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2017年5月12日 (金)

揺らぐストラディヴァリウス神話

17世紀のイタリアの名匠、アントニオ・ストラディバリが作ったヴァイオリン 「ストラディバリウス」 は、あらゆるヴァイオリンの中で最も価値が高く、ヴァイオリニストなら一度は手にしたい名品です。値段は数億円に達し、世界中に約650挺しか現存しません。 ※ちなみに日本国内には40挺あると言われています。

もちろん、「ストラディバリウス」 の音色は世界一美しいとされています。しかし、最近の大掛かりな検証実験(ブラインドテスト)で、その神話が揺らいでいます。

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画像 http://www.afpbb.com/articles/-/3127614(記事とは関係ありません)

■ 検証実験

フランス国立科学研究センターのクラウディア・フリッツ教授らの研究チームは、「ストラディバリウス3台」 と 「新作ヴァイオリン3台」 とを対象にしたブラインドテストの結果を、国際学術誌「米国科学アカデミー会報(PNAS)」 に発表しました。

検証は2回行われ、1回目はパリ近郊の300席のコンサートホールで55人の聴き手を対象に、2回目はニューヨークにある860席のホールで82人を対象に、それぞれ実施されました。被験者は音楽に精通した人を選んだようです。

演奏者の前にはスクリーンがあり、聴き手にはどちらのヴァイオリンが演奏されているのかが見えないようにした上、演奏者も目隠しをした状態で楽器を手に取って演奏したとのことです。演奏は、カナダのスーザン・ハウ、日本の成田達輝など7人の世界的ヴァイオリニストが担当しました。

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画像 http://gigazine.net/news/20160715-violin-double-blind-test-paris/(記事とは関係ありません)

■ 実験の結果は「新作ヴァイオリン」に軍配

聴き手は音楽的経験に関係なく、「ストラディヴァリウス」より 「新作ヴァイオリン」 を評価し、「新作ヴァイオリン」 の方が響きが良いと結論づけました。また、演奏者と聴き手のどちらも、新旧のヴァイオリンを確実に聴き分けるのは不可能だったと証言しました。

実は、同様の実験(ブラインドテスト)は毎年のように行われています。そして結果は、必ずしも 「ストラディヴァリウス」 が勝つとは限りません。むしろ今回と同じように、「新作ヴァイオリン の方が音が良かったとする意見が多いのです。

2010年に実施された実験でも、「音色」 「音の伝達性」 「演奏しやすさ」 「演奏への反応性」 の4点について評価した結果、最も優れた楽器として新作ヴァイオリンが選ばれ、最も悪い楽器として1700年に制作された 「ストラディバリウス」 が選ばれました。

私たちは、「ストラディヴァリウス」 のブランドイメージに惑わされているかも知れません。目に見えない 「音」 の世界では、どうしても先入観や思い込みに左右され易いのではないでしょうか。

1000円のワインも100万円だと言われれば、100万円の味がするように、「ストラディヴァリウス」 と言われれば良い音に聴こえるのではないでしょうか。もし、音が悪いと言えば、その人は見識が疑われてしまうでしょう。


■ ヤマハの挑戦

以前、ヤマハのヴァイオリン「Artida(アルティーダ)」 を間近で聴いたことがありますが、その圧倒的な美音に驚きました。今回の実験で、ヤマハが使われたかどうかは分かりませんが、「新作楽器」 のひとつ 「Artida(アルティーダ)」 を例に、そのテクノロジーに触れてみたいと思います。

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1.最新のテクノロジーによって、木材の理想の経年変化を生みだすことで、中低音の伸び、高音の立ち上がりの増大や減衰の高速化を実現しました。この技術により、名器を彷彿とさせるような音の伸びや響きが得られ、演奏家の多彩な音楽表現に柔軟に応えます。 

2.伝統のクラフトマンシップと、3次元CADによる高精度モデリングや有限要素法による振動解析など最新の楽器技術を融合させ、ヤマハとして「 理想のヴァイオリン」 を追求しました。

3.特殊に選択された波長の紫外線を照射することで、ニス等の塗膜の分子構造を変化させ、音響特性を向上させることを狙った 「紫外線照射」 技術を採用。塗膜の外観のみならず、ニスの特性が音質に与える効果を考慮した仕様を盛り込んでいます。(ヤマハサイトより一部抜粋)


このような現代のテクノロジーと熟練の技術者から生み出された新作モデルが、
「ストラディヴァリウス神話」 を崩そうとしています。

価格が2ケタ以上も違う
「ストラディヴァリウス」 「新作ヴァイオリン」 。聴き手が評価し、演奏家が真に望む理想のヴァイオリンを求めて、これからも様々な実験が行われると思いますが・・・

その結果がどうであれ、究極のステータスである 「ストラディヴァリウス」 が、演奏家の垂涎の的であることに変わりはありません。しかし、「ストラディヴァリウス」 の地位が不動であっても、その足元が揺らいでいることもまた事実です。

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