しいことは分かりませんが、子供の音楽教材として考案されたようです。

カップの動きによって音楽の表情を楽しく表現できる面白い試みです。子供ばかりでなく大人も楽しめそうです。

■ Legato - Staccato Movement(レガート・スタッカート・ムーブメント)/ ブルーノ・ラコ

2022年6月 8日 (水)

知られざる名曲 第150回 天使のミロンガ/ピアソラ(Piazzolla)

当シリーズ150回目の今回は、タンゴの巨匠アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921 - 1992)を取り上げることにしました。昨年が生誕100年に当たった アルゼンチンの作曲家・バンドネオン奏者です。

ピアソラは、伝統的なタンゴを活かしながら、クラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を生み出し、タンゴの革命児として数々の名曲を生み出しました。

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画像 ACワークス(株)

この曲は、「天使のタンゴ」という劇の付随音楽として書かれた 組曲(3曲)のうちの一つです。
※ 「天使の死」(1962)、「天使のミロンガ」(1965)、「天使の復活」(1965)。

ミロンガは、
タンゴの源流となるリズムで、テンポは速いとされますが、ピアソラは情感を込めて美しく仕上げました。

クラシック・ギター演奏は、イェラン・セルシェル(スウェーデン出身)、チェロ演奏は、ジャン・ワン(中華人民共和国出身)。しっとりとした演奏です。

■  天使のミロンガ (Milonga del ángel) / ピアソラ(Piazzolla)



静かな夜に聴く珠玉の一曲です。

2022年6月 7日 (火)

知られざる名曲 第149回  映画「時雨の記」より la pioggia / 久石譲

今回は、どなたも良くご存じの 久石譲(ひさいし じょう、Joe Hisaishi、1950 -  )の作品です。

久石譲は言うまでもなく、「風の谷のナウシカ」、「天空の城ラピュタ」、「となりのトトロ」、「千と千尋の神隠し」などアニメの音楽で有名ですが、クラシック音楽はもちろん、映画音楽、テレビ音楽、ポップス、CMなどあらゆるジャンルの音楽シーンを手掛けています。
久石譲 Wikipedia

映画『時雨の記』(しぐれのき)は、1977年発表の中里恒子の小説(文藝春秋刊)、それを元にした1998年製作の日本映画。吉永小百合、渡哲也主演、監督澤井信一郎。

久石はこの映画の音楽を担当しました。

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あらすじ

大手建設会社の専務・壬生孝之助(渡哲也)は、20年前に心に留めた女性・堀川多江(吉永小百合)に偶然再会し、翌日、鎌倉を訪ねる。夫を亡くし華道教授をしながらひっそりと暮らしてきた多江は、戸惑いながら壬生の少年のようなひたむきさに惹かれてゆく。世俗の価値観を離れて、同じものに響き合える人と残りの人生を生きてみたい、二人で西行や定家のように隠れ住みたいと願う。しかし新しい生活を決意した壬生には病魔が迫っていた。京都嵯峨野で発作を起こした壬生を抱きしめる多江。二人に時雨が降り注いで過ぎてゆく。

古都・鎌倉、紅葉の京都、晩秋の飛鳥路を舞台につつましく揺るぎない大人の愛の物語を描く名作(Wikipediaより一部抜粋)。


■ la pioggia / 久石譲  (映画「時雨の記」より)



■ ご参考
時雨の記 YouTube動画(1分34秒)

その恋はしぐれのように 私の胸に舞いおりました

2022年5月30日 (月)

知られざる名曲 第148回 3つのバラード よりクムル(鳩)/ファジル・サイ

この曲を作ったのは、トルコ出身の作曲家 ファジル・サイ ( Fazıl Say 1970 - )です。
日本でも良く知られたピアニストで、度々来日して観客を沸かせました。テレビ出演も果たしています。

彼はトルコのアンカラ国立音楽学院でピアノと作曲を学び、その後シューマン音楽院に留学。さらに1992年からはベルリン音楽院で学びました。正統的なクラシックジャンルの音楽家ですが、卓越した才能の持ち主として絶賛され、「天才」「鬼才」と評されました。

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画像 ACワークス(株)

華麗で超人的なピアノテクニックで、世界中の主要オーケストラと共演するなど、演奏家として活躍する一方、作曲家としてもピアノ作品、室内楽、オーケストラ曲など多彩な才能を発揮しました。

今回は、作曲家としての彼の作品をご紹介します。

タイトルの「Kumru(トルコ語)」は、「鳩」の意味ですが、現地では女の子の名前でもよく使われているとのことです。

■ 3つのバラードOp.12 No.2 Kumru (クムル = 鳩)/ファジル・サイ



演奏は、ファジル・サイ - Fazıl Say (ピアノ)、カザル四重奏団 - Casal Quartet によるピアノ五重奏です。

中世イスラムの恋愛古典文学を題材に作曲されたとされますが、何とも愛らしい小品です。

2022年5月26日 (木)

