左上の ▶ 再生ボタンを押して下さい。バッハ、イタリア協奏曲が流れます。もう一度押せば止まります。

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

書の作品

  • Img_20170518_0001_new
    師匠である 安田朴童先生、馬淵仙園先生のお手本を見て書かせていただいています。少しですが自己流の書もあります。 まだまだ未熟ですが、精進して参りますので、ご支援の程お願い致します。

開設以来のバックナンバー

好きな言葉

  • 座右の銘

壺中日月長とは

  • ある町に住む薬売りの老人(実は仙人)は、店先にぶらさがっている壺に時々身を隠してしまいます。 壺の中は別天地。時は悠々と流れ、豊かで充実した人生がありました。 人は、心の持ち方で、このような境涯に達することが出来るのでしょうか。 定年後は、「何をしてもいい自由」と、「何もしなくてもいい自由」 を得たのですが、私も壺中日月長の心境で、悠々としながらも豊かで充実したセカンドライフを目指したいと思います。 このブログは、そんな日々の出来事や思いを書き留めたいと始めました。
フォト

特別記事 【ルーツを辿る旅】 ↓ (作成中)

無料ブログはココログ

カテゴリー「アクセス記念 ブログ記事」の12件の記事

2017年4月 6日 (木)

宗次氏に学ぶ 華麗なる加齢

当ブログ 「壺中日月長」 へのアクセス数が、おかげさまで開設以来30万回を超えました。

他愛もない日々の出来事や、自己満足に過ぎない趣味の世界を記事にしてまいりましたが、この3年半に当ブログを訪問されたすべての皆様に感謝申し上げます。

昨秋、高齢者の仲間入りをしたものの、まだまだ精神的にも未熟な自分を反省し、これからも精進を重ねる所存です。引き続き当ブログをお引き立て下さいますようお願いいたします。


さて、人は加齢と共に衰えていくものです。頭は次第にボケて、身体は言うことを聞いてくれなくなります
。 この世に生を受けた以上 「生老病死」 は避けて通れません。

先日、かつての仕事仲間との飲み会がありました。それぞれ思い思いに人生の晩年を過ごしていますが、共通していることは年齢を意識しないで 「前向きに生きている」 という姿です。

北海道でペンション経営を始めた人、日本中を車で(ワゴン車に寝泊まりしながら)旅行している人、自分の土地を耕して百姓(農家)になった人、経験を生かして地元で起業した人、などなど。

私も趣味の世界を広げながら、地元のボランティアに精を出し、人とのつながりを大切に日々を楽しんでいますが、自分が描く理想の晩年には程遠い状態です。

■ 宗次氏の華麗(カレー)なる加齢

そんな中、名古屋の 「宗次ホール」 が開館10周年を迎えたというニュースを耳にしました。

ご存知の通り、宗次ホールは、カレーチェーン 「CoCo壱番屋」 を創業した宗次徳二氏が、2007年3月に資材を投じてオープンさせた音楽専用ホールです。

400回を超えるコンサートを主催して、クラシックを中心とした音楽を地域に普及させると同時に、演奏家を育て支援して、広く文化に貢献しているホールです。

ホール入り口でいつも温かくお客を迎える宗次氏の笑顔が、私たちの心を和ませてくれます。ですから、この会場にはいつも温かい空気が流れていて、嫌なピリピリ感も、よそよそしさもありません。

良質な音楽は演奏者と聴衆の両者が共鳴して作られるものですから、会場の雰囲気は極めて大切です。

文化を創造し、文化を育成し、文化を普及させるという三拍子揃った文化の拠点。音楽文化を通して社会を明るくしたいという切なる願い。

まさに、この10年間、年齢を重ねてこられた宗次氏の思いが大きく結実したホールと言えるでしょう。

このような年の取り方を、「華麗なる加齢」 と表現しても良いのではないでしょうか。ただ、宗次氏の場合は 「カレーなる加齢」 と言った方が語呂が良いようです。

■ 華麗なる加齢を目指して

宗次氏には遠く及びませんが、私たちも人生の黄昏時に向けて、光を放つ存在でありたいと思います。自己の思いを実現する 「華麗なる加齢」 を目指したいものです。

Seaocean_00046

この度の30万回アクセスを機に、この数年間を反省し、理想の晩年の在り方を模索し、その実践に向けて邁進したいと考えております。

そのためには、氾濫する情報の中で本物を見極める力を養うことが極めて重要だと思います。 スタートラインに立つ上で、情報の取捨選択と、心の断捨離が大きな課題だと考えます

新年度に当たり、この1年を 「華麗なる加齢」 のスタートの年として精進いたします。ご支援、お力添えをお願いいたします。

 

2015年8月22日 (土)

安保法案と安倍再選の行方(PV10万回記念)

参議院で審議が再開された安保法制。

もし、会期内に参院で議決されなければ、60日ルールによって、今国会で「可決成立」することは言うまでもありません。

しかし、禁じ手の60日ルールを使って採決(衆院再可決)に踏み切れば、世論は黙っていないでしょう。たちまち、内閣支持率は大幅低下し、安倍首相の退陣が現実のものとなります。

安倍首相サイドとしては、支持率低下は何としても阻止しなければなりません。

そこで、譲歩できるものは譲歩して、ひとまず点数稼ぎをすることにしました。それが、「新国立競技場の白紙撤回」 と、「70年談話」、「辺野古話し合い」 です。 この三つで、現状の支持率は何とかキープ出来ました。

10511169_508786322554465_4961185935

安倍首相 懸命の譲歩 

その1 新国立競技場の白紙撤回

利権の象徴だった競技場を白紙に戻して、「国民の声」に耳を傾けることにしました。総理の主導力に一定の評価はありましたが、五輪は大きくつまずき、税金60億円が無駄になりました。そして、文科省やJSCの信頼は失墜しました。


その2 戦後70年談話

4つのキーワードを全て入れ、対外的にも国内的にもギリギリ合格点の談話を発表しました。主語がないと批判する人がいますが、よく読むとキチンと書かれています。首相が支持率低下を気にして、自説を曲げたことは明白ですが、談話自体は評価しても良いのではないでしょうか。 

事変、侵略、戦争。いかなる武力の威嚇や行使も、国際紛争を解決する手段としては、もう二度と用いてはならない。植民地支配から永遠に訣別(けつべつ)し、すべての民族の自決の権利が尊重される世界にしなければならない。先の大戦への深い悔悟の念と共に、我が国は、そう誓いました。(談話の一部)


その3 辺野古移設工事の一時中断

打開策がないまま対立が深まっている 沖縄県と政府(国)。これまで強硬な姿勢が目立った政府が、ここへ来て、話し合いのテーブルに付くと言ってきました。そのため辺野古工事も一時中断すると言うのです。 これ以上現地の世論を刺激しないで、支持率維持を図った方が得策と考えたのでしょうか。しかし一時的なポーズに過ぎないと思います。


※このように あの手この手で支持率低下を防ごうとしましたが、相次ぐ総理周辺からの失言問題が後を絶ちません。↓


ここから、安倍政権マイナス要因について


安倍首相の足を引っ張る身内の失言

その1 マスコミを懲らしめろ!

自民党の大西議員が、広告料をなくして 「マスコミを懲らしめる」 そのために経団連に働きかけるなどと発言。言論弾圧,取られかねない問題発言に、党内から批判も出る始末です。当然です。


その2 法的安定性は関係ない!

Hqdefault

磯崎首相補佐官が、安保法案と憲法との整合性をめぐって発言しましたが、つい本音が出たのではと野党から猛反発。 「法的安定性は関係ない」 は今年の 「流行語大賞」 に選ばれるのではないでしょうか。


その3 「だって戦争に行きたくないじゃん」 は利己的 発言

自民党の若手 武藤議員が、ツイッターで、法案反対の学生グループ 「SEALDs」 に対し、 「利己的個人主義」 に基づいた主張だと批判。 その後、未公開株問題で自民党を離党しましたが、身内の公明党は 「離党だけ」 で済むものではないと苦言を呈しました。

「だって戦争に行きたくないじゃん」 も、今年の「流行語大賞」に選ばれるでしょう。

「ナチスに学べ」発言の麻生副総裁は、武藤議員に「自分の気持ちを発言するのは、法案が通ってからで十分間に合う」 と注意していますが、見当違いも甚だしいと思います。

また、自民党の三原じゅん子議員が、日本の侵略戦争のスローガンだった 「八紘一宇」 と言う言葉を使ったことも問題視されましたが、最近この手の失言・問題発言が多過ぎると思います。だから、賢い議員は沈黙を守っているのかも知れません。

ただ、政権与党の発言であっても、自由な言論は保証されるべきなので、過度のアレルギー反応にならないよう注意も必要です。



さらに、安倍政権の足を引っ張る疑惑のエンブレム騒動

0724tokyo2020_sano_666

■ 疑惑の五輪エンブレム

東京五輪のイメージを地に落としたエンブレムの盗作疑惑。 次々と発覚する 「別の盗作」 と、「新たな疑惑」 。 海外からも批判の声が・・もうこれは 「日本の恥」 としか言いようがありません。

部下に責任を転嫁するなど、佐野氏の呆れた釈明がネットなどでバッシングされている一方で、親戚が日本スポーツ振興センター (JSC) に勤務、兄弟が官僚という佐野氏、コネクションも疑われているようです。救いようがありませんね。

もう 「辞退」 してもらう以外に道は無いでしょう。 そうしないと、国民はこのエンブレムを見るたびに嫌な気分になってしまいます。

ただ、この件で東京五輪には再度ケチが付くことになり、安倍政権の支持率低下は免れないことになりそうです。

※このブログ記事で、エンブレムのロイヤリティ200億円程度が、佐野氏側に入るとの見解を述べましたが、エンブレムの著作権は組織委員会にあり、ライセンス料は同委員会に帰属します。 謹んで訂正し、お詫び申し上げます。(当該部分は削除致しました)

