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書の作品

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    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
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2024年6月11日 (火)

知られざる名曲 第246回 ワルツ第2番ホ短調 / グリボエードフ

ロシアの作曲家 アレクサンドル・グリボエードフ(Aleksandr Griboedov  1795 - 1829)が本日の主役です。

以前、第一次世界大戦中に潜水艦の魚雷攻撃で亡くなったスペインの作曲家 グラナードスについて述べましたが、このグリボエードフも非業の死を遂げた作曲家です。 ※ご参考 知られざる名曲 第20回 オペラ「ゴイェスカス」間奏曲/グラナドス

■ 悲劇の作曲家

アレクサンドル・グリボエードフは、名門貴族の出身でしたが、1812年に祖国戦争に参戦、その後外交官となりました。
1828年にイラン大使に任命されて着任。

翌1829年、ハーレムから逃げ出してきたアルメニア人少女数名を、ロシア大使館にかくまい、引渡し要求も拒否しました。

しかし、暴徒と化した熱狂的なイスラム教徒が大使館に押し入り、グリボエードフは他の大使館員共々惨殺された上、斬首されました。
(一部Wikipediaより)

ロシア政府はグリボエードフ殺害に激怒して責任者の処罰を求め、相手側は使節団を派遣して謝罪したと言われています。
音楽を愛し、自ら楽器を奏で、作家としても活躍したグリボエードフは、34歳の短い生涯でした。

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画像 Aleksandr Griboedov像 アルメニア

作曲家と言っても、現存する楽曲は、この一曲だけです。
とても貴重な作品を、ロシアの巨匠 グリゴリー・ソコロフが、愛(いと)おしむように演奏しています。


■ ワルツ第2番ホ短調 / グリボエードフ

 

2024年5月29日 (水)

知られざる名曲 第245回 ピアノ協奏曲第1番 / ステファン・エルマス

アルメニア人の作曲家 ステファン・エルマス(Stéphan Elmas 1862 - 1937)の「ピアノ協奏曲第1番ト短調」が今回の主役です。

目の覚めるような冒頭の音楽と、その後に現れるショパンのピアノ協奏曲1番を思わせるロマンティックな旋律を聴いた時、私はすっかり魅せられてしまいました。

40分を超える大曲ですが、ロマン派的な美しい旋律、雄弁なピアノ、明快で生き生きしたオーケストラ、これは知られざるクラシックの名曲と言えると思います。
日本では無名の作曲家ですが、その生涯を調べてみました。


■ ステファン・エルマスの生涯(Wikipedia参照)

彼は、オスマン帝国のスミュルナ(現イズミル)の裕福な起業家の一家に生を受け、幼い頃からピアノを習いながら小品を作曲するようになり神童と言われました。やがて13歳になる頃には、早くもオール・リスト・プロでピアノ演奏会を開くヴィルトゥオーゾぶりを見せていました。

1879年、家族の反対を押し切って リストへの弟子入りを目指し、ドイツで念願のリストに会うことが出来たエルマスは、リストから助言を受け、ウィーン音楽院教授のアントン・ドーア、そして優れた作曲家で教会音楽家であったフランツ・クランに師事するようになります。

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画像 トルコ西部の都市 イズミル ACワークス

1885年にウィーン・デビューを飾り多くの称賛を得ました。作曲も継続し、ワルツ、、マズルカ、夜想曲、即興曲といった多数の小品を遺しました。

1887年、ウィーンのベーゼンドルファー・ザールでのリサイタルが大きな成功を収めると、フランス、イングランド、オーストリア、イタリアの各地でも大成功を収めました。プログラムには主に自作以外に、ベートーヴェン、ショパン、シューマンの作品を選びました。

その後ピアニストとして成功を収めてからは、アントン・ルビンシテインやジュール・マスネと親交を結び、1912年にスイスのジュネーヴに定住し、同地で作曲、教職、演奏を継続しましたが、次第に聴力の衰えを感じるようになり、外界との交流を閉ざすようになりました。

その頃、
女性画家 エイメ・ラパンと出会いますが、彼女はエルマスを介護しながら、1937年に亡くなるまで良き交友関係を結びました。

■ ピアノ協奏曲第1番 ト短調 / ステファン・エルマス



1988年にはアルメニアの作曲家の遺産を世界に広めるため、ステファン・エルマス財団が設立され、エルマスの作品も再評価が進められています。ロマン派の音楽に立ち返った彼の作品がもっと日本でも広がることを期待します。


ピアニスト:アルメン・ババハニアン (Armen Babakhanian)

オーケストラ: エレバン国際祝祭交響楽団 / 指揮: アレクサンダー・シラノシアン


2024年5月27日 (月)

知られざる名曲 第244回 「愛と宿命の泉」テーマ / ヴェルディ

1986年制作のフランス映画『ジャン・ド・フロレット(邦題/愛と宿命の泉』(クロード・ベリ監督)のテーマ曲が、今回の知られざる名曲です。

ヴェルディ(Verdi、1813 - 1901) のオペラ「運命の力」にインスピレーションを得て作られたテーマ曲はとても印象的な名曲です。

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演奏のフランスのヴァイオリニスト ルノー・カプソン(カピュソン)の美音をお届けするのは、当「知られざる名曲シリーズ」3度目です。


■ 「愛と宿命の泉」テーマ / 原曲 ヴェルディ


■ Theme from Jean de Florette(ご参考)

2024年5月25日 (土)

知られざる名曲 第243回 フルートソナタ ト長調 / ジュゼッペ・サンマルティーニ


今回は、イタリアの作曲家でオーボエ奏者の ジュゼッペ・サンマルティーニ(Giuseppe Sammartini, 1695 - 1750) にスポットを当てます。

ジュゼッペ・サンマルティーニは、1728年にロンドンに渡り、そこで作曲家・オーボエの名手として活躍しましたが、彼には同じ作曲家の弟 ジョヴァンニがいました。

ジョヴァンニ・サンマルティーニはミラノで作曲家・オルガニストとして名声を得ました。

しばしば、兄(ジュゼッペ)と弟(ジョヴァンニ)は混同されます。

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 画像 ACワークス

この曲は、フルートソナタですが、ギタリストの 大萩 康司氏がオーボエとギター用にアレンジしています。

■ フルートソナタ ト長調 Op. 2 No.4 III.(アレンジ版)/ ジュゼッペ・サンマルティーニ


オーボエ:広田智之 ギター:大萩保治 

2024年5月 8日 (水)

知られざる名曲 第242回 La Melancolie / ジョルジュ・ドルリュー 

以前読んだ「あなたは私 私はあなた」(清水義久著)という本。

その本には、こんな一文がありました。

あなたの心には、アインシュタインの、ゴッホの、モーツアルトの、つまり全人類の記憶がそのまま共有されている。 ユングはこれを「集合的無意識」と呼び、宮沢賢治は「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」と言った。

そう、みんな繋がっている! 

