ファーマゲドン (本の紹介 No.012 )
以下、この本より一部抜粋。
― 実のところ、わたしたちは食べ物がどのように生産されているかを本当に知っているだろうか?
「 和牛 」 がいい例だ。 和牛は牧草地で草を食んでいるどころか、大方は穀物飼料を与えられ監禁状態で育ったものであることを、それを食べる日本人のいったい何人が知っているだろうか?
これこそ、本書が提起する問題の要である ―
「 ファーマゲドン 安い肉の本当のコスト 」 (日経BP社)、496ページにも及ぶ本書を読んで、正直のところ気が重くなった。
現代的集約農業は、牛や鶏などの家畜飼育から、魚の養殖、穀物の生産すべてを、まるで大規模な工場で 「もの」 を作るように、機械的に行うようになった。 この工場では、命ある家畜も、ただの 「もの」 でしかない。
今日も24時間、化学物質と抗生剤、農薬と成長促進剤にまみれた 不健康な肉や牛乳、遺伝子組み換えの穀物が、私たちの口に入っている。
そして一方、深刻な河川や土壌汚染などの公害は拡散し、生態系は破壊されつつある。
今や、人間の食糧になる穀物が、大量に家畜に与えられている。人間と家畜の穀物争奪戦が始まっているのである。 そのため貧困は拡大している。 私たちが安い肉を大量に食べることで、貧困が増えているとしたら・・・
ファーマゲドンとは、現代のファーム( 農場=工場 )がもたらす 「ハルマゲドン」(世界の終末)を意味する。 知るべき情報であったが、知らない方が良かったとも言える。 ハァー
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