◆その後、エンブレムは白紙撤回されました。

■ アベノミクスの限界

大規模な金融緩和策で誘導した円安、公的資金を投入してつり上げた株価、公共事業のバラまきによる雇用対策。

しかし、賃金は物価上昇に及ばず生活は楽になりません。輸入原材料のアップで苦しい経営を強いられる中小企業。格差は広がるばかりです。

第3の矢 「成長戦略」 が見えないまま、あと1年半後(2017/4月)には、消費増税(10%)が決まっています。消費が落ち込むことは避けられない情勢です。

残念ながら、アベノミクスは政府が言うように成功しているのか疑わしい状況になってきました。 この後に国民を待ち受けるのは、インフレと増税、格差社会、そして軍事立国を目指す日本、だとしたら・・・


■ 原発再稼働

世論の反対を無視して再稼働した「川内原発」。早速トラブル発生でニュースになっていますが、重大事故の責任の所在が不明なまま、今後次々と予定されている再稼働。 福島の事故が全く収束していない段階で再稼働を急ぐ必要があるとは思えません。

国民世論と乖離した政策は、政権運営にマイナスに働くことは言うまでもありません。


■ 公明党の造反(=起死回生のチャンス)

支持母体の創価学会は、創設者の牧口氏が、戦時中に治安維持法などの罪で不当に逮捕され、獄中死した経緯から、絶対平和主義の宗教団体として今日に至っています。

自民党に加担して、安保法案を通すようなことになれば、その平和主義が揺らいでしまいます。

本音を言うと、今回ばかりは安保法案に賛成できませんが、公明党は相変わらず自民党にすり寄っています。 ついに公明党と創価学会の 「立ち位置」 が違ってきました。

公明党は、自民党にすり寄ることで政権に参加してきましたが、その引き換えに主体性を失ってしまいました。 もし、公明党が野党だったら、安保法案に賛成したでしょうか。自民党と一体化して平和主義を放棄した公明党は、あとで大きな代償を払わねばなりません。

20近くある閣僚のポストで、公明党に割り当てられているのは、たった一つです。公明党の貢献に比してあまりにも少なく、ほとんどは自民党が独占しています。公明党は自民党に足元を見られているのではないでしょうか。利用されているだけの存在です。

Photo_2

憲法違反の疑いが濃厚の 「安保法案」 に対し、反対に転じることは容易なことです。支持母体との関係を最優先すべきですから当然の帰結と言えるでしょう。公明党支持者(創価学会員)は理解を示すと思います。

支持率低下でやがて危険水域に入ることが必至の 「安倍自民党丸」 と運命を共にするのが得策とは思えません。 結党の精神に帰って、自民党との腐れ縁を断ち切る勇気も必要です。

公明党の政権からの離反は、実は 「起死回生」 の大チャンスです。 今こそ公明党という公党の存在意義を示す時です。安保法案に反対する半数以上の国民を味方に付ける最後のチャンスです。

 

安倍政権プラス要因について

■ 非力な野党

そもそも今日の一強多弱の政治体制は、民主党政権が国民の期待を裏切ったことから始まりました。特に、シロアリ退治をすると言っていた野田首相(当時)が、増税を断行したことで、一気に不信感は高まり、結果として自民党が政権に返り咲いた訳です。自民党が勝ったのではなく、民主党がボロ負けしたのです。責任は主権者たる国民にもありますが、野党は離合集散を繰り返すばかりで有権者の信頼を失ったままです。

今回の安保法制も、もし、60日ルールを発動するようなことになったら、参院の野党議員は全員が辞職するくらいの意気込みを示してほしいと思います。二院制が無視されたのですから、職を賭して抵抗するのが筋というものです。その覚悟なくして法案阻止は難しいでしょう。でも正直言って期待はしていません。

国民の反対の声をバックにすれば、法案は廃案に追い込めるなどと甘いことを言っていたら、永久に政権を奪還することは出来ません。 残念ながら、今の野党にそんな気概は感じられません。

■ 株価の急騰

2万円を切ってしまった日経平均株価ですが、大幅に上昇するようなことがあれば、やはり消費に好影響が出るでしょう。結果として経済は好転しますからアベノミクスの評価は上がります。世界的な金余り状態は続いている訳ですから、要は日本に資金が流れる条件整備が必要だと思います。


■ 拉致問題、急転直下の解決

難航する拉致問題が、もし解決する方向に向かえば、安倍内閣の支持率は上がるでしょう。 もしも、水面下での交渉が続いていて、かつての小泉さんのように、安倍首相が直接乗り込んで拉致被害者を連れて帰ることが出来たら、安倍長期政権が実現することは間違いありません。


■ 紛争、テロ事件の勃発

絶対あってはならないことですが、万一、重大な紛争またはテロが発生し、邦人が巻き込まれるような事態が起きれば、安保法制の反対派は減るでしょう。 9・11を思い出して下さい。あの事件は米国の防衛費増額に正当性を与えることになりました。世論は誘導されやすいものです。



以上、安保法案の行方と、安倍政権の今後について多岐にわたり考察してきましたが、9月末の任期満了に伴う自民党総裁選は、どうやら安倍首相の無投票再選の可能性が濃厚の情勢です。


すなわち、現実には 「安保法案」 は可決成立し、安倍さんは自民党総裁(首相)に再選されるということです。


プラス要因、マイナス要因の作用によって、結果は流動的ですが、戦後70年の本年、日本の進路に暗雲が立ち込めていることは憂慮される事態です。

 

2015年3月16日 (月)

クラシック音楽衰退の原因と対策(4万回 PV記念)



 原因その1 現代音楽の失敗 失われた10
0年

調性の制約を排し、中心音を持たない「無調音楽」を草案し「12音技法」に進化させた 現代音楽の旗手 シェーンベルクこそが、クラシック音楽を衰退させた張本人ではないかと考えます。弟子のウェーベルンもベルクも、影響を受けたジョンケージも同罪でしょう。また現代音楽を芸術と称した評論家や知識人も結果として同罪と言えます。

当初「無調音楽」は20世紀の前衛音楽として認められ「これこそが芸術」などと、もてはやされました。現代音楽の登場で、それまで脈々と受け継がれてきた伝統的なクラシック音楽は絶滅の危機に瀕しました。

しかし、メロディもハーモニーもリズムも否定され、騒音化した現代音楽は、聴衆から次第に見放されるようになりました。そして時が経つと、現代音楽が演奏会で取り上げられることはほとんど無くなりました。

Arnoldschoenberg1111

日の演奏会は、モーツァルトやベートーヴェンからロマン派に至る100年から200年、それ以前の音楽を繰り返し演奏しているだけになりました。

もはや音楽を聴くと言うより、演奏の違いを聴くのがクラシックコンサートの聴き方になってしまったのです。それもこれも現代音楽に魅力的な曲が無いからです。まさに現代音楽作曲家の技法の間違いであり、その後の怠慢であり、その責任は重大と言わねばなりません。


言ってみれば、今日のクラシックコンサートは、懐メロばかりで成り立っているのです
現代音楽の失敗が、今日のクラシック音楽衰退の最大の原因だと断言して良いと思います。

 

 対策

1.現代音楽は21世紀初頭までで終息させ、その後からは「親ロマン派」(一例)として新しい調性音楽のジャンルを創設する。

2.新たに5分程度の短時間に収まるクラシック作品の形態を普及させる。

3.国内外の作曲コンクールは、すべて「調性音楽」で作曲するよう改正する。


現代音楽の方向性が無調などの前衛音楽に走ったのは、余りにも過去の作品が偉大で、モーツァルトやベートーヴェンを超えられないからだとする意見がありますが、そうではありません。別に超える必要もありませんし、これからも立派な作品は数多く生まれるはずです。

実際に、20世紀に作られた作品の中にも19世紀の伝統を受け継いだものは名曲として演奏されています。(シベリウス、ホルスト、エルガーなど)これらを「親ロマン派」と呼んでも良いと思います。

また、5分で完結するクラシック曲は、例えばNHK大河ドラマのテーマ曲などに見られますが、忙しい現代人のクラシック入門には最適です。さらに、そうした小品を並べたコンサートがあっても良いでしょう。

5分間クラシックの普及は、21世紀のクラシック音楽普及の切り札になると思います。そして、権威のある作曲コンクールは、「調性音楽」で作るよう参加要項を改訂します。

♪参考曲 ペトリス・ヴァスクス(1946~ ) 天にましますわれらの父よ 

https://www.youtube.com/watch?v=lsJ3lFo6v40 戦後生まれの作曲家でも、こんなに美しい音楽を書くのです。



 原因その2 社会構造の変化

長引く不況の中で、各自治体は財政難から文化予算を削減してきました。福祉や教育、医療に比べれば、文化は後回しになっても仕方がないと言う訳です。また、多くの民間企業では収益が悪化し、文化事業に寄付をする余裕がなくなりました。

世間では格差社会が進行中です。ニートや非正規雇用者が減少しない中、高齢化が急速に進み、年金収入だけで生活する高齢者も増加しています。ですから、一部の富裕層を除き、行政も若者も年寄りもお金に余裕がないのが現実と言えるのです。

そのような社会環境下で、音楽事業者の経営も厳しいものがありますが、お客から見ても高額な入場料は大きな負担となっています。

特に若い世代は、生活も趣味も多様化する中で、ネットやスマホなどの費用負担が大きいうえに、音楽配信の利用者も増え、生演奏のクラシックコンサートに高いチケット代を払う必然性は薄れています。

Photo

また、世界のグローバル化に伴い24時間、秒単位で目まぐるしく変化する現代社会では、落ち着いてクラシック音楽を聴く「心のゆとり」がなくなっているのも事実です。

これらの急激な社会構造の変化が、クラシック衰退の第二の原因ではないでしょうか。


 対策

1.国の文化予算を増やす。文化の振興に年間350億円は少ない。

2.クラシック普及専門の国立のオーケストラを作り、全国に良質な音楽を提供する

3.すでに手遅れだが、若者のクラシック離れの対策を講じる。

4.シルバー層に対応したコンサートの在り方を検討し実行する。


日本の文化予算は総予算96兆円の
0.11
%で、諸外国と比べても文化国家とは言えません。一般家庭なら30万円の給料をもらっても、330円しか文化にお金を使わないということです。