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画像 ACワークス

今回は、フランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue, 1925 - 1992)の「La Melancolie (直訳=メランコリックへ)」をお聴き下さい。

政治が腐敗する中、庶民の生活は楽ではありません。そして世界中で戦争の悲劇が繰り返されています。
中でもガザ地区で今起きている非人道的行為に心を痛めている人は多いと思います。

この曲を聴いて下さい。

■ La Melancolie / ジョルジュ・ドルリュー




こちらもお聴き下さい。

当シリーズ第229回 メモリーズ・オブ・ミー(ジョルジュ・ドルリュー)

https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2023/12/post-5667c7.html

2024年5月 5日 (日)

知られざる名曲 第241回 Luminous Night of the Soul / オラ・イェイロ

ノルウェー出身の作曲家 オラ・イェイロ(Ola Gjeilo 1978 - )2度目の登場です。

曲は、 "Luminous Night of the Soul"(直訳=魂の光る夜)

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画像 ACワークス

弦楽器とピアノ、合唱による宗教曲ですが、静寂、喜び、感謝、そして深い慰め。

後半6分40秒からは、希望の光が差し込み、力強く高らかに終曲します。

何と言うドラマティックな宗教曲でしょう。


■ Luminous Night of the Soul / オラ・イェイロ

CWU Chamber Choir(セントラル・ワシントン大学室内合唱団)と、カイロス弦楽四重奏団の演奏。

ピアノは作曲者の オラ・イェイロ自身です。



■ ご参考
この曲が大学生によって歌われています。
素晴らしい音楽体験だと思います。敬意を表します。

https://www.youtube.com/watch?v=cKcJSxTpWEQ

■ ご参考 当知られざる名曲第85回 おお、大いなる神秘よ / オラ・イェイロ

https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2021/08/post-818458.html

2024年5月 3日 (金)

知られざる名曲 第240回 ピアノ協奏曲第2番 第1楽章 / アザラシヴィリ

■ スランプ

知られざる名曲シリーズ、前回(239回)をアップした直後から、私は次の曲を選曲する作業に悩むようになりました。

あまりに紹介したい名曲が多く、どの曲を選んでいいのか迷ってしまい、あれこれ考えているうちに、何と1か月半が経ちました。

当知られざる名曲のリストは、当初500曲ありましたが、200曲以上アップしても、まだ500曲もあります。

日々、YouTubeやナクソスを視聴すると、知られざる名曲に相応しい美しい作品に出会います。したがって、名曲のリストは増え続けているのです。

その中から次の1曲を選ぶのは、実はささやかな決断が要るのです。その決断に追われ、あれこれ迷い思考が停滞して「スランプ」に陥りました。

■ 新たなスタート

これからも、旋律が美しく心に響く名曲を中心にアップさせて頂きますが、斬新な発想によって作られた作品、話題性のある作品、アレンジもの、心が浄化される作品、映像とマッチした作品、邦人作品などに焦点を当てたいと思います。

その第1回(240回)は、ジョージア(元グルジア)出身の作曲家 ヴァーシャ・アザラシヴィリ(Vazha Azarashvili)の、ピアノ協奏曲第2番 第1楽章です。※アザラシヴィリは当シリーズ2度目の登場です。

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画像 ACワークス

この作品は、昨年日本に於いて世界初演が行われた話題の曲です。その時の聴衆以外は聴いたことの無い曲ですから、まさに「知られざる名曲」と言えるでしょう。
2023年12月22日青葉区民文化センター フィリアホール

■ 第240回 ピアノ協奏曲第2番 第1楽章 / ヴァーシャ・アザラシヴィリ(1936-2024)
2024年2月7日に訃報が発表されました。享年87歳

ピアノ:碓井俊樹 指揮:山田和樹/横浜シンフォニエッタ

(世界初演・碓井俊樹氏へ献呈)

指揮者の山田和樹氏は、高校1年生の時、アザラシヴィリの曲を飛行機の中で聴いて涙するほど魅了されたといいます。


■ ご参考 当知られざる名曲第12回 アザラシヴィリ/ノクターン

https://manriki358.cocolog-nifty.com/blog/2021/03/post-a549f8.html

 

2024年3月17日 (日)

知られざる名曲 第239回 別れの協奏曲 / ジョルジュ・ドルリュー

フランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue, 1925 - 1992)、2度目の登場です。

名門パリ音楽院に学んだ彼は、9 つのバレエ、2 つのオペラ (「Le Chevalier de Neiges」、「Medis et Alyssio」)、2 つの室内オペラ (「Ariane」、「Une Regrettable Histoire」) を作曲しましたが、その後は映画音楽に才能を発揮してアカデミー賞も受賞、やがてフランス政府から芸術文化勲章を授与されるに至りました。

今回は、1992年のフランス映画「愛と戦火の大地」(原題:Dien Bien Phu ディエンビエンフー)から「別れの協奏曲」(Concerto de l'Adieu)にスポットを当てました。

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映画「愛と戦火の大地」

54年3月13日、ハノイ。著名な米国人ジャーナリストのシンプソン(ドナルド・プレゼンス)が、取材を続けている。一方、ハノイから350km 離れたディエン・ビエン・フーでは、ある軍曹に率いられた現地人の小隊がヴェトナム砲撃隊の猛攻を受けていた。

第二次大戦後の民族運動期に勃発したインドシナ戦争の実態を、最大激戦地〈ディエン・ビエン・フー〉を舞台にドキュメンタリー・タッチで描いた戦争ドラマ。


■ 別れの協奏曲 / ジョルジュ・ドルリュー

ソロヴァイオリンの シズマロヴィッチは、来日経験もあるスロバキアのヴァイオリニストです。

戦争映画の音楽は、何故美しいのでしょうか。技巧的ではなく、あくまで音楽的なところが心に響きます。

 

2024年3月 3日 (日)