知られざる名曲 第147回 irreplaceable/チャド・ローソン

曲名の「irreplaceable」は、Googleで直訳すると「かけがえのない」と表示されます。

この YouTube動画の説明には「深呼吸をして、あなたの人生でかけがえのないものに感謝してください。あなたの心の中にいつもいる人、あなたがゆっくり時間を過ごすことができる場所、そしていつも笑顔になれる最も大切な思い出」と書いてあります。

作曲家 チャド・ローソン(Chad Lawson 1975- 米国)は Wikipediaによると、ある意味スピリチュアルな作曲家です。

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画像 ACワークス(株)

彼は、不安や自殺などのメンタルヘルスの問題に取り組みながら、呼吸と瞑想のテクニックをリスナーに案内して、現代生活のストレスからの脱却を目指すと同時に、思考を処理するために前向きで建設的な方法を提供することを自己の目的としているというのです。

彼の音楽、経験、瞑想のテクニックを組み合わせることで、ローソンはメンタルヘルスと感情的な幸福への情熱をさらに多くの聴衆にもたらすことができます。チャド・ローソン自身のピアノで究極のメンタルヘルスを感じてみては如何でしょう。


■ irreplaceable/チャド・ローソン



この音楽を聴きながら、あなたの人生で最もかけがえのないものに感謝して下さい。

2022年5月24日 (火)

知られざる名曲 第146回 ポロネーズ「フサリア」/デプスキ

今回は、ポーランドの作曲家で、クラシックから映画音楽まで手掛ける クシェシミル・デプスキ (Krzesimir Dębski 1953 - )にスポットを当てました。この作曲家、あまり名前は知られておりません。

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曲は ポロネーズ「フサリア」"Polonez Husarii" です。「フサリア」とは、16~18世紀にポーランドで活躍した騎兵隊を指します。

騎兵隊「フサリア」は頭に羽を付け、装飾性のある鎧(よろい)を付けていました。ポーランドの人たちは「フサリア」を英雄として讃えていたと言います。

ポロネーズと言えば、ショパンの英雄ポロネーズや軍隊ポロネーズを思い浮かべますが、この曲も勇壮で堂々としています。


■ ポロネーズ「フサリア」/クシェシミル・デプスキ (Dębski)



指揮は、ウクライナ出身の ハーマン・マカレンコ(Herman Makarenko)。オーケストラはキーウクラシックオーケストラ (Kyiv-Classic" Orchestra)です。公式サイトhttps://www.kyivclassic.com/

ウクライナは音楽どころではないでしょう。コンサートホールや歌劇場は大丈夫でしょうか。
一日も早い戦争の終結を願わずにはいられません。

2022年5月23日 (月)

知られざる名曲 第145回 水の上で歌う(アルペジョーネ版)/シューベルト

Mitten im Schimmer der spiegelnden Wellen
Gleitet、wieSchwäne、der wankende Kahn;

Ach、auf der Freude sanftschimmernden Wellen
Gleitet die Seele dahin wie der Kahn;

きらめく波のかすかな光の中を
白鳥のように揺れる小舟がすべって行く

ああ、優しくきらめく波の喜びにのって
この魂も小舟のようにすべって行く


シューベルト(Schubert 1797– 1828 ドイツ)が作曲した歌曲「水の上で歌う Auf dem Wasser zu singen」の歌詞の一部です。
作詞:シュトルベルク(Stolberg 1750–1819 ドイツの詩人でゲーテとも交流があったとされる)

もう30年近く前ですが、買い求めたCD「心の四季~功芳の女声合唱」の中に入っていたこの曲を聴いて、私はシューベルトのこの歌曲が大好きになりました。宇野功芳氏の瑞々しい感性とシューベルトの美しい旋律が忘れられません。(演奏:宇野功芳 指揮/日本女声合唱団)

声楽ファンならご存じのこの歌曲を、今回はアルペジョーネ(arpeggione)という楽器の演奏でお聴きいただこうと思います。

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画像 Wikipediaより

※アルペジョーネは、ウィーンのギター製造者ヨハン・シュタウファーにより発明された弦楽器で弓で演奏します。チェロを小ぶりにしたような形ですが、弦は6本ありギターの要素もあります。このため「ギター・チェロ」という別名でも呼ばれましたが、外見はバロック時代のヴィオラ・ダ・ガンバに似ています。(一部Wikipediaより)
尚、シューベルトの作曲した「アルぺジョーネソナタ」は有名。


■ 水の上で歌う D774 作品72 (アルペジョーネ版)/シューベルト



水の上で歌う~夕暮れの舟遊び

ピアノの表す水面のきらめきの上を、甘い音色のアルペジョーネが情感豊かに歌います。

アルペジョーネ演奏は、アンヌ・ガスティネル - Anne Gastinel(仏) 、ピアノは クレール・デゼール - Claire Désert(仏) 。

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