国の援助が期待できないのなら、音楽界の自助努力も必要ですが、(二重取りしている)政党助成金に320億円もの大金を使うなら、その分を回していただきたいと思います

また、オスプレイ1機分の120億円で、念願だった国立のオーケストラ(ちなみにNHK交響楽団の年間予算は31億円)を創設して、クラシック普及のため地方を中心に安価で良質なコンサートを提供できる体制を作ります。(準国立のN響はいままで通り東京中心で活動すれば良いでしょう。)

若者のクラシック離れは完全に手遅れですが、今後、学校教育のカリキュラムを改善する(後述)などの有効な対策を講じれば歯止めが掛かるでしょう。

最近、広がりつつある「プロジェクションマッピング」と、コンサートとの融合は、今後の展開次第では、広範な世代にクラシックを普及させるのに一役買うことが期待できます。

また、高齢化しているクラシックファンに対し最大限配慮することで、シルバー 層の取り込みを図ります。シルバー社会のコンサート(ホール)の在り方

San_francisco_symphony3
コンサートホールでのプロジェクションマッピング



 原因その3 テレビに占拠された思考 ブームに左右される人々

クラシック音楽は、一部の病的なマニアを除けば、若い頃からずっと聴いてきた高齢者のファンと、テレビなどのメディアに影響を受けた一時的な音楽ファンで成り立っています。もちろん、吹奏楽や学生オケでクラシック曲に親しんできた人、楽器や声楽を習っている人もコンサートに出掛けますが、ごく少数だと思います。

最近のクラシックコンサートを見て感じるのは、テレビの影響力が絶大であると言うことです。

「現代のベートーヴェン」佐村河内氏の作ったとされた交響曲は、テレビのドキュメンタリー番組がきっかけでCD18万枚、全国コンサートツアーという大ブームを作りました。 また、盲目のピアニスト 辻井伸行氏についても、彼が11歳の時からテレビ朝日が取材を続けていました。フジコ・ヘミング氏も、NHKの番組がきっかけで大きな反響を呼び、その後、CD「奇跡のカンパネラ」は30万枚のセールスを記録しました。記憶に新しい「のだめカンタービレ」もテレビドラマがブームに火を付けたのです。

500x_image

考えてみれば、私たちはテレビ出現以来、テレビの中のスターを追い掛け、テレビの話題に夢中になり、テレビ絶対主義ともいうべき「テレビ信仰」に陥っているような気がします。

テレビの情報に洗脳され、テレビに思考が占拠されたことで、話題性を追い掛けるだけの一時的なクラシックファンが大量に作られました。もちろん、そのこと自体は悪いことではありません。問題なのは、そのブームの陰に隠れてしまう音楽家もいるという事実です。

実力があっても話題性に乏しい音楽家に、スポットライトが当たることはありません。テレビがスターを誕生させた裏側で埋もれていく音楽家も多いのではないでしょうか。

一方、話題性が優先するだけの音楽界(ファン)の基盤は常に不安定で、ブームに左右されるクラシックの将来も不安定です。聴く耳を持ったファンが少ないことは、クラシックの将来を危ういものにしているのです。

クラシック衰退の第三の原因は、ブームを演出したテレビ局と、ブームに左右されたファンの存在です。

 

 対策

1.テレビ絶対主義からの脱却。

2.一流の演奏家のコンサートを多く聴く。


今日のテレビ社会に於いて、テレビの影響から逃れることは困難です。出来るだけテレビを見ないようにするか、テレビの情報を鵜呑みにしないで疑ってかかることです。新聞やネットからも情報を集め、多面的に判断して下さい。

そして、お金と労力を惜しまず、一流のクラシックコンサートに足を運んで下さい。いつか自分なりに「本物」と「そうで無い物」の区別がつくようになると思います。耳の肥えた聴衆が増えることで、演奏家も成長できるのです。実は、クラシックを衰退させないカギは私たち聴く側が握っているのです。




 原因その4 文科省の過ち 中学に於ける鑑賞時間の減少

最も多感な中学生に取って、クラシック音楽の鑑賞時間ほど大切なものはありません。現在の年配のクラシックファンは、中学時代の鑑賞時間にレコードを聴いて、クラシックに興味を持った人が多くいます。

ところが、文科省は学習指導要領の改正によって、音楽の授業時数を大幅に縮小させました。もちろん、週5日制の導入や、外国語の強化などが背景にありましたが、年間70時数(1時数=45分)あった音楽の時間を35時数(例 中2)に半減させたのです。教育現場では、ただでさえ少ない授業時数の中で、慣れない和楽器の指導や、校内合唱コンクールの練習に時間が取られ、鑑賞時間がほとんど取れないのが現状のようです。

201112311

学校教育の中で、クラシック音楽を鑑賞する時間が取れなければ、家庭にその環境を求めるべきとの声もありますが、そもそも家庭でクラシックを聴く環境が無いから学校で鑑賞してきたのです。今さら家庭に依存するには無理があります。 

結果として、今の中学生は学校でも家庭でもクラシック音楽を聴く機会が極端に少ないのです。これは情操面から見ても本当に不幸なことと言わねばなりません。

感受性豊かな中学生時代に、クラシック音楽に触れる機会をほとんど無くしてしまった教育制度がクラシック衰退の一因であることは明らかです。


 対策


1.文科省の新学習指導要領を改定して、中学音楽の鑑賞時間を増やす(年間70時数に戻す)。

2.各中学校にサークル活動として、ジュニアオーケストラを結成する。

3.PTAなどが助成して、一流のクラシック演奏を聴く機会を作る。


若者のクラシック離れの主原因は、中学の鑑賞時間の大幅削減だと思われます。若い世代がクラシックを聴かなければ、早晩クラシックコンサートは成り立たなくなります。もう時間がありません。音響設備の良い環境で
CDを聴かせてあげて下さい。DVDなどの映像も効果的です。その際、間違っても感想文などは強制しないで下さい。そして、音楽室に楽聖の古い肖像画を掛けるのは止めて下さい。

日本古来の伝統音楽も大事ですが、先ず今は西洋音楽に焦点を当てて下さい。また、合唱や吹奏楽も良いですが、出来れば希望者を募り、オーケストラを結成して下さい。ジュニアオケは青少年の情操に最適です。保護者も含めてクラシック音楽への興味付けになるでしょう。

さらに、すでに実施されていますが、PTAが中心となり、生の演奏を聴く機会を設けて下さい。その際は一流が条件です。子供たちは一流の音楽にしか反応しません。下手な演奏はかえってクラシック嫌いを招き逆効果です。




 原因その5 漂流する音楽家の卵 音大の功罪

日本では、戦後の高度成長期に、電気オルガンやピアノが飛ぶように売れ、音楽教室に通う子供が急増しました。親は、自分が叶わなかった夢を子供に託し、ピアノやヴァイオリンを習わせました。

音大や音楽科の設立が相次ぎ、優秀な生徒を数多く輩出するに至りました。世界に通用する日本人音楽家も生まれました。このことは、日本の音楽教育の水準の高さを証明しており、音大の功績は大なるものがありました。医大を出てやがて医者になるように、音大を出て音楽教師や音楽家になるのは当たり前の時代でした。

しかし、出生率の低下で子供の数が減ると同時に、習い事は多様化し、子供の個性が重視される世の中になると、音楽を習う生徒は減り続け、音大の経営を脅かすようになりました。

また、音大を卒業しても音楽家はおろか、講師にもなれないほど音楽の世界は縮小してしまいました。もう社会に音楽の受け皿がないのです。

音大を卒業して、ユニクロに就職したなどと言う例がある一方で、音楽の道を捨て切れない卒業生が年々増え続けています。その多くは自宅で教えたり出張レッスンをしたり、結婚式場でバイトをしたりと細々と生計を立てているのです。

音楽だけでは食べていけないのでプロとは言えず、かと言って専門教育を受けているのでアマチュアとも違います。世にいうセミプロというカテゴリーになりますが、このような音楽家の卵を大量に生み出してしまった音大はどう責任を感じているのでしょう。

Chart_jiseki

ある有名音大の卒業生の進路(2013年) まだ3割が音楽関係に就職している

音大の行き詰まりが、音楽への夢を遠ざけ、クラシック音楽を勉強する意欲を無くした一面は否定できません。クラシック音楽衰退の第五番目の原因は、漂流する卒業生を大量に生み出した音大にありそうです。


 対策


1.音大は音楽家を養成する以上は就職に責任を持ち、音楽市場の拡大に努める。

2.学生には、音楽と同時に社会性が身に着くよう教育する。また卒業生の追跡調査を実施する。

3.音楽市場拡大のため、出版社、レコードメーカー、ホール事業者、音楽事務所などと協力体制を構築する

日本の少子化が、音大の経営を圧迫した最大の原因です。出生数は、もう40年以上も減少し続けているのに、音大は有効な対策を講じてきませんでした。

一部の国公立の音大を除き、多くの音大では生徒の獲得に必死になるばかりで、入口(入学生)の対策には懸命でしたが、出口(卒業生)の対策を怠ってきました。自立出来ずに「漂流する卒業生」は年々増加しています。

今、音大に求められているのは、卒業生の受け皿となる「音楽市場の拡大」です具体的には、地域と連携した音楽イベント、成人や高齢者向けのコンサート企画、
TV局とタイアップしたオーディション番組の制作、新しい音楽ジャンルの研究、音大直営の音楽制作会社の設立、音楽ソフトの開発、音楽検定の再構築、音楽療法の研究、音大施設の開放・貸出し、など思いつくだけでも多数あります。もちろん、すでに実施されているものも多々あり「言われなくても分かっている。」とお叱りを受けそうですが、それでも,もし一考に値するものがありましたらご検討下さい。