知られざる名曲 第238回  コラール・エレジー / カール・ジェンキンス 

イギリスの作曲家 カール・ジェンキンス(Karl Jenkins 1944- )の3度目の登場です。

カール・ジェンキンス卿は、御年80歳ですが、 2023年のユネスコ平和コンサートで、47カ国の数百人の音楽家を集め、壮大なスケールの「ワン・ワールド」という楽曲を自らの指揮で演奏しました。(世界初演)

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画像 ワン・ワールド世界初演(2023)

今回選んだ「知られざる名曲」は、まさに現役作曲家の ジェンキンスが作った Symphonic Adiemus(シンフォニック・アディエマス)の中の1曲「コラール・エレジー」(悲しみのコラール 2017年)です。

アディエマス語と呼ばれる架空の言語を歌詞に用い、クラシックとワールド・ミュージックを融合させたヒーリング系の音楽が聴く人の胸を打ちます。

■ コラール・エレジー / カール・ジェンキンス

2024年2月21日 (水)

知られざる名曲 第237回 エレーヌの歌 / フィリップ・サルド

フィリップ・サルド(Philippe Sarde, 1948 - )はフランスの映画音楽作曲家です。

彼の母親は パリ・オペラ座の歌手でした。母親の勧めでフィリップ・サルドは3歳の頃から音楽に興味を持ち、何と4歳の時、パリ・オペラ座でカルメンの短いセクションを指揮したといいます。

そして5歳の時、彼は映画のサウンドレコーディングに興味を持ち、最初の短編映画を制作しました。彼は音楽と映画の両方が大好きでしたが、音楽では、名門パリ音楽院に入学し、和声、対位法、フーガ、作曲を学びました。(Wikipedia海外版参照)

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画像 映画「過ぎ去りし日の……」東京日仏学院サイトより

エレ-ヌの歌 (La chanson d'Hélène) は、1970年 仏伊合作映画「過ぎ去りし日の…(Les choses de la vie)」で用いられた曲です。
監督は、クロード・ソーテ (Claude Sautet) 。


建築家 ピエールは恋人のエレーヌと近々チュニスに行き、二人だけの生活を送る予定になっていたのだが、別れた妻、息子のことも気がかりだった。彼はエレーヌをアパートに帰らせ、再び子供の許へ車を走らせた・・・

自動車事故で死にかけた男
がまさに人生を走馬灯のように回想する。多くの不安を乗り越えて結婚にたどりつく一歩手前で、二人の未来は無惨にも断ち切られてしまう。


本映画は第23回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作品です。70年代のフランスを代表する作品として映画史に残る本作はソーテの監督としての名声を確実にしました。(
東京日仏学院サイトより)

■ エレーヌの歌 / フィリップ・サルド

フランスの世界的ヴァイオリニスト ルノー・カピュソン(カプソン)の美音が、フィリップ・サルドの甘く切ない音楽を見事に表現しています。

2024年2月12日 (月)

知られざる名曲 第236回 愛は私に希望を告げた / オラツィオ・ミチ

今回は、ドイツグラモフォンの新譜から、バロック時代に活躍したイタリアの作曲家 オラツィオ・ミチ( Orazio Michi 1594-1641)の、「愛は私に希望を告げた」をお聴き下さい。この作曲家は私も初めて聞く名前です。


古代ギリシアの叙事詩人 ヘシオドスは、『労働と日々』という叙事詩の中で、大地(ガイア)には、神々から人間にいたる間に、黄金、白銀、青銅、英雄、鉄という5つの種族が次々と現れたとして、それぞれの世代の特徴を述べています。(世界史の窓 参照)

第1時代は「黄金の時代」、第2時代が「白銀の時代」、第3時代が「青銅の時代」、第4時代が「英雄の時代」、第5時代が「鉄の時代」です。


黄金時代、人びとは神々のように、煩わしさを知らず、苦労も心身の痛みも知らず、あわれな老いの悲しみにもさいなまれることはなかった。生は喜びに満ち、死も眠りと変わることなく、麦畑はありあまる稔りをもたらし、人びとは仕事を分かち合い、かずかずの幸いをわかちあった。

しかし時を経て今は「鉄の時代」だと言われています。

鉄の時代、これからの人間はもう鉄の時代だ。陽のあるかぎり、苦労をまぬがれず、夜の一刻も悲嘆をわすれえず、衰滅の道を歩むにちがいない。神々のもとからは手に負えぬ心痛がやってくる。・・・正義は力にありとする輩で、互いにその国を侵すことになるであろう。

私腹を肥やす政治家たち。正義は金。裏金問題で揺れる今の日本のようです。

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この絵画は、フランスの画家 アンリ・フレデリック・ショパンが描いた『黄金の時代』です。
人間も動物も自然もすべてが調和するエデンの園でした。

※本物は岐阜県垂井町の半兵衛ガーデンにあります。



今回の知られざる名曲 オラツィオ・ミチの「愛は私に希望を告げた」を聴いた時、私はこの「黄金の時代」を思い出しました。
平和で、喜びと愛情に満ちています。胎児がお母さんのおなかの中にいるような安心感も感じます。

■ 愛は私に希望を告げた / オラツィオ・ミチ


原曲は恋人の嘆きを歌った声楽曲ですが、バロック・ハープ奏者のルイーゼ・エンツィアンと、サックス奏者のアシャ・ファティエヴァによる演奏は上質なバロック音楽に仕上がっています。

尚、作曲した オラツィオ・ミチはハープ奏者でもありました。ハープとソプラノサックスの音色がこんなに相性がいいとは思いませんでした。ドイツグラモフォンに感謝です。

2024年2月10日 (土)

有名クラシック曲 極上編 No.5 「交響曲第1番」 / ブラームス 

2024年2月6日、指揮者の小澤征爾氏が亡くなりました。享年88歳。


私は、何故かクラシック音楽が好きで、子供の頃から小澤征爾の名前は知っていました。「ボクの音楽武者修行(小澤著)」は私の愛読書でした。
大人になると、ボストン響を始め、新日フィル、サイトウキネンなど、東京から大阪まで演奏会に出掛けました。

小澤さんが出ると聞いて、山本直純司会の、伝説の公開テレビ番組「オーケストラがやって来た」も見に行きました。もう50年も前です。

小澤さんと世界的なチェリスト ロストロポーヴィチが、岐阜の山奥のお寺でコンサートをした時も駆けつけました。その時のオケは、桐朋学園高校の学生やOBで編成された弦楽アンサンブルでした。見事な音楽性は忘れられません。

思い出深い小澤征爾さんでしたが、何と言っても一番印象に残った演奏会は、松本の「サイトウ・キネン・フェスティバル」で聴いた「ブラームス交響曲第1番」です。天皇皇后両陛下も来られた記念すべき第1回のサイトウ・キネン・フェスティバルでした。

小澤さんとサイトウキネンオーケストラの渾身の演奏!私は心が震えました。(1992年9月5日 松本文化会館)


今回の「有名クラシック曲 極上編」は、その時の「ブラ1」です! 幸い  YouTube があります。
昨夜、小澤さんの訃報に接した夜、私は一人でこの曲を聴きました。演奏が終わった時の熱狂的な拍手を聞いて、私は深い喪失感に襲われました。

心よりご冥福をお祈りします。永い間、感動あふれる音楽をありがとうございました。



■ 交響曲第1番 / ブラームス





とてもリラックスした浴衣姿の小澤征爾さん、ロストロポーヴィチ氏と一緒に撮った貴重な1枚です。
期間限定で公開させていただきます。↓

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2024年1月24日 (水)

有名クラシック曲 極上編 No.4 熊蜂の飛行 / リムスキー=コルサコフ

「熊蜂の飛行」は誰もが聴いたことのあるクラシックの有名曲です。

作曲は、ロシアの作曲家 リムスキー=コルサコフ(Rimsky-Korsakov, 1844 - 1908)です。

オペラ『サルタン皇帝』(プーシキン原作)の中の間奏曲で、管弦楽で演奏されますが、ヴァイオリン、チェロ、トランペットなど様々な楽器に編曲されています。

今回は、ピアノ独奏でお聴き下さい。

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熊蜂の羽音を表現するため、奏者は超高速で演奏します。

今回の動画に登場するピアニストは、1987年、中国で生まれた ユジャ・ワン(Yuja Wang)です。来日も多く、生のステージに接した方も多いと思います。

尚、ピアノ独奏用に編曲したのは、ハンガリーのピアニスト ジョルジュ・シフラ(Georges Cziffra, 1921 - 1994)です。この編曲は演奏が最も難しいと言われていますが、果たして ユジャ・ワンはどう演奏するでしょうか?

■ 熊蜂の飛行 / リムスキー=コルサコフ



余り速過ぎて指がハッキリ見えませんが、テンポが速いだけでなく、音楽的な表現力は卓越しています。
この演奏を聴いていると、熊蜂が目の前に迫ってくるからです。

まさに「神わざ」としか言いようがありません。

2024年1月19日 (金)

知られざる名曲 第235回 幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940 / シューベルト

当「知られざる名曲」に度々登場する シューベルト。ロマン派を代表するオーストリアの作曲家(Schubert 1797 - 1828)です。

その音楽は、深い叙情性を湛え、豊かな感性がほとばしり、美しい旋律に溢れ、私たちリスナーの心を満たしてくれるのです。

しかし、意外にもシューベルトの音楽は知られていません。

日本では 歌曲王のイメージが強く、「冬の旅」など三大歌曲や「魔王」が有名ですが、その他には交響曲「未完成」、「ザ・グレート」位しか一般的には知られていません。

実はピアノ曲や室内楽に隠れた名曲が多いと思います。

シューベルトは31年の生涯に、モーツァルトより多い 1000曲近い作品を遺しました。
もっと幅広く色々な作品が聴かれても良い作曲家です。

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画像 ACワークス(株)

今回は、シューベルト最晩年(1828年)に書かれた「幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940(Fantasia in F Minor Op. 103, D. 940 )」を選びました。この曲はピアノ連弾曲ですが、初演はシューベルト自身とその友人が弾いたとのことです。

2021年公開のデンマーク映画「アナザーラウンド」の挿入曲に、この曲が使われていますので、その映像を観ながらお聴き下さい。

※アナザーラウンドとは、トマス・ビンターベア監督、マッツ・ミケルセン主演で人生の光と影を描き、第93回米アカデミー国際長編映画賞を受賞した作品です。原題:Druk

■ 幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940 / シューベルト



この曲は、本当は20分近くあるのですが、この映像では途中までしか聴けません。
もしよろしければ、是非、坂本彩・坂本リサ 姉妹の名演奏もお楽しみ下さい。
曲の本質に迫った二人の演奏にきっと魅了されるはずです。


超おススメYouTube動画「幻想曲 ヘ短調 作品103 D 940 / シューベルト」

2024年1月17日 (水)

知られざる名曲 第234回 「マレーナ」/ ロベルト・アラーニャ イヴァン・カサール

知られざる名曲、今回は 愛情あふれるカンツォーネ「マレーナ」をお聴き下さい。

この曲は、世界的なテノール歌手 ロベルト・アラーニャ(Roberto Alagna 仏 1963- )が、 娘の誕生を祝って作りました。
作曲は、ロベルト・アラーニャと弟のフレデリコ・アラーニャの共作です。

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そして、アラーニャが愛して止まない娘の名前が「マレーナ」、この曲のタイトルです。

「マレーナは、私の中にある最も深い感情を目覚めさせました。私の青春、幸せが蘇ったのです。」と、アラーニャは語ります。


■ 「マレーナ(Malèna)」 / ロベルト・アラーニャ & フレデリコ・アラーニャ



曲の魅力を最大限引き出した編曲は、フランスの作曲家 イヴァン・カサール(Yvan Cassar  

イヴァン・カサール(ピアノ)
アヴィ・アヴィタル(マンドリン)
ロベール・ル・ガル(マンドリン)
ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
ペドロ・ハビエル・ゴンサレス(ギター)
マティアス・デュプレッシー(ギター)
ローラン・ヴェルネレイ(ダブルベース)
ムラット・コジュクン(パーカッション)
ライオネル・スアレズ(アコーディオン)、ほか

2024年1月10日 (水)

知られざる名曲 第233回 「フェドーラ」間奏曲 / ジョルダーノ

今回の「知られざる名曲」は、イタリアのオペラ作曲家 ウンベルト・ジョルダーノ(Umberto Giordano, 1867 - 1948)にスポットを当てます。日本のオペラファンなら、彼の代表作「アンドレア・シェニエ」をご存じの方も多いと思います。

しかし、ジョルダーノの時代(19世紀後半~)には、イタリアオペラの巨匠たちがキラ星のように輝いていました。ヴェルディ、プッチーニ、レオン・カヴァレロ、マスカーニなどです。
その陰になって、どうしても目立たない存在だったジョルダーノが書いた「隠れた傑作」が、今回のオペラ「フェドーラ」です。