◎あとがき

今日のクラシック音楽界が抱えている問題、とりわけ「クラシック音楽の衰退」について、以前から漠然と考えていた私見をこの機会にまとめてみました。

読み返してみると、かなり独善的で偏った部分もあり、実現不可能な提案も多く含まれますが、その点は個人的見解に過ぎませんので、何卒ご容赦いただきたいと思います。

ただ、聴衆が高齢化している現実を目の当たりにすると、あと数十年で、クラシックのコンサートは成り立たなくなるのではないかと不安になります。特に地方では深刻な問題です。

実は、世界有数のクラシック音楽市場である東京でさえ、クラシック人口を減らさないよう、行政や企業、音楽団体などが、さまざまな取り組みを行っています。(そのことは改めて触れさせていただきます。)

手遅れにならないよう、音楽関係者の英知を結集して、その対策を講じていかなくてはなりません。その意味で、当ブログの問題提起と対策が、少しでもご参考になれば幸いです。

 

ご参考 音楽産業の多様化と行方

2015年3月13日 (金)

まもなくアップ アクセス4万回記念記事

気が付いて見れば、カウンターが40000回を回っていました。ブログ開設以来、およそ1年半ですが、多くの方に読んでいただき感激です。

音楽、絵画、書、本、俳句、詩歌、映画、健康、男の料理、政治、平和、精神世界そして、佐村河内事件など、私的な観点から気ままに書いた当ブログですが、これからもお引き立てお願いいたします。


アップが少し遅くなりましたが、まもなく 「クラシック音楽衰退の原因と対策」 と題した記事を公開させていただきます。


Dogsandspring22


69e64eea857ea7a199c185f970bcfe00

手を伸ばせば、春があります。

2014年10月24日 (金)

10年後(2025年)を空想する (3万回PV記念)

誰もが驚いた3Dプリンター。実用化へ大きく前進したIPS細胞。突然ベールを脱いだ次世代の量子コンピューター。 そして、起こるはずの無かった原発事故。はたまた全国を席巻する「ゆるきゃら」ブーム。

1年先すら予想出来ない今日、まして素人に10年先など予想出来るものではない。もしかしたら、タイムマシンや、テレポーテーションが実現しているかも知れない。また、宇宙人とのコンタクトが始まっているかも知れない。

そこで、10年後の日本を予想ではなく、空想してみることで、少し頭の体操をすることにした。日頃の考えを思ったまま記事にしたので、自分が読んでも荒唐無稽な箇所もある。あくまでも空想なのでご容赦いただき、しばしお付き合い下されば幸いです。

 
■ 空想の10年後 キーワードはロボット

ソフトバンクが来年2月に発売するパーソナルロボット「Pepper」。198000円という価格設定は、2015年がロボット普及元年になることを意味している。


7d0c6384

先ず、私たちの身近な生活はどう変わるのか。


【家庭】遂に登場、クッキングロボット

戦後、家事労働を軽くした最大の発明は、電気洗濯機ではないだろうか。他にも冷蔵庫、炊飯器や瞬間湯沸かし器、掃除機、電子レンジ、食器洗い機など、多くの製品が開発され家事の負担は激減した。この時点で、便利にするための機械はすでに出尽くしてしまった感があるが、2025年、遂に究極の家事ロボット「クッキングロボット」が登場する。

朝、野菜、肉などの材料をセットすれば、帰宅時間に合わせて料理が完成している。留守中は防犯ロボットとして家を守り、ペットのえさやりや、宅配便の受け取りもこなす。帰宅すると「お帰りなさい~」と明るく出迎える。ただ、このロボット君、掃除は苦手なので、進化した次世代の「おそうじロボ ルンバXⅡ」に任せる。ルンバは業務用にも進出し、ビル掃除に活躍するだろう。

Panasonicdishwashingbotパナソニック クッキングロボット

家事から完全に解放された主婦は、社会進出して経済発展に一役買うが、自立したことで離婚率はさらに上昇する多様な人型ロボットが開発され、家庭にはロボット亭主、ロボット妻も登場して、生涯結婚しない若者が増える。

団欒の中心のTVは、100インチのフィルム式壁掛け型が主流になるだろう。自宅で映画を楽しむ人が増え、映画館は衰退するが、バーチャル、体感、マルチスクリーンなどミニテーマパーク化した一部の映画館は生き残るだろう。

高効率の液晶パネルや、窓に貼る液晶フィルムの開発で、省スペース型の太陽光発電が可能になる。駐車場の屋根程度の面積で、家庭の電気を作ることが出来るので、多くの家庭で電気代がゼロになるだろう。

また、健康志向の高まりと食品の高騰から、家庭用のカプセル式野菜生産機「植物工房」(仮称)が爆発的に売れる。その他にも、水を使わない洗濯機(したがって乾燥しなくてよい)が遂に完成して、節水にも一役買うことに。

2010012911031304_13 現在の野菜栽培機

以上、10年後、家庭に起きる変化は想像を超えたものになると思う。

 
【車】ガソリン車は姿を消す

ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車(FCV)、ソーラー自動車が主流になり、とうとうガソリン車は姿を消すだろう。特に究極のクリーンエンジンといわれる燃料電池車は、政府主導で水素ステーションなどのインフラ整備が進み、一気にシェアを拡大する。

R

オートマチックドライブ(自動運転)が一部の高速道路で試験走行される。その結果、先行して高速道路で自動運転システムが実現するだろう。

トラックなど大型車は、装備が義務付けられた「自動ブレーキ装置」のお蔭で追突事故が激減する。

また、ワゴンタイプのマイカーには、防災対応の装備がオプションで可能になる。キャンピングカーほどの設備はないが、簡易トイレやベッド、電子レンジを備えたワゴン車が万一の大災害に個人用仮設住宅として威力を発揮することになる。

災害時に排気口が自動で閉まるなど、水に強い防水仕様の車が広く販売され、押し流されても一定時間沈まないことで、多くの人命が救われることに。


【経済】コーヒーは一杯1500円、空気を売る新ビジネスが誕生

一強多弱の政治体制の中で、現在のアベノミクスは強引な手法で、デフレ脱却に成功する。経済は上向くだろう。

しかし、インフレは進行し、非正規労働者や年金生活者の生活は困窮し、格差は広がる。人口減と高齢化で労働人口は不足するが、産業用ロボットが大幅に投入され、労働力をカバーすることになる。結果的には生産性は向上し、工業立国が復活する。

ディスカバリー日本Ⅱのキャッチフレーズのもと、海外からの旅行客は年間3000万人に達する。お台場の国際カジノも大繁盛、多くの観光客誘致に成功する。この頃、1000円硬貨が発行される。

一方、生活困窮者は都会を脱出し、田舎で自給自足の生活を送るようになるだろう。物価の安い海外への移住も合わせると、人口の1割近い1000万人が都会を離れるか、日本を捨てて生活するようになる。しかし、このような人口の移動は経済に好循環をもたらす一面もある。

サラリーマンは、成果主義による年俸制が浸透し、過酷な労働を強いられる。勝ち組、負け組がハッキリして、社会は二分される。労働賃金の格差はそのまま格差社会につながる。ストレスも蔓延するだろう。

経済に大いに関係のある100円ショップはインフレの影響で成り立たなくなる。店内の価格構成は、100円商品は1割程度、平均では300円程度となり、もはや100円ショップとは言えなくなるので、100YENの看板は外して、ダイソーショップとか、セリアショップに名称が変わるだろう。100円回転寿司も同じで、ファミレス化してメニューを増やし生き残る。

1

「水」ビジネス時代は続くが、新たに「空気」ビジネスが誕生する。高濃度の酸素発生装置や、缶詰に入った「アマゾン川の空気」が家庭向けに発売され、療養中の高齢者や都心の富裕層に売れるだろう。

また、諸外国に比べあまりに法外な葬式費用は、斎場の乱立によって是正され、同時に香典という風習は姿を消すことになる。風習と言えば年賀状も減少し、会社関係や高齢者のみによって継続される。

 
【政治】民主党は消滅する 女性初の首相が誕生するも短命に終わる

二度も野党を経験した自民党は、巧みな政権運営で盤石の体制を築く。民主党は分裂し、大多数は自民党に吸収される。一方、共産党と社民党は合体し、野党や公明党の一部も取り込んで一大勢力に発展する。

すなわち10年後の政治構造は、自民対社共となり、戦後の大勢に戻ってしまう。ゴチャゴチャある今の政党は、自民か社共に二分される。右か左かの危険な構造が緊張感を生み、意外にも政治は安定して腐敗や癒着は一掃される

また、女性初の総理大臣が遂に誕生する。その人はN氏またはO氏であるが、議員定数の大幅削減を断行した後、年金改悪や消費増税で国民の反感を買い短命政権で終わる。

一方、北朝鮮による拉致問題は、南北朝鮮の統一が実現し、一気に解決に向かう。これにより民主化が遅れた中国は、アジアの中で孤立するだろう。

 
【自衛隊】戦争する自衛隊、隊員募集は困難に

集団的自衛権の行使容認で、事実上平和憲法の失われた日本では、自衛隊の戦闘地域への海外派兵も視野に入れなければならない。自衛隊の募集は難しくなり、徴兵制度の導入議論が本格化する。また、法律を改正して日本国籍以外でも自衛隊に入れるようにする。さらに、自衛隊を「自衛軍」に名称変更する動きが出てくる。

世界の紛争は無くならない。国連は各国の利害が対立し、機能不全のまま難民だけが増え続けるだろう。難民救助の目的で、自衛隊の医療部隊と、その護衛部隊が派遣される。
20131116140638e4e


一方、自然災害の多い日本では、自衛隊の存在は大きい。災害現場ではNASAの技術を使った生体反応探査ロボが活躍し、パワースーツを着た隊員が瓦礫除去に当たる。また、発生初期の台風を消滅させようと、自衛隊機がフィリッピン沖で特殊な物質(積乱雲を抑制する)を散布するが、周辺国の反発を買う。