この作品「フェドーラ」は、帝政ロシア時代のサンクト・ペテルブルグ、パリ、スイスの山荘を舞台にした3幕仕立てで、甘く美しい旋律とドラマティックな劇音楽が魅力です。

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画像 ACワークス(株)

実は「フェドーラ」の作者は、名作『トスカ』の戯曲を書いた フランスの劇作家 ヴィクトリアン・サルドゥです。
「トスカ」は、男女の三角関係を描いた単純明快なオペラでしたが、この「フェドーラ」は登場人物も多く、やや複雑です。

フェドーラ王女は、 ウラジーミル伯爵と結婚することになっていましたが、彼は何者かに殺害されてしまいます。
王女は復讐を誓い、容疑者の ロリス伯爵を追ってパリに向かいます。そこでロリスはウラジーミルを殺したことを告白するのです。
王女は警察にロリスを告発しますが、意外にも原因はウラジーミルの不倫と、先に発砲したウラジーミルにあり、ロリスは正当防衛だったことが判明します。~その後色々あり~フェドーラはロリスの腕の中で息を引き取り幕は下りるのです。

要は自分の婚約者を殺した相手を愛してしまったフェドーラの悲劇の物語です。

そんな悲劇のヒロイン フェドーラ、この音楽は、オペラの間奏曲の中でも飛びぬけて美しいものです。

■ オペラ「フェドーラ」間奏曲(Intermezzo from Fedora)/ ジョルダーノ



 演奏は、ネーメ・ヤルヴィ 指揮、 ヨーテボリ交響楽団 

2024年1月 8日 (月)

知られざる名曲 第232回 Flashback (Spring Waltz OST )/ キム・ヒョンソク

キム・ヒョンソク(金亨錫、김형석、1966年9月27日 - )は、韓国の人気作曲家です。今回は 2006 年 KBSドラマ「Spring Waltz(春のワルツ)」のサウンドトラックの中から「Flashback(フラッシュバック)」をお聴き下さい。

キム・ヒョンソクは、漢陽大学作曲課に入学してクラシック音楽を専攻する予定でしたが、1987年大学先輩でもある歌手ユ・ジェハのアルバムを聞いて感銘を受けて大衆音楽作曲家に進路を変えることになりました。


※ユ・ジェハ
漢陽大学作曲課でクラシック音楽を専攻したが、当時大衆音楽を軽視していた一部クラシック音楽専攻者たちとは異なり、大衆音楽に多くの関心を持ってクラシック音楽と大衆音楽の調和を追求した。1987年にアルバム『愛しているから』を発表するも、その3ヶ月後に交通事故に遭い27歳の若さで死亡している。(Wikipediaより)

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キム・ヒョンソクは、数多くの歌手たちのアルバムやドラマ、映画、ミュージカル音楽を手がけ、1988年以来、約1200曲の楽曲を制作しました。韓国音楽著作権料1位を記録しています。

2017年9月、欧米諸国に倣い、文在寅大統領に象徴曲「ミスター・プレジデント(Mr.President)」を献呈。同曲は同年11月7日、ブッシュ米国大統領以来25年ぶりに国賓として訪韓したドナルド・トランプ米大統領の青瓦台公式歓迎式退場曲としてKBS交響楽団により演奏され話題になりました。(一部Wikipediaより)

■ Flashback (Spring Waltz OST )/ キム・ヒョンソク

 

2024年1月 1日 (月)

知られざる名曲 第231回 戴冠式行進曲 / マイアベーア 

日本のクラシック音楽界では、年末は「第九」、そして正月は「ウインナワルツ」が定番です。

~「第九」を聴いて、色々あった1年を振り返り ~
~ ウインナワルツで明るい新年を迎える ~

クラシックのファンだけでなく市民の多くが、「第九」と「ウインナワルツ」を楽しむという習慣は、素晴らしい国民性だと思いますが、やや個性に欠けるとか、ややマンネリ化しているという声も聞かれます。

2024年を迎え最初の「知られざる名曲」は、ユダヤ系ドイツ人作曲家 マイヤベーア(Giacomo Meyerbeer, 1791 - 1864)にスポットを当てることにしました。マイヤベーアは当シリーズ初登場です。

2023年は、イギリス国王チャールズ3世の戴冠式が、ロンドンで行われたことは記憶に新しい出来事でしたが、今回の知られざる名曲は、約170年前に作られたマイヤベーアの「戴冠式行進曲」です。輝かしい新年に相応しい選曲です。


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マイヤベーアは裕福な家庭に生まれ、高度な音楽教育を受けるも、作曲家としてのスタートは不遇でした。

しかし、イタリアオペラでは成功して名声を得ると、華やかな音楽界を求めてパリへ進出します。
そこでは次々と新作がヒットし、ついに国際的な名声を確立したのです。

ビゼーはマイアベーアを ベートーヴェンまたはモーツァルトと同列に置き「雷神のような劇的天才」と称賛しました。
この頃の人気は、あのヴェルディにも匹敵するほどだったと言われています。そう言えば、この曲は「アイーダ」行進曲と似ています。

しかし時が経つと、反ユダヤ主義思想に基づくワーグナーの批判もあり、マイヤベーアのオペラは退廃音楽のレッテルが貼られ弾圧されたのです。また資料によると、シューマンンも露骨にマイヤベーアを批判したとされます。音楽家の世界も醜い側面があったようです。

マイヤベーア は1864年に亡くなりましたが、やっと近年になって彼の業績が見直され、欧米各地でのオペラ公演が世界中から注目を集めています。

この「戴冠式行進曲」も、グランドオペラ「預言者」の第4幕の音楽で、18本ものサクソルン(サクソフォンの一種)が使われる華やかな音楽です。上演回数は200回を超え、第3幕で太陽が昇るシーンにおいて、オペラ史上初めて電力による照明が試みられました。(以上Wikipediaより一部参照)

■ 戴冠式行進曲(Coronation March)/ マイアベーア



演奏は、スロバキア・フィルハーモニー管弦楽団。

4分足らずの曲ですが、特に 0:42 からの旋律はとても美しく、気分が爽快になります。

2023年12月28日 (木)

有名クラシック曲 極上編 No.3 エリーゼのために / ベートーヴェン 

ピアノの名曲中の名曲「エリーゼのために」。

作曲は、あの ベートーヴェン先生、この曲を知らない人はいないでしょう。

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そして、ベートーヴェンの曲のタイトルになった女性とは誰なのでしょう?