 

【犯罪】監視社会の到来、コンピューターの犯罪

格差社会の広がりは犯罪の増加を招く。犯罪は凶悪化するが、犯人逮捕の決め手は防犯カメラの普及である。監視カメラ大国イギリスを模範に日本でも急速に防犯カメラの設置が進む。

各家のインターホンは24時間録画式になり近隣に目を光らす。全ての自販機はカメラ内蔵式になる。全ての児童のランドセルにも小型カメラが内蔵される。バス、トラック、タクシー、マイカーにはドライブレコーダーが義務付けられ、全てのエレベーター、全ての商店のレジスターにもカメラが装備される。

126267592891616411122_cimg1170

そしてズーム機能、夜間対応などカメラの性能も飛躍的に向上させる。プライバシーの問題が浮上するが、犯罪抑止のためにはやむを得ないと国民は理解を示す。

防犯カメラの映像(顔)から、犯人を割り出すため、近い将来、運転免許証の顔写真が警察のデータベースに保存され、容疑者の照会に利用される。さすがに反対意見もあるが、すでに個人のプライバシーなど無いに等しい時代なので容認される。いずれは、公務員や企業の身分証明書なども警察にコピーされることになる。犯罪の抑止と引き換えに恐るべき監視社会が到来するだろう。

また、集団登下校の常態化と防犯カメラの設置効果で、子供の誘拐事件は激減する。欧州で始まっているICチップを体内に埋め込む案は検討されたが見送られることに。

一方、資産家や要人、その家族を狙った凶悪な誘拐事件が多発する。振り込め詐欺は高齢者への周知徹底と刑罰強化(死刑又は終身刑)で姿を消すことになるだろう。

コンピューターが犯罪に加担するケースが初めて発生する。行政機関や大手企業のコンピューターから大量の顧客情報が流出するが、これは、ある犯人がコンピューターを(破壊すると)脅し、その結果コンピューターが情報を漏らすプログラムを勝手に作り発生した史上初の事件となる。自身(マシン)の保身のため嘘をつくコンピューターはあったが、法律を犯すに至ったことで社会は大きなショックを受ける。

ハイテク捜査が進む一方で、警察に透視やテレパシーといった能力を活用する部署が出来るが、運用は秘密裏に行われる。

 
【医療】ヒーリングサロンが町中に

年間40兆円、医療費の抑制は急務である。その柱として期待されるのが、医療用ロボットの開発と医療現場への導入である。10年後は多くの先進医療の現場で医療用ロボットが投入され、「神の手」ならぬ「ロボの手」が大活躍することになる

 増え続けるがん患者に対し、やっと歯止めが掛かる。東大医科研の免疫細胞療法が承認され、副作用のないワクチンによる治療が一般的となる。他にも世界中で開発が進む新薬の効果で、がんは不治の病から脱出できる。

さらに、代替医療や漢方が注目され、統合医療として認知されるだろう。山間地の農家は漢方の薬草栽培で大きな収入を得る。

また、若者を中心にヒーリング療法が急速に広まり、各地にヒーリングサロンが誕生する。特に、うつ病などの精神疾患に効果が期待される。科学の発達と同時に精神世界を信じる人も激増し、現代医学に限界を感じる人たちが、ヒーリング療法や免疫療法に走る場面もありそうだ。

そして、何といってもIPS細胞などの再生医療が実用段階に入り、多くの医療分野で著しい成果が出るだろう。IPS技術で人工血液ができれば、献血は必要無くなるだろう

しかし多くの病気が克服される一方で、原因不明の難病や感染症が新たに出現して医療関係者を悩ませることに。鳥インフル、エボラに加え、新種のインフルエンザにより先進国も含め世界中で数百万人規模の死者が出る。日本では大規模な検疫施設が運用され水際作戦は成功する。大気汚染の著しい中国では、肺疾患が激増し訴訟騒ぎとなり、政権を揺るがす。

全世界のネット中毒やデジタル依存症患者は10億人に達し、WHOは憂慮を表明する。専門医による診療が行われ、日本では保険も適用される。また、一定時間経過するとネット接続が一時的にに遮断される機器も発売される。各国政府は従量制の料金体系に戻すよう勧告するが、市民は猛反発する。

予防医学と免疫療法、がん新薬、ヒーリング、そして再生医療、医療ロボットが10年後の医療のキーワードである。

尚、予防医学の観点から推奨されたスポーツは、東京オリンピックを契機に国民的盛り上がりを見せる。スポーツの各シーンではロボットが導入され、テニスロボや剣道ロボ、ロボットコーチが活躍する。

Award02_03_01_img01オムロンの卓球ロボット

現在ブームのジョギングやマラソンは効果が無いことが判明し、その地位をサイクリングに譲る。一方、免疫医学の観点から「笑い」の効用が医学的に認められる。日本の落語や吉本喜劇は思わぬ脚光を浴び、海外の医療機関に招かれる。

 

【新聞】発行部数の激減で存続の危機

現在、日本の報道の自由度は世界ランキング50位。そんな不名誉な評価を挽回するのは難しい。残念ながら自浄能力が無いに等しい報道機関。これでは発行部数は減るばかりだ。

一般のニュース、天気予報、株式欄、スポーツ記事に関しては新聞の価値はゼロに等しい。TV欄なども必要ない。どの情報もテレビかパソコンがあれば十分である。社説と文化欄など一部に限って新聞の存在価値がある。したがって、新聞は電子化が進み、読みたいジャンルを切り売りして配信し、読者はスマホやPCで見るというスタイルが一般化する。

テレビが出来てもラジオが無くならなかったように、新聞は生き残る。チラシ広告を見る主婦や、暇を持て余す高齢者に売れるだろう。しかし新聞業界の縮小は避けて通れない。新聞各社は、リストラ、合理化、企業合併などで当面は乗り切ることになる。

個人的には活字文化である新聞の衰退は避けたいので、自由な報道、ジャーナリズムの復活に期待したい

音楽・美術】ロボット作曲家の登場、バーチャル美術館の誕生

音楽の分野では、遂に完璧な作曲ロボットが登場する。このロボットは、何百通りものパターン(音楽的要素)を入力すれば、思い通りの曲を仕上げてくれる。ちょうど佐村河内氏と新垣氏の関係のようだ。もちろん、楽譜も書いてくれる。才能のない作曲家は廃業することになるだろう。ただし著作権は全てこのロボットの製作会社に帰属する

絶対に間違えないロボットピアニストが作られ、実際にリサイタルも開催される。このロボットは声楽や合唱の伴奏にも広く使われる。

1175 ロボットピアニスト

若者のクラシック音楽離れは進み、特に地方のホールは65歳以上の高齢者が聴衆の9割を占める。したがって、ホールを高齢者向けにバリアフリー化したり、階段に手すりを付けたり、医師を配置したりと対応が急務となる。シルバー社会のコンサート(ホール)の在り方

一方、文科省は若者のクラシック離れが深刻なことから、教育現場でのクラシック音楽重視の方針を打ち出す。結果、小、中学校では音楽鑑賞の時間が大幅に増える。

また美術の分野では、日本のハイテク技術を生かして、東京に世界初のバーチャル美術館が誕生する。館内は4つのエリアに分かれ、ヨーロッパ、アメリカ、中近東、アジア各地の美術館、博物館が精巧に再現される。Googleのバーチャル美術館と違い、建物内を歩いて見学する。展示物は映像と3Dで再現される。美術品は原寸サイズで表示され、色調はもちろん全てが本物と見分けがつかない程に。居ながらにして世界の超一級品を鑑賞できる施設だ。大塚国際美術館のバーチャル版といえる。

1984542ce8fb8b600_l

余暇時間の増大によって、芸術の振興に拍車が掛かり、多くの国民が豊かな情操を身に着けることになるが、その副産物として、いじめ、児童虐待は減少する。結局のところ、いじめや虐待はすさんだ社会の縮図なので、社会が健全化して情操が育まれれば、自然と減少するはずである。

 
【旅行】宇宙旅行が100万円で実現

JTBなど旅行各社の通常パンフレットに、宇宙旅行が載ることに。現在2500万円の料金は100万円ほどまで大幅に下がり、誰もが夢の宇宙旅行を楽しめ時代が到来する。

Lifestyle061106_p1_ph_002 photo スペースアドベンチャーズ社

これまで以上に体験型のツアーが人気で、潜水艦を使った深海体験、長期の離島体験、不謹慎とも思えるが、火山体験、地震体験、台風体験ツアーなど新しい旅行が登場する。

日本だけで3700万人に達する高齢者。年寄り向けのツアーは全盛時代を迎える。世界中の観光地は老人で溢れ、バリアフリー化、休憩施設やトイレの増設、ツアー専属医師の配置など対応が追い付かない。

飛行機や新幹線では、小型の接客ロボットが導入される。また、リアルタイム翻訳機の普及で、言葉の壁は無くなり、誰もが安心して海外旅行が楽しめるようになる。反面、英会話教室などが影響を受ける。

 
【ペット】ペットGメンと、ペット型ロボットの社会貢献

高齢者の増加に伴いペットを飼う人はさらに増加する。ペット可のマンション、アパートは半数に達し、住民トラブルも激増する。公共施設、スーパー、飲食店はもちろん、一部の交通機関でもペットの同伴は可能になる。

ペットのための公園、介護老犬ホーム、総合病院、ホスピス、死後も霊園や永代供養など、まさにペット天国の反面、ペットへの苦情、虐待が社会問題化して、厚生労働省内にペットGメンが発足する。このGメンは各都道府県に配置され、指導取締りにあたる。

Healingpetdacky2 Healing Partner DACKY

また、人工知能を備えたペット型ロボットが多種類発売され、ペットショップやスーパーにもコーナーが出来る。ペット型ロボットは子供からお年寄りまで多くの国民に愛される。特に高齢者はペットと会話することで認知症の予防になる

■ 本棚の隅にあった文春新書の「10年後の日本」。(2006年発行)