謎めいた曲です。

ただ、このとろけるような極上の演奏を聴くと、その女性が相当魅力的だったと想像できます。


■ エリーゼのために / ベートーヴェン



この曲を一体何人のピアニストが演奏しているのか想像も出来ませんが・・・

その中で、きっと一番甘美な演奏が、この中華人民共和国出身のランランの演奏です。

2023年12月24日 (日)

知られざる名曲 第230回 高い庭園の鳥 / ディーリアス

インドの詩人、思想家 タゴール(Rabindranath Tagore, 1861 - 1941)。

インド国歌の作詞作曲者としても知られています。1913年にはアジア人初のノーベル文学賞を受賞しました。

そのタゴールが書いた「海の沈黙 地のざわめき 空の音楽」という有名な言葉(詩)があります。

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意味は、単純に解すると以下のようになります。

海の魚は、喋ることができないので沈黙しています。
地上の人間(獣)は、騒がしくざわめいています。
を飛ぶ鳥たちは、さえずり歌い音楽を奏でます。


クラシック音楽には、空を飛ぶ鳥たちを音楽にしたものが多くあります。
作曲家には、鳥たちのさえずりが音楽に聞こえたのでしょう。

鳥からインスピレーションを得て作られた音楽の中から、今回は当シリーズ初登場の、イギリスの作曲家 ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius CH, 1862 - 1934)を選びました。
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ディーリアスはクラシック音楽の表舞台では目立たない存在でしたが、その自然描写的な作風にはヒーリング音楽といえる安らぎがあります。

彼はフランスに移住して本格的に作曲家としてのキャリアをスタートさせたものの、晩年は盲目と全身麻痺に苦しみながらも弟子に口述筆記させることで作曲しつづけた作曲家です。美しい音楽ばかりですが、彼の晩年の苦悩はあまり知られていないようです。


■ 高い庭園の鳥 / ディーリアス
イギリスのチェロ奏者ジュリアン・ロイド・ウェバー(1951-)によるチェロ編曲版



当ブログ 海の沈黙 地のざわめき 空の音楽 ご参照下さい


2023年12月16日 (土)

知られざる名曲 第229回 メモリーズ・オブ・ミー / ジョルジュ・ドルリュー

フランスの作曲家 ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue 1925 - 1992)は、奨学金を得て1949年名門パリ音楽院を卒業すると、作曲家の登竜門として世界的に知られる「ローマ賞」を受賞(2位)してイタリアに留学しました。

1957年には、初のオペラ「Le chevalier de neige」を作曲。その後も 短編ドキュメンタリーなどを手掛けましたが、1959年、日仏合作映画二十四時間の情事で初めて映画音楽の作曲をして注目を集めました。

フランス国民からは、映画のナンバー・ワン・コンポーザーは、ミシェル・ルグランでもなく、フランシス・レイでもなく、ジョルジュ・ドルリューだと愛されました。そしてミシェル・ルグランは、彼を『最高の作曲家』と称賛したと言われています。

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普遍的な美しさに満ちた ジョルジュ・ドルリューの音楽を聴きながら、この1年を振り返りたいと思います。

いつしか心が浄化され、感謝でいっぱいになる自分を発見することでしょう。


■ メモリーズ・オブ・ミー / ジョルジュ・ドルリュー



ヴァイオリン演奏は、1976年生まれのフランスのヴァイオリニスト ルノー・カプソン(カピュソン)。

指揮は、作曲家としても活躍する英国の若手指揮者ダンカン・ウォード。
オーケストラは「レ・シエクル」管弦楽団です。

2023年12月 7日 (木)

知られざる名曲 第228回 「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲 / ヒメネス

今回はスペインの作曲家 ジェロニモ・ヒメネス(Gerónimo Giménez 、1854 - 1923)にスポットを当てます。

彼は17世紀にセビリアで生まれたスペインの伝統的な舞台芸術「サルスエラ」の作曲家として名声を博しました。

「サルスエラ」は、スペインの叙情的オペラ音楽といわれますが、オペラではなく大衆エンターティンメント音楽劇です。サルスエラ宮殿で上演されたことから「サルスエラ」と呼ばれています。

イタリアオペラと違う点は、スペインが舞台である点、悲劇ではなく喜劇である点、上演時間が短い点(1幕もの)、歌があまり技巧的でない点などです。それだけ大衆に親しまれてきました。

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■「ルイス・アロンソの結婚式」あらすじ

舞台は1840年、街で最も有名なダンス教師ルイス・アロンソ(50過ぎの気のいいおじさん)の結婚式が行われようとしていた。ルイス・アロンソは自分よりずっと若い女性と結婚することになっている。ただ、その女性には彼氏(元カレ)がいる。

何と結婚式当日に、元カレが牛を連れて式場に乱入! ちょっと脅かしてやるつもりだったのですが、客は一斉に避難し、式場は大騒ぎになります。

ルイス・アロンソは、花嫁を置いて逃げ出しますが、ケガをするやら、面目を失うやら、踏んだり蹴ったりとなります。

■ 「ルイス・アロンソの結婚式」間奏曲 / ヒメネス

演奏は、パブロ・エラス=カサド 指揮 / フランクフルト放送交響楽団 

 

■ ご参考

知られざる名曲「くちづけの伝説」間奏曲

2023年12月 3日 (日)

知られざる名曲 第227回 輝ける日々テーマ曲 / 羅 大佑(ルオ・ダーヨウ)

日本では無名の台湾の音楽家 羅 大佑(ルオ・ダーヨウ 1954 - )が作曲した、台湾映画「輝ける日々(闪亮的日子)」のテーマ音楽を合唱バージョンでお楽しみいただきます。

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羅大佑は、医師の家庭に生まれました。父親は彼が医師になることを望んでいましたが、彼は音楽も好きで、5 歳でピアノを習い始めました。

成長した彼は、学生時代に皮膚科を選択しました。父親から音楽をやることは許可されていましたが、医師としてのキャリアを諦めることはできなかったらしくその後、羅大佑は父親の希望により中国医科大学医学部に入学しました。

大学卒業後、台北の病院の放射線科に勤務しましたが、一方で 羅大佑は作曲や歌も勉強しました。しかし、医師も音楽家も高度な専門職であり、音楽をやりながら医師になることは不可能だと彼は考えるに至りました。
最終的に、彼は医師をやめて音楽家になることを決意したのでした。音楽への愛を捨てきれなかったのです。
それは、この曲を聴けば分かります。


■ 輝ける日々テーマ曲 / 羅 大佑(ルオ・ダーヨウ)



しっとりとした美しい作品です。
合唱ファンなら、歌ってみたくなる曲ではないでしょうか。

演奏は、海南リスニング合唱団、海南リンクストリングオーケストラ

2023年12月 1日 (金)

有名クラシック曲 極上編 No.2 ノクターン20番ハ短調遺作 / ショパン 

この曲は、もちろん原曲はピアノ曲ですが、今回はヴァイオリンでお聴き下さい。

韓国のヴァイオリニスト ハンス・ジン(Soojin Han 한수진 1986- )の、全身全霊を傾けた極上の演奏です。

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曲の説明は省き、ヴァイオリン演奏の ハンス・ジン氏について解説します。


韓国出身のハンス・ジンは、生まれながらにして左耳が聴こえませんでした。

実はこれは遺伝性の難聴で、彼女の母も祖父も難聴だったようです。

それでも、父親が英国で博士号取得を目指していたため、彼女は英国に移住しました。そして幼少時に母が演奏するバイオリンを聞いて音楽に目覚め、5歳でピアノを始め、7歳でバイオリンを習い始めました。

その後は、世界的なヴァイオリニスト ユーディ・メニューイン(Yehudi Menuhin)の音楽学校のオーディションに合格。英国最古のパーセル音楽学校に転校。わずか12歳でロンドンのウィグモアホールでコンサートを行い、15歳でヴィェニャフスキ国際コンクールに最年少参加して韓国人初の2位を受賞しました。

この頃、指揮者チョン・ミョンフンから"天からの才能"と絶賛されました(以後6回共演)。

成人して、オックスフォード大学で音楽学(musicology) を修了し、名門英国王立音楽大学(Royal College of Music)を経て、クローネバグアカデミー(ドイツ)トップパフォーマー課程を卒業しました。


■ ノクターン20番ハ短調遺作 / ショパン



ピアノは、韓国生まれの リー・シヒョン(Sihyun Lee 이시현 1991- )。

2023年11月28日 (火)

知られざる名曲 第226回 レクイエム / コズロフスキー

「3大レクイエム」とは、モーツァルト、フォーレ、ヴェルディのレクイエムを指します。
もし、4大レクイエムなら、ブラームスを加えたいところです。この4曲は演奏機会も多いと思います。

多くの著名な作曲家が「死者のためのミサ曲(レクイエム)」を作曲しましたが、今回は非常にマイナーな "ヨゼフ・コズロフスキー Józef Kozłowski 1757- 1831)" のレクイエムにスポットを当てます。彼は、ロシアで大きな名声を博したポーランド出身の作曲家です。 

コズロフスキーは、ポーランド国王スタニスワフ・アウグスト・ポニャトフスキ(1798年没)の死を悼んで この"レクイエム変ホ短調”を作曲し、1798年2月25日にサンクトペテルブルクで初演されました。そして、最後に演奏されたのは 1804 年と記録されています。

その後演奏されることもなく、1825年にはロシア皇帝アレクサンドル 1 世の葬儀のために改定(第2版)されましたが、最後に演奏されて200年間、眠ったまま放置されてきました。

そして、1988年にウラジーミル・イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団で約200年ぶりに演奏されました。ただこの時の版はオリジナルではありません。

しかし、モーツァルトのレクイエムに匹敵する古典期の名曲であることが判明して、完全なオリジナル版での再演が待たれることになりました。

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近年、このレクイエムの再演と出版を目指して大きな動きがあり、専門家などによる懸命な調査と詳細なスコアの編纂作業を経て、コズロフスキーのレクイエムは、オリジナルスコアに忠実な形で蘇ることに成功し、このほどシンガポール交響楽団(指揮 ハンス・グラフ)、シンガポール交響楽団青少年合唱団によってアジア初演という快挙を成し遂げたのです。

現在このオリジナル版で レクイエムの全曲を聴くことは出来ません。
シンガポール交響楽団のメンバーに入会して、月額いくらか会費を払えば聴くことが出来るようです。

■ レクイエム 変ホ短調より " ディエス・イレ” 抜粋 / ヨゼフ・コズロフスキー




■ ご参考 全曲 https://www.youtube.com/watch?v=Ik8ktuRwIRo
イェシポフ指揮 ソビエト国立文化省交響楽団(現ロシア国立交響楽団)/  国立モスクワ合唱団

この曲を聴いたら、あまりの完成度の高さに圧倒されると思います。


2023年11月23日 (木)

知られざる名曲 第225回 微風 / 佐藤聰明

今回は、人気のヴァイオリニスト ヒラリー・ハーンが演奏する「微風」を選びました。

作曲は、佐藤聰明(さとうそうめい 1947 - )です。

Wikipediaによると、彼は宮城県仙台市出身。作曲を独学で学ぶ。

作品はアメリカ、ヨーロッパ、環太平洋諸国で幅広く演奏されており、ことにアメリカでは個展が音楽祭等で十数回にわたって催されている。

多くの作品がCD、レコード化されており、1988年、CD作品集「LITANIA[1]」がニューヨークタイムズの年間ベスト・レコードに選ばれ、全米公共放送の第二位にランキングされた。1980年に文化庁芸術祭賞。


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ヒラリー・ハーンの今年(2023年)の日本ツアーで、この作品はアンコール曲でした。

もしかすると聴かれた方もあるかも知れませんが、清澄で美しい曲です。
当「知られざる名曲」シリーズでご紹介出来ることはとても光栄です。

■ 微風 / 佐藤聰明



演奏:ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)Hilary Hahn, コリー・スマイス(ピアノ)Cory Smythe, 





2023年11月20日 (月)

知られざる名曲 第224回 ニューホライゾン / グイド・ディーテレン

いつものようにYouTube動画を見ていて偶然見つけたこの動画。何か掘り出し物を発見したような感動を覚えています。

聞き慣れない グイド・ディーテレン (Guido Dieteren 1974- )は、オランダの作曲家、指揮者、ヴァイオリニスト、音楽監督、プロデューサー、そして彼のオーケストラであるグイドズ・オーケストラの創設者です。

何と、父親、祖父、曽祖父が指揮者という家系に生まれ、彼は幼少よりクラシック音楽の猛勉強を始めたといいます。

6歳のときヘーレン音楽学校でヴァイオリンのレッスンを受け始め、15 歳のとき、ジャンヌ ダルク大学に通い、マーストリヒトで中等教育と音楽院の複合コースを学び、 18歳でVWO(オランダの大学進学準備学校 )の卒業証書を取得して修了しました 。