Dscn06761

読み返してみて驚いた。今日の日本をものの見事に予測している。

格差社会、治安悪化、消費税二ケタ化、がんの急増、年金崩壊、代理母の功罪、切迫する大震災、恐怖の感染症、北のミサイル脅威など、残念ながらそのほとんどが当たっている。

特に東海地震が起きれば、中電浜岡原発で放射能漏れの大事故が起こる可能性が書かれている。地域は違うものの、あまりにも予想は的中している。すでにこの時点で、日本の原発は地震に弱いという認識があったかも知れない。

 
■ ご参考までに

1901(明治34)年の新聞に書かれていた100年後の世界 

 海外の友人と話ができる
いながらにして遠距離のカラー写真が手に入る
・野獣が絶滅する
・サハラ砂漠が緑化して文明がアジア・アフリカに移る
7日で世界一周ができるようになる
空中軍隊や空中砲台ができる
・蚊やノミが滅亡する
機械で温度を調節した空気を送り出す
電気の力で野菜が成長する
遠くの人間と話ができる
写真電話(テレビ電話)ができる
写真電話で買い物ができる
電気が燃料になる
葉巻型の列車が東京・神戸間を二時間半で走る
・鉄道網が世界中に張られる
・台風を一ヶ月以上前に予測して大砲で破壊できる
人の身長が180センチ以上になる
・医術が進歩し薬が廃止され、電気で無痛に手術できるようになる
馬車がなくなり、自転車と自動車が普及する
・動物と会話でき、犬が人間のお使いをする
無教育な人間がいなくなり、幼稚園が廃止され、男女ともに大学を出る
・琵琶湖の水で起こした電気を国内に輸送する

                       ※青字は実現済み

 

 あとがき

未来は言うまでもなく現代の延長線上にあります。ですから、現代の事象を注意深く観察すれば、未来は多少なりとも予測できます。

かし、今回のような素人の考察では予測は困難です。ですから居直って空想と致しました。空想しながら楽しい時を過ごすことが出来ました。良いことは全て当たって欲しいと思います。「心の時代」と言われて久しいですが、一向に心は充足しません。来る10年後が平和で豊かな社会になることを切に願うばかりです。

 

 

2014年10月20日 (月)

あと数日で、アクセス3万回記事をアップします

人間は、どうして仲良くできないんだろう?

Dogcat121299054_0



僕たちは仲良しだよ。

Puppy_love_cats



あたしたちも仲良しだよ。

J4pind6v



いじめ件数20万件(H24年の認知件数)、家庭内暴力、児童虐待は増加の一途。

一方、離婚件数は23万件(H25年厚労省推計)。

海外では、紛争24か国以上、難民は過去最高の5720万人(UNHCR最新データ)。



不信と対立の構図は続く・・・




Shutterstock_15484942e1335545917218

いい加減にせいっ!annoy




3万回の記事は、10年後の日本を予想(空想)します。 10年後、日本はどんな国になっているのでしょう? 

信頼と協調の日々は訪れるでしょうか?

そして、誰もが豊かさを実感できる国、平和を享受することができる国になっているのでしょうか? 

素人が勝手に予想(空想)した未来です。項目もランダムです。軽く読み流して下さい。







2014年9月20日 (土)

ブログ開設一周年

おかげ様で、当ブログ 「 壺中日月長(こちゅう じつげつ ながし)」を開設して1年が経ちました。いつもお引き立ていただきありがとうございます。

定年とは、高速道路からインターチェンジを経て、一般道に下りることを言います。

景色が一変しました。 今まで見えなかったもの、見過ごしてきたものが見えるようになりました。

そのさまざまな感慨の一端を、自分なりに書き留めておこうと、このブログを始めました。


この一年のテーマは、高村光太郎の次の言葉です。

「 心はいつでも新しく 毎日何かしらを 発見する。」

Dscn05631


佳き人、佳きもの、佳きこと、多くの出会いに感謝申し上げます。






2014年7月30日 (水)

プロの音楽家(クラシック)になる10の条件 (PV2万回記念)

音楽家を志す人は多い。

国内だけでも音楽大学(4年)は40校以上あり、毎年約4500人が卒業している(2012年政府統計)。その他短大1200人、専門学校6000人を合わせると、一年に卒業する「音楽家の卵」は、約12000人。教育学部なども入れるともっと増えるだろう。

一方、総務省の国勢調査(H17年)によれば、芸術家の人口は490,901人、うち音楽家は115,020人(人口10万人当たり88人=0,088%)。 首都圏に集中しているが、日本には11万5千人のプロの音楽家がいることになる。

文科省資料(学校基本調査報告)によれば、2011年度に芸術系大学を卒業して芸術家になった人は2066人。2010年の国勢調査から算出して、芸術家のうち音楽家の占める割合は6,6%なので、2066人×6,6%=136人が、1年間に音楽家になった人数である(データえっせい参照)。前述の12000人で割ると、全卒業生のうち音楽家になった割合は1,1%ということになる。

すなわち、日本には既に11万5千人のプロの音楽家がいて、毎年136人しか新規に音楽家になれない。 非常に狭き門と言えるだろう。 とにかく音楽を志して音大や専門学校を卒業しても100人に1人しかプロの音楽家になれないのである

ちなみに、ここで言う音楽家とは、音楽を職業とし、音楽だけで生計を立てている人を指すが、もちろんクラシックだけでなく邦楽も含むあらゆるジャンルに及ぶ。

ただ、このブログでは、クラシック音楽に主眼を置いて述べることとする。 私的な考察なので偏向的な箇所があってもご容赦賜りたい。また、プロの音楽家でもない私が記述することは甚だ僭越であることは重々承知の上なので、参考記事としてお読みいただければ幸いである。

Berlinerphilharmonikersirsimonrat_2

 

■ プロの音楽家になる10の条件(クラシック)


1.演奏技術、音楽性に優れている(絶対条件)

テクニックと音楽性は、車の両輪であり、プロの第一条件である。

この2点を磨くため、幼少より今日まで不断の努力をしてきたわけで、現在の実力はその結果だと言える。

しかし、実力とは他人が評価するものだから、コンクールを受けたり音楽セミナーに参加したりして評価してもらい認めてもらわなければならない。そこで初めて「実力がある」と言われるのである。だからと言って他人の評価ばかりを気にすることもない。自己評価も大切である。性格は謙虚がいいが、ステージに立ったら自信に満ちた自分を演出する位の度胸も必要になる。

自他ともに実力がついたと認められて、この条件は達成される。

また、演奏技術や音楽性と関わっているが、優れた感覚機能が備わっていることが要求される。音感はもちろん、ピアニストなら指先の感覚が優れていることが必要だ。聴力をはじめとする五感が人一倍優れていなければならない。さらに、手が大きいなどの身体的特徴があれば優位であることは言うまでもない。

音楽に対する情熱、楽曲に対する探究心はもちろん、不屈の忍耐力や粘り強さも必要だ。

さらに、一流と呼ばれるには、聴き手とのコミュニケーション能力(客席との一体感)や作曲家とのコミュニケーション能力(深い理解力)も欠かせない。偉大な作曲家(多くは故人)の音楽を、楽譜から読み取って現代に響かせるのは神聖ともいえる行為だが、それだけに楽曲の深部にわたる理解力が必要だ。これも音楽性の一部と言える。

よく実力とは才能だと言う人がいるが、確かに天性の才能はあるかも知れない。努力だけではどうにもならない場合もあるだろう。親からもらったDNAもある。音楽的センスも生まれ持った才能の一部だ。 才能に溺れてはいけないが、才能に恵まれていることが、音楽家の条件の何%かを占めるのも事実だ。


 
実力を示すひとつにプロフィール(学歴、師事歴、演奏歴、入賞歴、留学歴、職歴、活動歴、現職など)があるが、
中身の濃いプロフィールは、客観的な判断材料になるので疎かにできない特にコンクール入賞歴は、より上位のものに塗り替える必要がある

諏訪内晶子が、日本音コン1位、パガニーニ国際2位、エリザベート国際2位に満足せず翌年チャイコフスキー国際に挑戦し優勝したのが顕著な例である。


2.健康であり自己管理もできる(絶対条件)

音楽家は個人事業主である。サラリーマンや公務員のように有給休暇もない。もし病気になったら、演奏が出来ない=収入が止まる。 食道がんに侵された小澤○爾は、かつて全ての仕事をキャンセルした。最近では井上道○や村治○織の例も記憶に新しい。

生活は不規則だし、移動も多い。食事も偏る。場合によっては運動不足にもなる。神経をすり減らすこともあるだろう。

だから人一倍強健で、エネルギッシュでなければならない。 しかも基本は自己管理である。 本番をキャンセルしようものなら、プロとして失格である。二度とオファーは来ないだろう。

※ 精神面でも安定した状態を保たなければならない。ストレスに負けない強い精神力は   プロの絶対条件と言える。心身ともに健康で自己管理能力がある人のみが生き残るだろう。音楽はデリケートでも、神経は図太いなどという二面性が必要かも知れない。


3.容姿端麗である (その方が有利というだけの話)

ビジュアル時代。男女を問わず容姿は大きなファクターとなった。 

近年の聴衆は、クラシックといえども、見た目の良さを求めるようになった。 残念ながら、マスクは良いが演奏は二流以下のアーティストもたくさん生まれている。 逆に実力はあっても、容姿で負けて人気がないアーティストもいる。

 しかし、本物の分かる聴衆は存在する。 容姿だけのインチキ演奏家はいつか表舞台から姿を消すだろう。

ここでインチキ演奏家の名前を10人や20人即座に挙げることは簡単だが差し控えたい。ご存知の通りである。 ただ、インチキ演奏家を追いかけるインチキ音楽ファンを責めることは出来ない。容姿のいいだけの音楽家と、そのファンは、商売に利用されただけなのである。

天は二物を与えずと言うが、まれに実力と容姿に恵まれた演奏家もいる。その人は、よほど前世に良いことをしたのだろう。

人は風貌・雰囲気に惑わされる。その顕著な例が佐村河内氏である。 その人の持つ雰囲気は、容姿と同じ位大事である。最近はオーラなどとも言うが、雰囲気を良くすることに意識したい。


4.自分にしかないものがある(絶対条件)

毎年1万人以上も生まれる「音楽家の卵」。上位1,1%に入るには、他人にない「何か」が必要である。

この場合は、音楽的な主張、独創性や個性、圧倒的な演奏力、新しい解釈、ニュース・話題性などはあなたにしかない主体性とセールスポイントが重要である。 

ただ、個性に関して言えば、オーソドックスな演奏が主流を占めるようになり、個性的な演奏は減っている。情報化時代の今日では、コンサートに行かなくても、CD、DVD、FM、BS、ネット配信などで容易に他人の演奏が聴けるようになった。楽譜や解説資料も入手し易い。本来は、何がオーソドックスなのか定義はないが、やはり演奏は平準化している。

そして、情報発信には新しい発想も必要になる。ブログは当たり前で、YouTubeやSNSなどの積極的な利用はこの時代避けて通れない。ここで言う情報発信とはネット活用の意味で、アナログ的な路上ライブなどはお勧めできない。

あなたは音楽を通じて何が言いたいのか?何を表現したいのか?その媒体は何を使うのか? そして、あなたにしかない音楽を奏でることは出来るのか?

Imagesdl6en8aq


5.コンクール入賞歴がある(ほぼ絶対条件)

ショパンコンクール、チャイコフスキーコンクールなどの超一流コンクールを始め、国内外の音楽コンクールは星の数ほどある。

コンクール入賞歴は、その人の客観的評価につながる。キーシンのような例外もあるが、現在活躍中の多くのプロは、国内外の一流コンクールの入賞者である。入賞がきっかけでプロデビューした音楽家は多い。

自分のレベルに合ったコンクールを選定し、力試しに受けてみるのも一つだが、わざとレベルの高いコンクールに挑戦するのも良い経験になるだろう。 今日ほどコンクール全盛時代はないので、出来るだけ若いうちにチャンスを掴むべ  きだと思う。  コンクール情報サイト → 文化的な日々(ご参照ください)

但し、コンクールは審査員の主観や主催者の思惑、何らかのコネクションで結果が左右される場合も少なくない。もちろん、当日の体調や、出演順、参加者の顔ぶれ、審査員の顔ぶれなども影響する。運の良し悪しもあるだろう。(審査員が全ての採点を公表する透明性の高いコンクールもある。(例)ショパン国際ピアノコンクール、ブラームス国際コンクールなど

だから、自他ともに認める実力があっても、必ず上位に入賞するとは限らないのがコンクールである。

※ 音楽コンクールは、フィギュアスケート(技術点、演技構成点、さらにGEO出来栄え点)ほどの厳密な採点基準はない。一定以上のレベルがあれば、あとは審査員の主観が大きく影響する。芸術には模範解答がないからだ。


.資金力がある(その方が有利 というだけの話)

音楽の道を志す人は裕福な家庭に生まれた方が多い。 幼少から音大までのレッスン料、教育費は莫大で、楽器代や楽譜代、場合によっては防音設備など、ある程度の経済力に恵まれて今日があると言って良いだろう。

しかし、これからが大変である。偉い先生のレッスン代、海外留学費用、国内外のコンクール受験費用、リサイタルを行う費用、コンサートチケット代など多岐にわたってお金が掛かる。いつまでも親に頼れない。

特にプロになるためには、優れた楽器を入手しなければならない。どんな楽器にしても相当高額な出費は避けて通れない。(弦楽器などは、日本音楽財団、イエローエンジェル、音大や企業の所蔵品を貸与するシステムもある)

一方、豊富な資金力で、内外の著名な先生のレッスンを受け、海外へ留学したり国際コンクールを受けたり、帰国後は一流ホールでリサイタルを開いたり、国内外のオーケストラと共演したり(チケットノルマがある)、サロンコンサートで著名人を招いたり、自費でCDを出したりと、とても恵まれた人もいる。

程度問題だが、才能を開花させるためには、ある程度の資金は必要だろう。 その覚悟はいるが、もし十分な資金が確保出来なければ、公的資金や民間企業の資金があるので研究してみては如何だろう。

※ 日本はもちろん、各国政府機関、自治体や教育機関、さらに民間企業の留学支援制度がある。ヤマハ、ローム、イエロー・エンジェル(宗次氏のNPO)など探せば多く存在しているので、活用することをお勧めしたい。時期が合えば、留学中に海外のコンクールを受けることも可能だ。

国の支援を受けて国際的なピアニストになったケースとしては、韓国のムン・ジヨン氏が挙げられる。彼女は幼少時にピアノが無かったが、特待生として国立の芸術学校で学び、ついに、ブゾーニ国際でアジア人初の優勝に輝いた。


※ 尚、未だに、箔を付けるために留学するケースが見られるが、お金をかけて海外へ行く以上は、目的を持って行ってほしい。敬愛する先生に付くとか、クラシック先進国の欧米に渡り、風土に触れ、見聞を広め、語学も勉強して、名実ともに成長するための留学経験を積んでほしい。


7.良き師、良き友、良き家族に恵まれる(絶対条件)

あなたの才能を限りなく伸ばしてくれる先生。一緒に学ぶ友であり良きライバルの友人。どんな時もあなたを支えてくれる家族。 この一つでも欠けたらプロになるのは難しい

ステージママやステージパパも時として必要だ。やりすぎは良くないが、バックアップ体制は必要だと思う。

そして、とりわけ先生との関係は重要である。可愛がってもらえれば色々引き立ててもらえるが、逆のケースもしばしば耳にする。マッチングもあるので、合わないと思ったら先生を代わる勇気も必要だろう。そして、あなたが信頼する先生とあなたの成長過程に合った先生の両方に恵まれることが重要である。

実は音楽の世界はドロドロしていて、さまざまな派閥、縄張り、対立、妬み、嫉妬、軋轢、情実、コネ、裏切り、不信、金銭などが渦巻いている。 上に登れば上るほどその傾向は強い。音楽のイメージと、かけ離れているが真実だ。 

間関係はもちろん、時には政治力やコネも必要になる。 政治、行政、企業、財界、マスコミ、教育機関、各種の組織・団体などとのコネクションはあるに越したことは無い。安倍総理を始め、著名な政治家や財界人が、音楽家の後援会役員に就任している例は多い。

この世界に精通し、上手に泳ぐ術を教えてくれる誰か(専門性のあるコーディネーター)を見つけなければ、あなたは溺れてしまうだろう。

あなたは泥水に咲く「蓮の花」になれるだろうか。でなければプロになれない。それが現実である。  


8.いつも切磋琢磨している(絶対条件)

プロの音楽家の世界は厳しい競争の世界でもある。次々に新しい演奏家が生まれ、あなたの地位を脅かすだろう。聴衆の関心は、もっぱら話題性やインパクトのある演奏家に注がれる。

移り気な聴衆を、常に惹きつける魅力の創出。自己との戦い。プロの世界は本当に厳しい。「がけっぷちの向うに喝采(かっさい)(大野和士)」。のDVDをご覧の方は理解されているが、プロフェッショナルへの道は険しく遠い。

連日連夜のコンサートは供給過剰と言える。 満席のコンサートは少ない。そんな中、自分のコンサートに足を運んでもらうのは至難の業とも思える。

しかし、内田光子のように即日完売のピアニストもいる。一流の演奏家は常に自己研鑽に励んでいる。音楽家に限らず、一流の俳優も歌舞伎役者も、スポーツ選手もみんな常に切磋琢磨している。現状に満足することなく、地位に驕ることなく、謙虚で努力を怠らない人がプロに相応しい。音楽家もスポーツ選手もプロという点では一致している。

アウトプットばかりでインプットしない人は、いつか行き詰る。井戸水が枯れるように。技術面で自己を磨き、多くの芸術に触れ、旅をして情操を養い、心に充電する時間はとても大切だと思う。技を磨き心豊かに。

Unparsifalprochedugraalm70756


9.社会性、人間性がある(絶対条件)

楽家は社会常識に疎い。社会に出たこともない人もいる。

音楽家は専門的な能力があるが、社会的な地位が高い訳ではない(ウィーンフィルのような例外もあるが)。むしろサービス業に近いので、本当は最も対人関係に気を遣う職業と言える。

自分は芸術家などとお高くとまっていては、人は離れるばかりだろう。時には自らを売り込み、お世辞の一つも言って相手を喜ばせ笑顔を振り撒かなければならない。人寄せパンダになる必要はないが、ある種の才能はいる。

むろん、そのようなことがしたくなければ構わない、それもその人の個性であり、「孤高の人」などと呼ばれ評価される場合もある。(この場合、孤高の人とは変人のことであるが。)

しかし最低限の常識と礼節を備えていなければ音楽家以前に、社会人として失格である 例えば、あなたの師匠以外にも、お世話になった人は多いはずである。その方々へのお礼のあいさつは特に大切である。例え親類縁者や友人であっても礼を欠くことはマイナスである。世はメール時代であっても、手書きのお礼状を書く手間を惜しんではならない。そのような社会常識を教えるのは親の責任でもある。あの親にしてあの子ありと、世間から笑われないようにしたい。人間関係の維持には手間ひまが掛かるものである。

また、人間性はプロとして最も重要なファクターである。 音楽家は個人事業主であり、サービス業であり、人気稼業であるから、人間関係がすべてと言っても過言ではない。相手に好印象を与えることは、音楽家として当然であり、豊かな芸術性は豊かな人間性から編み出される。

宝塚歌劇団の ブスの25箇条 」(リンク)に、理想の人間像がある。 いつも笑顔で明るく親切で謙虚で礼儀正しく、愚痴を言わず、希望に満ちて輝いている。友を大切に、人には愛情をもって接する。相手への思いやり。感謝。