その頃から国内外で数多くのマスタークラスにも参加しましたが、その後ソプラノ歌手のウェンディ・コッケルコーレンと結婚します。

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画像 デ・キューケンホフ公園 ACワークス(株)

 

指揮者、ヴァイオリニスト、ソリストとしてさまざまなオーケストラと共演してキャリアを重ね、ヨーロッパ、北アメリカをツアーしました。

そして、音楽会社BMG、ソニー、ユニバーサル、ストレングホルト、ザ エンターテイメント グループ、公共放送局トロス、オムロプ MAXなどのために CD やイベントをプロデュースしました。

華々しい活躍の中で作られた「ニューホライゾン(ホライゾンは地平線の意)」は、明るい希望に満ちた輝かしい音楽です。 

■ ニューホライゾン(New Horizon) / グイド・ディーテレン (Guido Dieteren)


オランダと言えばチューリップ。

この美しい庭園は、デ・キューケンホフ公園と呼ばれ、オランダのリッセに位置する世界最大の花の公園です。

マエストロ グイド & ヨーロピアン ポップ オーケストラの新しい自作曲「ニュー ホライズン」に相応しい映像です。

2023年11月17日 (金)

知られざる名曲 第223回 バチンの少年(Chiquilin de Bachin) / ピアソラ

皆さま良くご存じ、アルゼンチン生まれの作曲家 ピアソラ(Ástor Pantaleón Piazzolla , 1921 - 1992) 当シリーズ2度目の登場です。


タンゴのビートは2拍子が基本ですが、移民を受け入れてきたアルゼンチンには、ヨーロッパから3拍子のワルツのリズムも入ってきました。

したがって、3拍子(ワルツのリズム)のタンゴも存在します。

ワルツのリズムで有名なタンゴが、今回のピアソラ曲「バチンの少年(Chiquilin de Bachin)」ということになります。

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この作品は、ブエノスアイレスの芸術地区のレストラン「バチン」でバラを売って生計を立てるストリートチルドレンの物語を語っています。

バラの花を売る貧しい少年たちに ピアソラは、話かけたり 小遣いをやったりすることもあったようです。

詩人のオラシオ・フェレールは、そんな貧しくても懸命に生きる少年たちのために詩を書きました。その詩に、即興で曲を付けたのが ピアソラの「バチンの少年」です。今回はピアノ、ヴァイオリン、チェロのアレンジ版でお聴き下さい。 


■ バチンの少年(Chiquilin de Bachin) / ピアソラ



この愛情にあふれた音楽は何でしょう~ ピアソラを通じて天から贈られた珠玉の一曲です。

私たち大人が聴くべき一曲です。

守るべき子供たちが犠牲になっていく毎日。考えさせられる一曲です。

2023年11月12日 (日)

知られざる名曲 第222回 悲しみのワルツ / オスカル・ネドバル

チェコスロバキアの作曲家 オスカル・ネドバル(Oskar Nedbal, 1874 – 1930)の ノスタルジックな名曲「悲しみのワルツ(Valsetriste)」にスポットを当てました。

ネドバルは、ドヴォルザークに作曲を習った数少ない音楽家です。しかし作風はドヴォルザークの民族主義というよりも伝統的なウィーン楽派に近く、洗練されたドイツ古典音楽を思わせます。

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■ 人生の明暗

彼は チェコ四重奏団のヴィオラ奏者として国際的なプロの音楽キャリアを築いていました。また、トーンキュンストラー管弦楽団の指揮者としてウィーンで活躍しました。

さらに、数多くの優れた海外の劇場や交響楽団(チェコ・フィルハーモニー管弦楽団を含む)と共演し、すぐに世界的な名声を獲得しました。同時に室内楽(歌曲、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための作品)から舞台作品(バレエ、オペレッタ)まで多くの作品を遺しました。

1923年から、彼はスロバキア国立劇場の音楽監督となり、同劇場の芸術レベルを大幅に向上させました。


しかし、ネドバルは個人的な借金が膨れ上がり、 1930年12月24日 Xmasイヴに ザグレブのオペラハウスの窓から飛び降り命を絶ったのでした。

■ 悲しみのワルツ / オスカル・ネドバル



演奏は、ヴァーツラフ・ノイマン指揮 チェコ・フィルハーモニー管弦楽団




2023年11月 9日 (木)

知られざる名曲 第221回 Song From A Secret Garden / ロルフ・ラヴランド

この曲は、世界的に大人気の音楽ユニット「シークレット・ガーデン」のデビューアルバムにある作品です。

「Song From A Secret Garden」(訳すと、秘密の花園の歌)は、シークレット・ガーデンのひとり、ノルウェー出身の ロルフ・ラヴランドによって作曲されました。

彼はクリスティアンサン音楽学校で学び、後にオスロのノルウェー音楽院で博士号を取得しています。

作品は、新古典主義の音楽カテゴリーに分類されますが、非常にロマン的で旋律も美しく、どちらかと言うとクラシック的イージーリスニング(癒し系音楽)と言えると思います。

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ピアノ演奏は、牛牛/ニュウニュウ(NiuNiu)

1997年中国福建省厦門(アモイ)の音楽一家に生まれる。3歳で才能の片鱗を見せ始め、音楽教師の父より手ほどきを受ける。2003年8月、6歳になった直後にデビューコンサートを行い、モーツァルトのピアノ・ソナタやショパンのエチュードを演奏。8歳で上海音楽院に史上最年少で入学。その後ニューイングランド音楽院等を経て、2018年ジュリアード音楽院(米国)卒業。

 

フルート演奏は、Cocomi/ここみ

2001年東京都出身。日本のフルート奏者、モデル。本名は木村 心美(きむら ここみ)。両親は木村拓哉と工藤静香
2023年桐朋学園大学音楽学部カレッジ・ディプロマ・コース修了。その後ソリスト・ディプロマ・コースを専攻。

2022年12月26日、デビュー・リサイタル「de l’amour」を東京・紀尾井ホールにて開催。同年12月、第73回NHK紅白歌合戦で母、工藤静香と共演した。

■ Song From A Secret Garden / ロルフ・ラヴランド (Arr. Niu Niu for Flute and Piano)

尚、シークレット・ガーデンは、すでに当シリーズで2度紹介していますので、ご参考にリンクを載せておきます。

知られざる名曲 第76回 Sometimes When It Rains / Secret Garden

知られざる名曲 番外編26 10月の栄光の日に/シークレット・ガーデン

 

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