社会常識があり、人間的魅力にあふれていれば、人は自然に集まってくるだろう。 思わぬ支援者やファンがいつの間にかあなたを取り巻き、一流アーティストとしてあなたの名声は高まるだろう。実は社会性や人間性は、プロになるための必須条件であり。音楽的実力と同じ位置にある。


10.運のいい人(絶対条件)

人間が成功する条件とは、個性的な才能。 それを磨くための努力。 そして人智を超えた運。 ―江崎玲於奈―

マレーシア航空機の相次いだ事故。しかし、強運によって二度も奇跡的に助かった男性がいた。2014年3月、インド洋上で消息を絶ったマレーシア航空機に、搭乗寸前でキャンセルして助かったオランダ人男性のマールテン・デ・ヨンゲ氏は、4か月後の7月にウクライナ上空で撃墜されたマレーシア航空機にも搭乗するはずだったが、またしても搭乗寸前でキャンセルし命拾いした。 二度のキャンセルで二度の命拾い。人智を超えた強運はあるのだ。     

運に見放されるか、運が味方してくれるかは、天地の開きがある。 松下幸之助氏は、面接の最後に「あなたは運がいいですか?」と質問し、「運が悪いです。」と答えた人はどんなに成績が良くても採用しなかった。運も実力のうちとは良く言ったものだ

※ 「運命は口ぐせで決まる」 佐藤富雄(医学博士)著 三笠書房 533円(税別)。  60分聴くだけの成功論「幸」 ジェームス・アレン著 DHC 1000円(税別)。  斉藤一人 100回聞きコレクションBOX Youtube (タダ)など、お金をかけずに運を良くすることが出来る本やCD、動画などが多数ある。一度お試し下さい。


あとがき

音楽で食べている人をプロの音楽家という。この記事では主にクラシックの演奏家を指す。

ご存知の通り、プロとアマチュアの間に、セミプロと呼ばれる人たちが存在する。アマチュアに近いセミプロから、プロに近いセミプロまで、その層は厚い。

実は、今日の日本の音楽界は、セミプロの人たちで成り立っている。普段は音大や音高、音楽教室、カルチャーセンターなどの講師、サークルの指導、自宅レッスンなどをしているが、そのかたわら、地元でさまざまな音楽活動をしている。

このブログを書きながら、セミプロの人たちにスポットライトの当たる社会を想像した。今はボランティアに近いセミプロの人たちの活動に、もっと光が当たらないのだろうか。その仕組みを考えてみたい。

その時こそ、本当の意味で、日本の音楽文化に明るい未来が見える。



長文にお付き合い下さり謝意を表します。10の条件が全て揃わなくてもプロになった人はいます。この条件は理想を書いただけに過ぎませんから、完璧を求めるのではなく、参考にしていただければ幸甚です。
 

また、冒頭で述べた通り、プロの音楽家でもない私が述べることは、僭越の極みであることは重々承知していますので、どうかご容赦下さい。

■ 参考記事 クラシック音楽衰退の原因と対策

2014年7月27日 (日)

まもなく公開 アクセス2万回記念記事

お蔭様で、昨年9月スタートの当ブログ、支離滅裂な内容にもかかわらず、1年を待たずして、まもなくアクセス20000回を達成出来そうです。ありがとうございました。

近日、記念記事をアップさせていただきます。可愛いペットたちの写真を見て、それまで今しばらくお待ち下さい。


600

ねこふんじゃった♪ ねこふんじゃった♪


Animalchihuahuacutedogmusicfavim_co

わんこふんじゃった♪ わんこふんじゃった♪


600x450x80ef7b6e0228abafd933d156

ギターに入っちゃったわ。あんたマネできる?


Funnyguitarmsyugioh1233351096236450
      ごめん、ぼく入れないよー。


1279751712491

      じゃあ、これはマネできる?


Dog_and_guitar__by_fisher57d7jx61m

           うん、できるよー。
                          はい、おわり。

2014年5月27日 (火)

ある日の新聞 (アクセス15000回記念)

当ブログもお蔭様でアクセス15000回を数えることが出来ました。感謝申し上げます。

さて、世はインターネット時代ですが、新聞は「知の宝庫」であり、「文化の集積」であり、「言論の発信」であり、「精神の探究」であり、「豊かな話題」と「膨大な情報」をもたらすメディアとして大きな役割を果たしています。

中には三面記事のように、事件や事故ばかりが目立ち、読めば読むほど「心が真っ黒」になるものもありますが、逆に「心が豊かになる」記事や「共感を覚える」記事も多く、読み手が取捨選択することで、新聞の価値を自分なりに高めたり、活用したりすることが可能になります。

そこで、今回は「ある日の新聞」と題して、角度の違う5本の記事を紹介し、あらためて新聞の価値について考えてみたいと思います。

<その1>

良寛に学ぶ (下) 瀬住(よりずみ) 光子氏

誰もが知っている良寛さん(1758~1831)の「愚」に徹する心の在り方に焦点を当てた内容で、彼の詩を紹介することで、執着を排し「無」の境地にたどり着いた良寛の生き方に迫っている。 その詩は次の通りである。

「これまでの人生、世俗に交わり身を立てる気もなく、何にもこだわらず、おのずからなるありように悠々と身を任せてきた。それでも、生きていくだけの米三升も薪一束もある。これ以上何も必要ない。悟りも迷いも、ましてや、名誉だの利益だの俗世の煩悩は私の知ったことではない。終夜雨の降る草庵の中で、私は両足をのんびりと伸ばすのだ。」

筆者は、この詩を読み取り、良寛はあらゆる作為から解放されて自由な生活を得て、「無一物」の境地に至ったと解説する。

「愚」に徹して、執着を断じ、「無一物」の境地に到達することで、良寛は自分の前に広がる「無尽蔵」な世界を体得したのである。

Dscn03261_2


<その2>

今週のことば  違逆天地 『大無量寿経』   中村 薫氏

天地自然の間で、人間は違逆するという。自分と他人が違ったものと思い、相いれない存在であるのが人間である。現代は自然を破壊しながら、人間同士の孤立を余儀なくしている。

端的な事柄で言えば、原子力発電の問題である。これまで私たちは「原発は安全で安い」と国に騙されてきた。福島の事故によってそれが嘘であることが暴露された。にもかかわらず、原発を再稼働させようとし、日本で駄目なら外国に売りに行けばよいという経済中心の人もいる。原発事故により、いまだに家に帰れない人がたくさんいると聞く。一部の人の犠牲の上に成り立っているのが現代日本の実態である。

ところが、そういう現実の世界に対する反逆性を自己の心の内に深く蓄えているのが、他でもない私たち一人ひとりなのである。それも無意識のままに。(原文をそのまま転記させていただきました)

『大無量寿経』の中に、「違逆天地(いぎゃくてんち) 不従人心(ふじゅうにんしん)」という言葉があります。誰もが平等なひとつのいのちを受けて生まれてきたにもかかわらず、それを自分のいのちだ、他人のいのちだ、と区別して、自分のいのちを優先させて生きようとし、一切の他を自分ならぬものとして関係を断ち切って排除し、いのち自身の持っている通じ合いを否定し競争する心です。その自分という意識に立つ限り、他と本当の愛や信頼で結ばれることはありません。

筆者は、『大無量寿経』の中に現代日本の人心の姿を観ています。

釈迦は、たとえすべての経典が無くなっても、この「大無量寿経」だけは永遠に残り、すべての人を絶対の幸福に導くと予言しました。私も勉強してみたくなりました。

023

<その3> 

サラリーマン川柳 ベスト10

第一生命が、22日発表した「 第27回サラリーマン川柳 」 人気投票の結果が載っていました。すでにご存じの方も多いので、3本だけご紹介します。

1.うちの嫁 後ろ姿は フナッシー

2.帰宅して うがい手洗い 皿洗い

3.やられたら やり返せるのは ドラマだけ

Best_10_img_002

      やはり日本は平和というべきか・・・



<その4>

歌はなお生き続ける  春日井建さん没後10年

中部歌壇をけん引した歌人、春日井建さん(享年65)が亡くなってから22日で丸10年を迎えた。名古屋市東区の文化のみち二葉館では、故人の軌跡をたどる展示が6月15日まで開かれている。

この記事を読むまで、春日井さんという歌人を知らなかったが、彼は愛知県江南市で生まれ、名古屋を中心に活躍していたという。

Appearance

           文化のみち二葉館

19歳で発表した歌集は、三島由紀夫から「現代の藤原定家」と絶賛されたという。

ダンディでスタイリッシュな人で、その格好の良さが作品にそのまま表れていた。

Img_0

太陽が欲しくて父を怒らせし日よりむなしきものばかり恋ふ

海鳴りのごとく愛すと書きしかばこころに描く怒濤は赤き

空の美貌を怖れて泣きし幼児期より泡立つ声のしたたるわたし

与えあふいのちなき夜のわれのために彫られてありしラオコーンの像

 ※ラオコーンとは、バチカンにある古代ギリシャ彫像

星空の下いきいきと訪(と)ひゆくに与ふるべきものはこころの何処(いづこ)

                                         歌集「未青年」より


<その5>

「9条に平和賞 陳情文書を提出」 超党派国会議員が提出

憲法九条が2014年のノーベル平和賞候補として受理されたのを受けて、超党派の国会議員60名が、ノルウェー大使館を訪れ、委員会宛てに受賞を陳情する文書を提出した。

菅直人元首相をはじめ、自民、民主、維新、共産、社民、生活、無所属の衆参議員が賛同者に名を連ねたという。

この記事からは60人の氏名は分からないが、集団的自衛権行使に前向きな自民党からも賛同者(2名とのこと)がいることに少なからず驚いたと同時に、公明党がゼロというのも不思議な気がした。そして、脱原発の小泉、細川両元首相、今回の菅元首相が、第一線を退いても、なお日本の進路に大きな危機感をもって行動している事実に、今日の政治の閉塞感を見る思いがした。

30107_nobelpeaceprize800x300px

                        ある日の新聞=2014年5月23日付中日新聞朝刊